ICRPが今回の福島原発事故の実情に鑑み提唱した、被曝放射線量の上限20mSv/yというのは、1mSv/yの状態に回復させることを前提として、暫定的に居住可としているものであるから、20mSvという値が安全と言っているのでなく、将来1mSvの環境に戻るのであれば、許容できるリスクということである()。

この20mSvは外部被曝、内部被曝の合計だが、文部科学省の「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について」では外部被曝しか考慮していないのだという。
学校給食や家庭で摂取する食物は、どうしても福島自産のものが多くなるだろうし、体に取り込む放射性物質も他の地域の人よりは多くなるだろう。
屋内では被曝量は低減するものとして、更に許容値を大きくとってもいる。

大人であれば、リスクは極めて小さいことに自分で納得して其の儘居住することもありだろうが、子供の場合はそうゆう判断力は無い。

大人より子供のほうが放射能に対するリスクは大きいわけだが、日本中で福島の子供だけが、被曝のリスクを被らなければならないという謂れもまた無いことである。

本来子供を守るべき立場である筈の文部科学省が、福島の子供を放射能被曝のリスクにより曝す方向の今回の指導は多分に問題があるところだろう。

子を思う親にしてみれば、「理屈はいらない。元の福島を返せ!」の一言か。

汚染された土壌等の除染計画なども明示して、文部科学省は、「被曝から飽く迄子供を守る」という基本にかえり、もう一度指針を練り直す必要があるだろう。