福島原発などの沸騰水型原子炉(BWR)で使用される核燃料は、ウラン等のペレットの詰まった棒状のもの(燃料棒)を60本束ねた(8X8タイプ)「燃料集合体」の形で取り扱われているようだ。

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福島第一原発施設が所有するこの「燃料集合体」の本数であるが、下記になるようである。

1号 プールに292本 炉内に400本
2号      587      548
3号      514      548
4号     1,331       0
5号      946        0
6号      876        0
共用プール 6,375

随分貯めてあるものである。

@3号基の核燃料については、プルトニウムを含むMOX(ウランプルトニウム混合酸化燃料)タイプが導入されており、上記本数のうち相当数がMOXの筈である。
計画では原子炉に装荷する548本のうち最大240本をMOXとするということのようだ。
3号機MOX燃料の健全性についての保安院レポート

@冷却プール内にある本数はネット上の報道記事より拾った数字だが、原子炉内に装荷された本数は東電のデータ表からのもの。
4,5,6号基は点検中であり、炉内の核燃料はプールに上げていたという。
福島第一原子力発電所設備の概要

@共用プール施設は4号基の西方50mのところにあるという。

燃料集合体が装荷される「圧力容器」やそれを囲む「格納容器」は部厚い鋼製だといい、相当に頑丈なものである筈だが、1,2,3号基炉内の燃料も既に破損していると推定され、容器も破損し炉外に放射性物質が漏れている可能性が高い(とくに3号基)ことが指摘されている。
建屋にある燃料プールの燃料集合体も破損している可能性があるという。
プールには放水により水を補給しているが、爆発によりプールも破損している可能性があるから漏水もするだろうし、蒸発もある。冷却系が復活出来るまで、放水を継続する必要があるようだ。

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各炉の状況が解れば対処の方法も解るのだろうが、現在は詳細状況が未だ掴めないようである。
高濃度の放射能の大量漏出の危険が常にあるわけで、これから所謂「修羅場」の事態発生も当然有り得るわけだが、国民は今更何を聞いてもビックリしないだろうが、国の最高指導者である菅総理が一番取り乱しそうなところがある。

福島原発に災害出動している自衛隊の主力は、核対処能力を持つ中央特殊武器防護隊の全力、第102及び103特殊武器防護隊の中隊規模2個隊が基幹のようである。
福島第一原発:報道をはるかに超える放射能・死を覚悟する自衛官、国のリーダーにその認識はあるか

今回の災害での自衛隊出動は陸海空合せて10万6千に上るといい、予備自にも召集がかかる非常事態になっている。
有事の場合には「先ず人員数」であるが、主力である陸の定員は”合理化”で15万人体制に縮小されており、これで朝鮮半島はじめ日本周辺の不安定な安全保障環境や、国際貢献、災害派遣対処を全うしようというのは無理がある。

陸自の兵科のなかでも化学科は所帯が小さいだろうし、部隊編成も小さく予備というものは無い。
人員どころか、使い捨てが基本になる防護服も十分な備蓄が無いようで、今回は米国から補充を受けている。

菅首相は非常事態に臨んでは取り乱し易い性格のようであるし、「自衛隊は暴力装置」との差別的な認識の有力者も取り巻きに入って居るようである。
本人に自覚があるかどうかは知らないが、内閣総理大臣は自衛隊の最高指揮官である。 修羅場には狼狽して、意味も無く隊員に危険を無理強いする指示をしてしまう恐れを否定は出来ないだろうか。

”爆弾三勇士”や”特攻隊”のようなもので、一気に状況を解決出来る可能性は低く、原発との闘いはこの先長引くことが予想される。
自衛隊に英雄的行為の”軍神”は必要あるまいし、部隊行動の決心は常に科学的根拠に基づいて判断されるべきことである。

必要な知識を十分に習得し、高度な訓練の積み重ねによって練成された各個の自信が、「前向きの旺盛な戦意」の源泉となるのであり、部隊長はじめ、部隊の根幹である経験豊かな陸曹、そして若い陸士が共に訓練を通じて練成して来た、100%の相互信頼と打てば響く命令伝達、一枚岩の団結が部隊としての戦力の根源であろう。

化学科は元々が小部隊であり予備など無いのである。 周辺の汚染も進んでおり、福島原発での”核との闘い”は長期に亘ることを今や想定せざるを得まい。 徒に死傷者を出して戦力を消耗して仕舞い、原発との闘いの対処戦力が先細りとなるような事態を生じてはなるまい。

これは自衛隊のみならず、警察、消防、東電等どの組織でも同じことだろう。