「イスラエル、今春にイラン核施設攻撃か…米紙」、との記事が日本の新聞に出ていたが。(引用下記)

元記事になっている米紙ワシントン・ポストの記事というのはこれであろう。
Is Israel preparing to attack Iran?

目的は全くの平和利用なのだそうだが、イランはウランの濃縮を進めており、数発分の核弾頭の製造に十分な量の濃縮ウランを蓄えつつある。
十分な量の濃縮ウランと核兵器化技術を確保すれば、あとは指導者の命令ひとつで核保有国になる事となる。

イスラエルは、十分な量の濃縮ウランが、攻撃・破壊の難しい堅固な地中深くの施設に貯蔵されてしまう前に、NatanzやQomなどの核プロセス施設を破壊してしまう積りである。
その時期は、この4月から6月辺りになる、と米国防長官は見ている、という話のようだ。

ヒズボラによるロケット攻撃など、イラン側の報復も予想され、イスラエル市民500人程度の死傷が発生しえるのは想定しているという。

記事ではイラン核施設破壊の方法についての明確な言及は無いのだが、弾道ミサイル攻撃では、ピンポイントで地下施設等の破壊は難しいであろう。
空挺により地上部隊を投入し、核施設を占拠・破壊出来れば一番確実だが、エンテベではないので、イラン軍の抵抗を排除出来るほどの規模と装備の部隊を、低速な輸送機群で、片道1500Km+の距離を、それも非友好国上空を経由して進出し、更に作戦終了後に部隊を撤収させ得ると考えるのは、非現実的だろう。

現実的な手段は、やはり航空作戦での空爆ということになるのだろう。

イランの核施設は各所に点在し、しかも地下施設化されている所が多い。
全ての核施設を攻撃対象としたのでは、投入作戦機は百単位の機数が必要になるだろうし、現実的には攻撃対象は数箇所の重要施設に絞り込む必要がある事だろう。
ヨルダン、シリアの国境上空からイラク上空を通り、イラク上空かペルシャ湾上で空中給油、バンカーバスターを搭載した攻撃隊と制空掩護隊がイランの目標上空に殺到して、爆撃し帰還するというところになるだろうか。

Qumなどの堅固な地下施設は完全には破壊出来なくとも、関連核施設を破壊することで、”イランの核兵器開発の時計を数年戻す”ことは可能であろう。

イランも攻撃されれば、報復・反撃の行動に移るのだろうから、弾道ミサイルをイスラエルに発射したり、ホルムズ海峡を封鎖したりという事態が生じ、米欧も参戦してゆく事態に発展しかねない。

ここ暫くは、イランを巡って”一触即発”のきな臭い状態が続くだろうか。
そして、結局はどうなるのか?だが。



◇◇◇引用:読売新聞

イスラエル、今春にイラン核施設攻撃か…米紙

【ワシントン=山口香子】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は2日、パネッタ米国防長官が、イスラエルが今春、イランの核施設を攻撃する可能性が高いと分析していると報じた。


 記事は、同紙の著名コラムニスト、デビッド・イグナチウス氏が執筆した。同氏は、イラン核開発に対するイスラエルの認識について〈1〉イランが近く、地下深くの施設に爆弾製造に十分な濃縮ウランを貯蔵し終わると予測している〈2〉貯蔵完了後は、単独攻撃による兵器開発阻止は難しいと危惧している――との見方を示した。パネッタ長官は「そうなる前の4月か5月、6月」に、イスラエルが攻撃を行う可能性が高いと見ている、とした。

 長官は同日、訪問先のブリュッセルで、「コメントしない」と記者団に語り、報道を否定しなかった。また、イスラエルのバラク国防相が2日、イラン攻撃に言及したことについて、米国は「懸念を伝えた」と述べ、自制を求めたことを明らかにした。

(2012年2月3日11時16分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120203-OYT1T00386.htm
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