北朝鮮は、明日何が起っても不思議ではないし、日本海ひとつを隔てているだけなので、海上脱出難民などが多量に発生すれば、日本は直ちに影響を受けるだろう。

朝鮮戦争()の時は、九州などから米軍機が朝鮮半島に出撃を繰り返したそうだが、日本自身は戦争特需で反って景気のてこ入れとなったが、今は北朝鮮と言えども兵器の性能や軍事能力は当時より遥かに上がっているので(韓国軍や在韓米軍の能力の向上はそれを遥かに凌ぐので、北朝鮮の軍事能力というのは、相対的には貧弱なものなのだが)、弾道ミサイルなど日本本土への投射火力を有するし、潜水艦や機雷、工作員による破壊活動も可能であろう。

朝鮮半島で戦闘状態が生じ、韓・米軍が作戦行動を執るようになった場合、日本は米軍の後方支援のベースとして機能することになる。
”相手の後方を攪乱し補給を断つ”というのは、軍事作戦のイロハであろうし、その能力を北朝鮮が持つ以上、日本に対しそれを行使する可能性は高いであろう。
朝鮮半島で、”第二次朝鮮戦争”とでも言うべき大規模戦闘が生起すれば、日本も必然的に巻き込まれ、戦闘状態となる可能性は高いと言える。
韓国に在住する数万の日本人の保護・救助をどのようにするかという課題もあるだろうし、北朝鮮には拉致された日本人も存在する。

北朝鮮情報の収集に努め、米・韓ともよく協力・連携をして、その動向を注視すると共に、有事対応の体制と実力を整備・演錬しておくことが、北の青年大将に、軍事的冒険を断念させることにも繋がり、大切なところとなるのだろう。

イラン情勢も、”遠い他国の出来事”では済まされないところがある。

ペルシャ湾、ホルムズ海峡、アラビア海といった”オイル・ロード”の海上輸送の安全が脅かされれば、日本の原油輸入の大部分が止まってしまう事態が生じよう。
原油価格が高騰しただけでも、経済への影響は甚大だろうし、最悪の場合は、日本の産業活動は停止してしまうだろうか。

国際経済の動脈である海上輸送の航行の自由を確保するため、自由貿易を推進する国際社会の一員として日本は何を為すべきなのか、現在は何が可能で、何が出来ない状態なのか? 整理しておく必要があることだろう。

1991年の湾岸戦争では、停戦終結後に海上自衛隊の掃海艇をペルシャ湾まで派遣し、イラク軍がクエート沖に敷設した機雷の掃海を米欧海軍と共に行い、「安全保障では役に立ったためしがない。」「金しか出さない日本」という批判から、自由と民主主義を標榜する国際社会の一員としての体面を、何とか保った。
湾岸の夜明け作戦
自衛隊ペルシャ湾派遣ーWiki」

イラン情勢も、何時何が起きても不思議ではないので、米国などと良く連携して情報の収集に努め、海上輸送の安全確保で出来ることの対応は”待ったなし”で可能なよう用意しておく必要があることだろう。

東アジア海域においては、中国の伸張が著しく、尖閣諸島の領有権を主張し、これを”核心的利益”と位置づける中国の南西諸島方面への軍事的圧力に、これからどのように向き合ってゆくのかという長期的な課題もある。

国際貢献活動の問題もあるだろうし、日米二国間で合意していた普天間基地移設という課題もある。
民主党政権になって普天間基地移設は暗礁に乗り上げ、実行の困難に直面している。
嘗ては米国にとって日本は、”頼りにならない同盟国”であったが、今や”信用の出来ない同盟国”に日本はなりつつあるだろうか。

皮肉なことだが、日本を取巻く安全保障の環境というのは、米ソが鋭く対立していた冷戦時代のほうが、構図も単純で寧ろ安定していたものが、ソ連邦が崩壊して、冷戦が氷解した後に却って周辺での不安定要素が高まり、自衛隊が出動するような事態も容易に予想が出来るようになって来ているようだ。

私のような飲んだくれのおっさんでも、防衛省を取巻く環境というのも、これくらいの事は考えられる。

それにしても、Bin何とかいう豪州ワイン、$4.99というのは安かった。 飲んでいて絶対の”お得感”がある。
セールが終らぬうちにシャルドネ又買ってこよ。

田中直紀()という、新任の防衛大臣が話題になり、叩かれているようだ。

父親も国会議員だったとあり、本人は慶応の政治学科卒というから、若くして国政参画の青雲の志に燃えていたのであろうし、角栄の娘婿というから、田中角栄の御眼鏡に適った逸材だろうし、本人もあの真紀子と結婚したというよりは、田中家と結婚したというところなのだろう。
全身これ政治家、というべき大人物か。

国政を担う国会議員を30年近くやっているのであれば、国の安全保障に興味が無いわけは無いので、それなりの見識は必ず持っている筈である。

国会での答弁を聞いていると、田中防衛大臣の安全保障問題の見識というのは、ほとんど中学生のレベルだが、これはきっと周辺諸国にその鋭さを悟られないための韜晦戦術であろう。

”敵を騙すには先ず味方から”という深い考慮がそこに覗え、更に、野党の攻撃を敢えて自ら一身に引き寄せることで、主力本体の野田内閣閣僚を守ろうとの犠牲的精神が、そこには明らかに窺えよう。

「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえる」との自衛官の宣誓文の一節を、防衛大臣自らが身をもって実行して見せているのである。

ひたすら自衛の、専守防衛に徹する大臣の姿は、自衛隊のあるべき姿勢を自ら体現して見せているのだと言えよう。

何時の間にやら会議場を抜け出して、食堂でコーヒーを飲んでいた、として問責され、今後は、「国会内でコーヒーを飲まない決意で臨みたい」、との絶妙な答弁で苦笑を誘っているのも、皆の緊張を解きほぐそうとの緻密な計算のうえでの挙動であることがわかる。

戦闘機の名称がどうのとか、細かな瑣事はマニアックな石破やヒゲの佐藤に任せておけば良いとして、国防や日本を取巻く安全保障の問題に関しては、石破やヒゲは足下にも及ばない高所からの見識を持っていても、それを全く悟らせない、痴呆を装った答弁振りというのは、並みの政治家に出来る技ではない。

稀に見る不世出の大物政治家というべきであろう。






「腹話術は止めろ!」、と声がかかる国会の人気者のようである。
適材なのか否か?と言うような次元は超越しておる。
60b26c4d.jpg