Bandoalphaのらく書き帳

故郷離れてはるばる千里、ひとつ山越しゃ他國の星がぁ・・・昭和の終末高齢者! 思い付いた時に思いついた事などのテキト~なメモ書きらく書き帳ですぅ。 桧野俊弘 ご意見メールは:Bandoalpha@msn.com

夏の雲

先日久しぶりで767に乗った。

ボーイング767は、初飛行が1981年と言うから70年代に開発された旅客機であり、いろいろと想い出も多い機体だが、徐々に退役も始まっているというから今ではもう古い旅客機になるだろうか。

何時もの様に、後ろのほうの便所に近い窓際のエコノミーに席を取り、窓外の流れゆく夏の雲を我乍ら飽きもせずに眺めている。

LAからの隣席はブロンドの綺麗な若い娘であった。

「Gentlemen Prefer Blondes」、邦題”紳士は金髪がお好き”とかゆう映画があったが、紳士ならぬ”おっさん”としても、ブロンドとアルコールにはめっぽう弱い。

夏の雲なんかどうでもよい。
”何この変な東洋のおっさん”と思われるのだろうが、そんなことは何時もの事。 嬉しくなっていろいろと話しに弾んだが、聞くと彼女は以前はワシントンDCに住(い)たのだと言う。

米国の首都であり連邦政府の諸機関が集中しているところであるから、住人には自ずと連邦機関の関係者が多い所である。
ホワイトハウスのスタッフ?や、ペンタゴン勤務?といった風情でもないし、はて?このブロンド嬢は一体何者?
さては矢張り、CIAとかNSAとかの腕利きの諜報部員か!?と訝ったが、彼女の父がNRC(Nuclear Regulatoly Commissionー米原子力規制委員会)に勤めているのだと言う。

フクシマ原発事故発生の折、彼女の父も事故対策のアドバイスをするNRCの支援チームの一員だったそうだが、日本からさっぱり情報が入らず、状況が解らなければ的確なアドバイスも出来ないので、それが一番困ったのだと言う。

米国からの支援の申し出を日本政府は当初断ったと聞くが、情報共有の申し入れに対しても、「(米国は)放射能のデータが欲しいだけだろ。」との政治家の発言を思い出す。

放射性物質が大量に大気中に漏出されるような事故の場合には、”放射雲”が地球を回るから何処も他人事ではなくなる。

自分が利益を得られないのであれば情報はなるべく知らせない姿勢、視野の矮小なところなど、”島国根性”などという言葉を思い出させられる。

日本の新しい原子力規制庁とかも船出はなかなか大変なようで、何時になったら期待される本来の機能発揮が出来るようになるのか不明だが、原発事故調査委員会の調査報告でも今までの方式では安全は確保出来ないことが解ったとされているのに、科学者でもない首相が”安全は私が保障します”と言って原発を再稼動させてしまう。

この夏、猛暑のピーク時であっても、原発が無くとも電力は間に合う事が証明された形だが、ピークには間に合わないことが解っていても大飯原発は再稼動させるという、目的のプライオリティーは何なのかよく解らない所作がある。

自衛隊の戦闘機などは、ドロップ・タンクを不時落下させただけで、ドロップ・タンクを装着しなくとも全機飛行停止措置とされたり、米原潜寄港時に極めて微量の放射能が検出されただけで、新聞の一面に大活字が踊ったりしていたものだが、フクシマ原発の大事故が起った途端、法律で年間被曝量は1ミリ・シーベルト以下とされているにも拘らず、文部科学省が「小学校でも20ミリ・シーベルトまでよい」との通達を出したりする。

もう何がなにやらだが、まるで国を挙げて、誰が一番上手に一般大衆を騙せるかの”嘘吐き大会”をやっているようであり、本当に安全の思想というものが日本にはあるのだろうか? どうも疑わしくなってくる。

そんな事を思うと折角のブロンド美人との愉しい会話も些か曇って仕舞ったが、ところでブロンドに纏わるジョークというのがある。
「魔法瓶は、温かいものは何時までも温かく、冷たいものは冷たく保つ機能があることを知ったブロンドは、次の日、熱いコーヒーと冷たいアイスクリームを、魔法瓶に一緒に詰めた。」
などと言うのを思い出すが、”ブロンドはチョッとオカシイ”とされ、ブロンドのジョークと言うのは数多く且面白い。(参考

ブロンドの名誉の為に書いて置くが、ブロンドの弁護士女史、公認会計士の方もおられたが、一緒に仕事をして何れの方もプロフェッショナルとして100%信頼出来る方々であった。

