枝野官房長官は小佐古参与辞任の原因となった文部科学省の年間20ミリ・シーベルトという指針について、小佐古教授本人の誤解に基づくものだと言う。

◇◇引用
「これについては明らかに誤解されているのかなと思うが、20ミリまでの被曝は構わないというような方針、指針では全くない。当該学校等についても、地域的な広がりとしては20ミリシーベルトには達しないと見込まれている地域の学校についての問題だ。そして校庭について、確か3.8マイクロシーベルト/アワーで線を引く。この屋外に、つまり校庭の真ん中に1日8時間いて、そして屋内に残り時間、木造住宅に16時間いて、365日継続すると20ミリシーベルトになるという計算だ。しかしながら、それぞれの学校については詳細な放射線量のモニタリングを行っていて、当該学校の敷地内においてもコンクリートやアスファルトの上などについては屋外でも、グラウンドの土の部分の半分程度になっている。それから、校内についてもしっかりとモニタリングを行って、おおむね10分の1程度のそれぞれ放射線量になっている。そして、正に屋外での活動については、念のため、制約をして頂いているということなので、そもそも屋外に8時間いるという想定自体が学校についてはあてはまらない。さらに、4月28日の段階で、校庭利用制限を行った13校のうち11校の校庭では既に3.8マイクロシーベルトも下回っている。また、さらに念のため、それぞれの学校では教師に線量計をつけてもらい、実際の被曝線量も計っていて、こうした念を入れたモニタリング等を行って、それらの状況を2週間ごとに再確認しながら進めていくということなので、20ミリシーベルトに近いような被曝をするというようなことを想定しているものでは全くない。相当大幅にこれを下回るということの見通しのもとで、今回の文科省からの方針、指針は示されている」

「文科省は1~20ミリシーベルトを暫定的な目安とし、今後できる限り児童・生徒等の受ける線量を減らしていくことが適切であるという考え方に立っているのであって、20ミリシーベルトまでの被曝を許容しているというものではない。そこは、小佐古先生がおっしゃっていること自体が認識というか、誤解に基づかれている。決して20ミリシーベルトに達するような環境、あるいはそこに近い数値に達するような学校環境のもとで、お子さんたちに学校生活を営んで頂くことは、全く今回出されている指針は想定していない。相当大幅にそれを下回ることが想定されているが、ただ、当該幅広いエリアにおいてのこれからの安全性の観点からは年間20ミリシーベルトというところで一定の線が引かれている。それは国際機関等の基準に基づいて、そこに一定の基準値があるので、念のためグラウンドレベルに限ってだが、20ミリシーベルトに達する可能性があるところについて、そこで一つの線を引いているということであって、当該学校で生活を行っても全くそういう水準に達することは想定していないし、想定していないことを裏付けるために先ほど言ったように繰り返し、かなり緻密(ちみつ)なモニタリングを行っている」
引用:朝日新聞◇◇

年間20ミリ・シーベルトというのは、”念のために引いたひとつの線”であって、実際には20ミリ・シーベルトを遥かに下回る環境で行われる事になる。20ミリ・シーベルトとかそれに近い値の環境での学校生活なぞ文部科学省はそもそも想定していない。
と言う事のようだが、「最高時速100km」と表示はしたが、走る車は皆50kmで走行する事を考えているというような話か。 時速100kmで事故が生じる事を心痛するのは全くの誤解、杞憂であると。

文部科学省からの通達に「年間20ミリ・シーベルト」という指針値が載っていても、実際の値については、枝野官房長官に都度聞かないとわからない、ということになる。

◇◇引用
「国際放射線防護委員会(ICRP)のPublication109(緊急時被ばくの状況における公衆の防護のための助言)によれば、事故継続等の緊急時の状況における基準である20~100mSv/年を適用する地域と、事故収束後の基準である1~20mSv/年を適用する地域の併存を認めている。また、ICRPは、2007年勧告を踏まえ、本年3月21日に改めて「今回のような非常事態が収束した後の一般公衆における参考レベル(※1)として、1~20mSv/年の範囲で考えることも可能」とする内容の声明を出している。

このようなことから、児童生徒等が学校等に通える地域においては、非常事態収束後の参考レベルの1-20mSv/年を学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安とし、今後できる限り、児童生徒等の受ける線量を減らしていくことが適切であると考えられる。

※1 「参考レベル」: これを上回る線量を受けることは不適切と判断されるが、合理的に達成できる範囲で、線量の低減を図ることとされているレベル。

また、児童生徒等の受ける線量を考慮する上で、16時間の屋内(木造)、8時間の屋外活動の生活パターンを想定すると、20mSv/年に到達する空間線量率は、屋外3.8μSv/時間、屋内木造1.52μSv/時間である。したがって、これを下回る学校等では、児童生徒等が平常どおりの活動によって受ける線量が20mSv/年を超えることはないと考えられる。また、学校等での生活は校舎・園舎内で過ごす割合が相当を占めるため、学校等の校庭・園庭において3.8μSv/時間以上を示した場合においても、校舎・園舎内での活動を中心とする生活を確保することなどにより、児童生徒等の受ける線量が20mSv/年を超えることはないと考えられる。」
引用: 福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方について◇◇

この内閣は、公に議論をして物事を決めていこうというのは無理なようだ。
小佐古参与が辞任するのは解る。