もう震災から一と月経つわけだが、いまだに余震がほぼ毎日あった。
それも「ドドド-ッ」という体感のかなりなモノが来る。

親族や知人を失った人は余震の度にあの日を呼び戻されるだろうから、辛いだろうか。

被災者には気の毒だが、地殻変動によるエネルギーが放出されて地球が落ち着くまで暫くこれは続くようだ。

東北新幹線は12日から東京ー福島が再開し、福島ー仙台間は東北本線の快速の運行が再開されるという。
東京ー仙台はこれで最短3時間で繋がるというから、悪くは無い。

福島の東電原発のほうは、綱渡りが続いているようである。

圧力容器内炉心の状況がどうも完全には把握されていないようであり、炉心内の燃料棒が破損しているとみ
られるので、勝手な核反応(再臨界)が一部で生じている可能性が高いのだろう。

本日原子炉事故のレベルを5から7に引き上げたとのことだが、レベル7に相当する多量の放射性物質が大気中に放出されたというのは、1と月も前の話であり、それが今解ったというのは可笑しな話であるから、外国からいずれ報道され、それを追認するのではどうも自分達に具合が悪いので、政府は「隠し切れなくなって、仕方無しにレベル・アップを認めた」という可能性が高かろう。

住民避難地域の拡大が図られているようだが、避難というのは住民の安全確保が目的なのであるから、十分な安全余裕を設定する必要があることからすれば、半径20kmとか30kmとかは不十分であろう。
SPEEDI情報も、暫くの間非公開扱いが為され、国民には伏せられていたようだが、人口密度の高い日本では住民避難というのが容易なことではない事を考慮すれば、単に原発からの直線距離で避難地域を設定するので無く、SPEEDIの資料などを活用したきめ細かい、そして柔軟な避難計画が必要だろう。

東大病院のチームによる原発事故問題の解説は興味深い。
http://tnakagawa.exblog.jp/15158073/

内閣府によるSPEEDI試算の発表(3・23)
http://www.nsc.go.jp/info/110323_top_siryo.pdf


◇◇◇毎日新聞
福島第1原発:最悪レベル7 チェルノブイリに並ぶ

政府は12日、東京電力福島第1原発1~3号機の事故について、原子力施設事故の深刻度を示す国際評価尺度(INES)で、最も深刻なレベル7(暫定)に相当すると発表した。1~3号機では東日本大震災に伴い、原子炉や使用済み核燃料プールの冷却機能が失われ、水素爆発などで大量の放射性物質が外部に放出される事態に陥っている。史上最悪の原発事故と言われた86年のチェルノブイリ原発事故(旧ソ連)と同じレベルに並んだが、経済産業省原子力安全・保安院によると、放出量は同事故の約10分の1とみられるという。

 チェルノブイリ事故で放出された放射性物質の量は520万テラベクレル(ベクレルは放射線を出す能力の強さ、テラは1兆倍)。これに対し、今回の事故で放出された量を、保安院は37万テラベクレル、内閣府原子力安全委員会は63万テラベクレルと推定している。

 INESは、国際原子力機関(IAEA)が定めた世界共通の尺度。0~7までの8段階で評価する。数値が大きいほど深刻さを増す。INESでは、数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出がある場合をレベル7と定めている。

 安全委は原発周辺で計測された放射線量などから、事故直後から4月5日までの間の大気中への放出量の逆算を試みた。各号機ごとの放出量は特定できていない。また、保安院は炉内の状態から試算した。

 安全委は11日、福島第1原発事故について、発生当初から数時間、1時間当たり最大1万テラベクレルの放射性物質を放出していたとの見解を示した。放射性物質の相当量は3月15日に爆発が起きて損傷した疑いがある2号機の圧力抑制プール付近から放出され、現在は1時間当たり1テラベクレル程度まで落ちているとみている。

 保安院は3月18日、福島第1原発1~3号機の暫定評価を「施設外へのリスクを伴う事故」のレベル5と発表していたが、今回の事故は数時間の放出でレベル7に相当すると判断し、評価尺度を引き上げた。

 原子力施設の事故を巡ってはこのほか、炉心溶融が起き、放射性物質が外部に放出された79年の米スリーマイル島原発事故がレベル5。国内では99年のJCOウラン燃料加工施設臨界事故がレベル4で最高だった。

 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は12日、「事故の様相は違うとはいえ、放射性物質の放出量から見てチェルノブイリ事故に匹敵する、あるいは超えるかもしれない事故になったことを重く受け止めている」と述べた。【河内敏康、八田浩輔、山田大輔】

 【ことば】チェルノブイリ原発事故

 1986年4月26日、旧ソ連のチェルノブイリ原発4号炉で出力が急上昇して制御がきかなくなり爆発、原子炉や建屋が破壊された。火災も発生し大量の放射性物質が飛散し、北半球全体で放射能が検出される未曽有の事故になった。この事故で原発職員や消防士31人が死亡、周辺住民ら数百万人が被ばくした。世界保健機関(WHO)によると、事故起因のがんで9000人が死亡。ウクライナでは、事故後に生まれた子どもが甲状腺がんを発症するなど被害は今も続いている。

http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/nuclear/news/20110412k0000e040006000c.html
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◇◇◇河北新報
福島原発の年間被ばく量推定 IRSNが地図を公表

【パリ共同】フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は12日までに、福島第1原発事故で放出された放射性物質による1年間の推定積算被ばく量を示す地図を公表した。それによると、原発から30キロ圏外にある福島県飯館村や川俣町の一部で30ミリシーベルトを超える恐れがあることが分かった。
 米エネルギー省が3月30日から4月3日にかけて観測した結果を基に計算した。
 IRSNによると、積算被ばく量の多い地域は米エネルギー省の観測と同様、福島原発から北西地域に帯状に延び、30キロ圏外の2カ所で30ミリシーベルト超となった。
 IRSNは、放射性物質の広がる範囲について原発からの距離だけではなく、風向きや降水、降雪の影響を受けると指摘。今後もデータ収集に努め、より正確な推定地図を作る意向を示している。
 日本政府は11日、川俣町の一部や飯館村など、福島第1原発から半径20キロの避難指示地域の外側で、事故発生から1年以内の積算放射線量が20ミリシーベルトに達する恐れのある地域を計画的避難区域に指定する方針を発表した。

http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/2011041201000242.htm
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