さてトイレに行こうと席を立った。ブロンド嬢も「わたしもお茶をもらう」と言って、彼女はギャレーへ。私はトイレへ。

日銭商売のエアラインとしては座席数は一席でも多いほうがよいから、元々可能な限り小さくと作るのが飛行機というものであり、自然トイレと言うのは狭隘な最小スペースなものとなっている。

このスペースで落着いて大用を足すことは難しそうだ。 座席が100%埋まることはまず少ないのだし、席を一列潰しても、”新聞を読みながら用を足せる”くらいのゆったりとしたヤツを、これからはエコノミー用でも作って欲しいものだ等と思い乍ら用を足して、体を捻ってバイ・ホールド・ドアを開けると、そこには、お茶を手にしたブロンド嬢が立っていた。

待っていてくれた彼女と席に戻ったのだが。 な~んだかよぉ~。

飛行機でウンコはおちおち出来ないねえ~。

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Xバンド・レーダー

8月23日付けのWSJ紙が、対弾道ミサイル用のXバンド・レーダー・システムを日本の南部に配備する計画があることを伝えている。

レーダー・システム自体の名称は同紙には記されていないが、現在米国が保有する対弾道ミサイル用Xバンド・レーダーで可搬式のものは、海上型SBX(保有1隻。大出力遠距離サーチのものであり、南西域では近すぎてその持てる能力を最大限に生かすことは出来まい)と、青森県車力に既に配備されている陸上型のAN/TPY-2のみであるから、AN/TPY-2を車力以外に南西地域にも配備するということであろう。

同紙によれば、もう1基をフィリッピン辺りにも配備する計画なのだという。

レーダー波の特性上一定高度に達しないと捕捉出来ないので、弾道ミサイルの発射自体はサテライトのEWS(早期警戒衛星)が捕捉するが、ミサイルのブースト段階からはこのAN/TPY-2がトラッキングすることになる。

レイセオン社が手掛けているX-バンド(8.0~12.0GHz)のレーダーというのは非常に解像度が高いといい、目標の弾道ミサイルの種類、デコイ(擬似弾頭)等も識別するといい、目標ミサイルの方位や速度等のミサイル迎撃の為の諸元も把握し、海上や陸上の弾道ミサイル迎撃システムと連動してBMDS(弾道ミサイル防衛システム)の一環をなすものという。

AN/TPY-2の使用する周波数帯は8.55-10GHz、レーダ素子数は25344個だそうだが、覆域は数千キロ程度になるのだろう。

一義的には北朝鮮の弾道ミサイルに対応するものだが、中国の発射する弾道ミサイルも当然捕捉できることとなる。

中国初の空母も、もうそろそろ就役するだろうし、今後中国は更に大型の空母の整備を進めるだろうが、アメリカ海軍のそれと同等な大きさの空母を同数揃え、空母と艦載機の”器”が揃ったからといって、同等な戦力とはならないものである。

空母が自在に活動するためには、空・海や海中からの三次元(ELINTも入れれば四次元か)の相手の妨害を排除出来る能力が必須であるし、彼我の状況をリアルタイムで把握出来る情報ネットワークの「戦闘システム」の構築がなければ、有効な戦力発揮は期し難い。

中国の空母艦隊の出現は、周辺諸国に対してその海上輸送路へのシー・パワーを誇示するものであり、所謂”砲艦外交”としてはかなり有効だろうが、中国海軍が米海軍の空母艦隊と同等な空母戦力を構築出来るまでにはまだまだ時間がかかることになる。

おそらくは、少なくともあと半世紀は米海軍の優位は変るまい。

第一列島線ではないが、中国が台湾武力鎮圧などの際、来攻する空母をはじめとする有力な米艦隊を迎撃するには、南西諸島などの地勢を利用し、対艦ミサイルはじめ大陸からの航空支援、潜水艦等の配備と相まって空母を活用する、といったところになるのだろう。

有力な対空母用対艦ミサイルとして中国は、中距離弾道ミサイルであるDF-21(東風21型。射程2000~3000km)を改良した「DF-21D対艦弾道ミサイル(ASBM)」を開発し、2009年より配備を開始しているという。

米空母を標的とするこのDF-21D(東風21丁型)は射程2700kmといい、弾頭は通常弾頭の単弾頭だが、これを多弾頭としたDF-21F(東風21丙型)も開発中だという。

WSJ紙によれば、Xバンド・レーダーのアジア配備は中国のASBMへの対応も視野に入れたものだという。

艦隊の対弾道ミサイル迎撃を担うイージスBMD艦は、現在26隻(第7艦隊5隻、第3艦隊(東太平洋)8隻、第5艦隊(中東)3隻、第6艦隊(アフリカ)2隻、第2艦隊(大西洋)8隻、第4艦隊(南米)0)というが、これを2018年までには36隻とし、その6割を太平洋に配置する計画だという。


