アメリカの正月というのは、「ニューイヤーズ・ディ」でハイお終い、という感じで些か味気ない。

やはり正月というのは、お目出度いのであるから、目出度い、目出度い、と言って一週間くらいは朝から酒を飲んでひっくり返っているようでないと何となく物足りない。

ニュースでは、イランが正月返上でゲンキを飛ばしていたという。
年末から年始にかけて、海軍演習を正月返上で繰り広げていたのだと言う。

先日オバマ大統領が表明したイラン中央銀行の取引を標的とした経済制裁への反動のようだが、イランは国家予算の70%、GDPの50%は石油によるもの(WSJ)というから、石油取引決済の首を絞められるのでは、将に死活問題なのだろう。

アフリカやアマゾンの奥地のような車も電気も無い世界ならば兎も角、石油エネルギーは先進工業国では必須の資源であり、この天然資源に恵まれたイランのような中東諸国というのは、穴を掘れば、国家予算もGDPも自然と湧き出てくるのであるから、何とも羨ましいことである。

天然資源には恵まれず、毎年天然の災害にばかり恵まれる日本などは、”資源”は人間しかないわけであるから、一人一人の人一倍の真摯で弛まぬ努力と叡智に拠るしか国の発展はないわけだが、田圃の泥を一生懸命掘っても、精々どじょう位しか最近は出てこないのが辛いところだろうか。

事の起こりは、イランの核兵器開発疑惑ということであるが、イランにしてみれば、在りもしない核兵器開発疑惑話を創り出して、欧米イスラエル資本はイランの石油資源を略奪しようと狙っているのだ、そもそもイランだけが核兵器の研究開発はイカンというのは可笑しな話で、何を研究開発しようが独立国家の自主権の問題である。
侵略から自衛するためにはやはり核兵器を、ということになるのだろうか。

原子力発電などの、純粋な平和利用目的であれば、国際機関にオープンな形で、疑惑を招かないようにして行えばよい話だろうが、なかなかそうもいかない事情もあるのだろう。

米、露、中、英、仏、印、パキスタン、北朝鮮、それにイスラエルも公表はしていないが事実上核兵器を保有していると言われるが、パキスタンや北朝鮮の例を眺めると、核兵器の保有が、イコール国際社会で一流国としての地位を保障するものでは無いことが解る。

1発で国家機能を壊滅させるような決定的な威力を持つ核兵器を保有することによって、侵略の抑止力になるという一面はあるのだろう。

決定的な破壊力を持つ核兵器故に、政情不安などが生じて、核兵器が第三者に渡る可能性が生じた場合には、どうなのか。
パキスタンに万一の事態が生じ、核兵器が第三者の手に渡る事が考えられるような事態になった場合、米国は核兵器の確保の軍事行動計画を持っているといわれる。
北朝鮮の場合でも、状況によっては核兵器を確保する軍事作戦を中国が計画していても何らおかしくはないだろう。
核兵器を保有するばかりに、外国の直接の介入を受けることも有り得ることになるだろうか。

福島原発事故では、最悪の場合半径250Km圏の避難も予想されたというが、核というのは、平和利用で核物質が漏洩しただけでも国家機能が麻痺する可能性が生じるものである。
核兵器を使用した場合は勿論、事故が生じた場合でも影響は当時国に止まらず、国際的に大きなものとなる。

核兵器を保有する国がこれだけあるのであるし、どの国も核兵器の研究開発保有を行う権利を有するというのは、理論的にはそうなのだろうが、狭い地球で70億が暮らす人類は、今以上の核兵器は、”も~たくさん”ということに尽きるだろう。

わが道をゆくイランはホルムズ海峡封鎖の能力を誇示しているという。

国際海峡であるから、封鎖するとか、米海軍艦艇の通峡を許さない、などと言うのは法外な話である。

ペルシャ湾の入り口を扼するホルムズ海峡は、サウジ、イラク、クエート、UAE等の湾岸産油国からの海上タンカー輸送路であり、2011年は一日当たり1700万バレルがここを通峡したことになるのだという。
欧米の依存度はそれほどではないようだが、日本の場合は8~9割はホルムズ海峡を通って輸入されるのだという白書によれば原油の中東依存度は88%とあるが、中東からの原油輸入ルート全てがホルムズ海峡経由でもなかろうし、アデン湾のほうや、アラビア海に面した原油積み出し港もあるだろうが、ホルムズ海峡経由ルートは、それでもやはり日本の原油輸入量の過半は占めるだろうか。

ホルムズ海峡等中東有事の場合等も考慮し、日本もエネルギー供給の安全を種々考えて施策して来たのだろうし、原子力政策などはその目玉だったのだろうが、エネルギー供給の安全どころか、これが一番国民にとって危険だったというのは笑えない話だろうか。
エネルギー白書2010・エネルギー動向

イランは今一番の”ホット・スポット”だというが、イランのホルムズ海峡封鎖能力はそれほどではないだろうし、通峡阻止に出ても、米軍などに比較的短期間で排撃されると思われるが、イランが万一実力行使に出た場合、一時的に海上輸送が止まり石油価格が高騰するだろうか。

過去にオイル危機などもあり、日本も石油の備蓄をしており、約6か月分の使用量は備蓄があるそうだから、イラン有事が生じても半年で解決すれば問題無いが、それ以上の期間に及んだ場合は、石油関連製品は配給制、出張なども、遠州森の石松の代参ではないが、東海道五十三次を歩いて、という事になるだろうか。(石松代参



今回の演習で発射されたという”イラン純国産”だと称するSSM。ペルシャ湾・ホルムズ海峡を航行する艦船にとっては大きな脅威だろう。
一見して中国のC802系のSSMだが、中国はC802をイランに輸出しており、その後技術援助をしているというから、C802をベースにイランで改良が施されたSSMだろう。
米海軍の艦艇に対してどの程度有効なものか、中国としては出来れば実戦で使ってもらいたいところだろうか。(
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演習中のGhaderクラス小型潜水艦。こちらは北朝鮮の小型潜水艦がベースだという。
”イラン純国産”の魚雷も今回の演習に登場したそうであるが、砂漠の国が魚雷開発というのもイメージが湧かないが、韓国哨戒艦撃沈で実績のある北朝鮮系の魚雷だろうか。
キロ級3隻を合わせ20隻ほどの潜水艦勢力になるというから、海上輸送にとってはかなりな脅威になる。(
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