昨日は良く晴れた春日であったからか、この辺りの桜もやっと咲き始めたようだ。

今年は春が遅く、何時まで経ってもなにかしら体の奥から冷え冷えとするように思うのは、なにも歳をとってきたからとか、2月遅くに寒気が訪れたからというばかりでもないようだ。

福島原発は、フュエル・プールへの注水に成功し、外部電源を取り込み、冷却系の再始動に向けて尽力中だが、作業中の東電協力企業社員に被爆者を出したという。
3号機で3人被ばく、2人搬送…水付着で
被曝の作業員、2人は関電工社員 1人は同社の関連会社社員
現場はかなり危険で過酷な状態になっているようだ。
3号機地下の水、放射性物質濃度は通常の1万倍

現場で作業にあたる者は、”防護服”というものを着用するようだが、これはなにも放射線を遮断し作業者を安全に防護する機能があるわけではないという。
中性子などは装甲車の鋼板などでも透過するといい、γ線やX線も透過力は強いので、とても防護服程度で防げるものではない。 防護服の機能は皮膚などから放射性物質を体内に取り込み内部被爆するのを防ぐのを主とするものだという。

”原子力に強いんだ”という菅首相は、「撤退などありえない。覚悟を決めて下さい。撤退した時は、東電は100%つぶれます」と、東電本社に3時間かけて乗り込み社長以下を怒鳴ったのだというが、愚かなことをするものである。

福島第一原発の従業員構成というのは、東電社員1,056名、協力企業4,230名だという(東電HPによる)。
首相の言葉が社長以下にさながら津波の如く伝播し、汚染が進み危険な福島原発の第一線の現場に投入されるのは、”協力企業”と称する所謂「下請け会社」の社員が主力となることとなる。

日本の社会では、「下請け・孫請け会社」の給料や福利厚生などの待遇が、”親”会社を超えることは有得ない事だろう。
退職金や弔慰金も違うから、例え死んでも、貧富の差は付き纏うことになる。
何かで”親”が風邪をひけば、子は肺炎。孫は危篤になり死んでしまう。 ”親会社の命令は絶対”、”ご無理ごもっとも”という上下構造が永年の間に巧みに社会に作られている。

福島県にある原発施設というのは、「福島第一」と更にその10Km南に原子炉4基を有する「福島第二」というのがある。
福島第一のほうは、現在原子炉6基だが、更に2期増設し8基の原子炉とする計画なのだという。
さして広くもない福島県の海岸に、合計12基の原子炉を隣接して並べる計画だったことになる。
今回のように事故が生じた場合、1基の原子炉が高濃度の放射能を漏出する事態になると、現場作業が極めて困難な状況に陥り、残りの原子炉にも次々と支障を生じてしまう”魔の連鎖”が生じてしまう可能性が高くなる。
日本では原発立地を求めるのがなかなか難しいという事情が在るとしても、一番重要と考えるものが違うようであり、なにかしら計画が安易である。

福島県にある原発はみな「東京電力」の施設だが、福島県というのは本来「東北電力」の管轄圏だろう。
東電が関東に原発を作らず、福島に原子炉を並べるというのは、関東には”その適地がない”というワケだろうか。

東北電力のほうは宮城県の女川に原発を持つが、こちらは今回無事だったようだ。
女川の町は津波で壊滅したが、原発は何とかこの津波に耐えている。
津波への想定が両原発では違っていたそうであるが、それにしても隣県施設でこの違いは一体何なのだろうか。
原発、明暗分けた津波対策 女川は避難所に

強制避難させられた福島の住民が、「(原発事故を想定した)避難訓練などしたことも聞いた事もなかった」と、避難所で語っていたが。
町の真ん中に避難区分のラインが走ってしまい、左右に分断されてしまった町もあったようだが、原発周辺の自治体でも原発事故での避難計画など無かったのであろう。
「絶対安全である。」という地元への説明であったろうから、”事故の発生を想定するのは理論的な整合性が無い”とか、東電が原発事故を想定した訓練や計画を主導したのでは、マスコミに取り上げられた場合に”間違ったイメージを住民に与えてしまう”と言ったこともあったろうか。

日本は夏が電力需要のピークになるのだろうか。
東京辺りの夏は、コンクリートの照り返しも厳しく、ビルのエアコンからの排気がまたそれに拍車をかける。
一般家庭にもエアコンは普及してるだろうし、東京の会社や店舗などでエアコンが無いと言う処はまず有るまい。
東電が福島に原子炉を並べる背景には、「安く電力を供給しろや」という需要者の欲求がある。

「日本人のアイデンティティーは我欲。我欲だよ。物欲、金銭欲。」と、石原慎太郎は喝破している。
「やっぱり天罰だと思う」との”天罰”発言は流石に撤回謝罪していたようだが、原発に限れば「天罰」と言うには、罰先が福島の良民というのでは神様も些か鞭の打ち先が間違っているだろう。

地震・津波は天災だが、福島原発は人災である。
”上手な遣り方”、所謂”頭の良い遣り方”としていたものが、実は無責任な、我欲を満たす行為の連鎖でしかなかったとも言えようか。

土壌や海洋などへの環境汚染が進んでいるようであるが、福島周辺の第一次産業は今後壊滅する可能性がある。
”想定外だった”では済まない人間の無責任な行為であろう。