レイセオン社AN/TPY-2パンフレット

日本やイスラエルに既に配備されているAN/TPY-2は、11基調達の予定だという。(
他にUAEが、THAAD弾道ミサイル迎撃ミサイルと共に導入するという。(

DF-21D(東風21丁型)といわれる中国のASBM(対艦弾道ミサイル)。写真ネットより。
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洋上を30ノットで自在に機動する動目標への長射程攻撃であり、電子戦や赤外線対処能力も高く防御力の極めて高い目標であり、ほぼ直撃でないと空母への攻撃効果は見込めないだろうから、どの程度の実力のものかは未知数だが、これが有効なものであれば、米タスク・フォースの中国近海への接近を阻止することが可能ということなのだろう。

国境の島

最近、竹島(日韓)や、尖閣諸島(日中)の領土問題がクローズアップされているようである。

日本は竹島について、国際司法裁判所への提訴を考えているというが、竹島は韓国が武装した警備隊を常駐させており、先日李大統領が訪問している通り完全に実効支配しているので、”領土問題は存在しない”という立場であり国際司法裁判所への提訴に同意することはないのだろう。

国際司法裁判自体が強制力を持たないものであるし、古今東西世界の歴史を眺めると、国境線というものは歴史的な帰属の正当性から定まっているものでなく、関係国間の力関係から国境線は引かれるものというのが現実のところであり、欧州の小国などでは戦争の都度国境線が変わっていることなど珍しくもない。

日本は、血を流してでも実力をもって竹島を奪還する意思があるか?と言えば否定的にならざるを得ないだろうし、反面韓国にはその意思があり事実その意思を物理的にも示しているとすれば、竹島の帰属は事実上韓国となってしまう。

将来日韓両国の国情も変るだろうし、韓国が竹島を日本に譲渡・返還するようなこともあるかもしれないし、日本が実力で竹島を奪還するような事態も無いとは言えないから、その時の大義名分に「竹島は日本領」と、菜っ葉の肥やし(掛け肥ばかりだという)ではないが、声だけは掛けておくというだけのことになる。

尖閣は、現場の海上保安官は身を挺して頑張っているのだが。

政府は、事なかれ主義で、中国の顔色を窺い、ご機嫌を損ねないことを第一とする姿勢であり、先日も東京都が測量等のため申請していた島への上陸を認めないとの政府の対応があったが、粛々と実効支配を進めることなど及びもつかない。

意図的に巡視船に自船をぶつけてこれを損傷せしめた中国漁船の船長や、巡視船にレンガ?等を投擲し、島に不法上陸した中国人活動家などは、罰せられることもなく単に国外退去の措置であり、日本人には島への上陸は認めないとしているのであるから、尖閣諸島は日本政府自らが、日中間での帰属未解決地帯であると認め、現在は”棚上げ、中立地帯”としていると解せられようか。

中国の近年の軍備近代化は目覚しいものがあるわけだが、今や中国海軍は空母や原子力潜水艦等を有し、外洋海軍へと着々と拡大しており、対米戦略上、南西諸島以西の東支那海は制空制海を確保した自軍の安全地帯としたいことは当然考えることだし、台湾問題や海洋・海底資源を考えれば、東支那海コントロールへの”掴み手”となる尖閣諸島の重要性はいうまでもないことで、この問題で中国が譲歩することは基本的に考えられまい。

米国が「センカクは安保条約の対象」と度々声明していることは、中国の急速な外洋進出への警戒・牽制であろうが、日本の親中勢力と民族主義的な反米勢力が中国に巧みに利用された場合には、将来日米関係も変化して、米軍は沖縄から撤退して、グアム・マリアナ、ハワイの線に後退し、独立もしくは自治領となった琉球・那覇の国際通りには”熱烈歓迎”の垂れ幕の下、”友好国”中国人民解放軍海軍の水兵が闊歩し、東支那海は真にその名の通り”支那の海”と化す事もあながち極端な夢想とばかりも言い切れないだろうか。

今後中国の尖閣諸島問題への工作が強まり、不法上陸などが増えるとすれば、司法職員を島に常駐させることや、ヘリや港湾の輸送設備、灯台等航法設備の強化が必要な筈だが、内政からして足元がぐらついている民主党の泥鰌や鳩に、海洋の問題を考えろというのは所詮無理な注文と言う事だろうか。

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尖閣諸島 Photo: Times.com
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