今年は映画などでお馴染みの海の大惨事、タイタニック号の遭難(1912年4月14日)から100年になるそうだが、先日はイタリアで大型豪華客船の沈没事故があった。

犠牲者数などはタイタニックの時のようなことでは無いのだが、この客船(Costa Concordia)のイタリア人船長が、乗組員どころか、乗客も放ったらかしにして、先に逃げていた、というので痛いニュースになっている。

イタリアであるから多少緩いところはあるとしても、船長が先に陸(おか)に逃げていた、というのも前代未聞な痛い話で、これはタイタニックならぬ、イタイタニックとでも言うべきか。

地中海の7日間クルーズの初日の夜の事故だったようだが、船を見せる等、何らかの理由で島に近づいたところ、左舷船底を暗礁に接触して浸水、島側にUターンする形で回頭して浅瀬で(更に接触右舷船底破損もしくは浸水した海水が移動?)右舷に横転して着底しているようだ。

件の船長は、島とは十分な距離(150mでなく300m?)をとっており、”接触した暗礁は海図に示されていなかった”と言っているそうだが、絶海の孤島ぢゃアあるまいし、いまどきクルーズの航路に海図に記載の無い暗礁はないだろう。

2006年に就役したばかりの新しいメガ・クルーズ船であり、GPSはじめ精密航法機器も複数装備されている筈で、航法の誤差というのも実用上ゼロのはず。
航路の選択は船長の裁量というのはあるにしても、船底を大破するような暗礁への接触というのは、なにか大きなヒューマンエラーがそこにあったとしか思えない事故である。

10万トンを超えるメガ・クルーズ船であり、沈没が不可避なほどの区画への浸水が生じたとしても、沈没するまでには数時間を要するだろうし、適切に避難(退船)措置がとられていれば、なんら犠牲者を出さねばならないような事にはならない筈だが。

暗礁に接触して浸水が始まっていても、1時間ほどの間は”マイナーな電気系統のトラブル”等の説明で乗客には事実を糊塗していたようで、国際遭難信号も発していないのだという。

退船避難誘導も極めて不適切だったようで、乗客は折角の楽しいクルーズの筈が、恐怖の混乱と命の危険に晒され、幾人かは犠牲に、或いは現在行方不明になってしまっている。

Wiki: Costa Concordia disaster

新しい、綺麗なメガ・クルーズ船だったのにい~
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赤外線画像のようだが、しかし、こうゆう状態で縄ばしご?かなんかで退船するのでは、腕力等体力も相当に必要だろうし、高齢者など体力の無い人にはねえ~
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「未だ乗客が残っている。船に戻れ!」
伊沿岸警備隊司令の命令にも、のらりくらりとして陸から動かざること山の如し、だったそうだが、”救助艇から救難の指揮を執る”とも”他の救助艇が邪魔して船に戻れない”とも言訳していたようだが、この船長はなかなかの大物のようだ。

”座礁船の船長「偶然ボートに落ちた」と供述” (読売

救難隊も既に到着しているのであるから、「船と運命を共にしろ!」と強要しているわけでも無かろうに、職場に戻らず船長としての職責を放棄するというのは、ナントモ。
聞こえてくるニュースからは、マーチャント・マリンの風上にも置けぬ奴ということになるが、こんな最新鋭のメガ・クルーズ船の船長になっているのであるから、成績は優秀な人なのだろうが、船長として云々以前に、人間として欠陥があるようだ。

普段平時の状態では表面上顕われないものが、緊急事態に直面してそれが顕われてしまったというところだろうか。