サハラ砂漠で偶然飛行機が発見されたという。()(

1942年6月に行方不明になっていた英空軍のカーチスP-40E戦闘機。

酷い砂嵐に会う事もなかったようで、機体の状態が極めて良好であり、全てが70年前に不時着した時のままに止まっているようである。

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MSNBC/Jakub Perka

状況からすると、脚下げで不時着陸しようとしたようだが、上空からは一見不時着適地に見えても、なにぶん荒地であり、主脚が吹き飛び、機首下面を強く打ったようで、機首下面部の損傷が著しい。
吹き飛んだプロペラの損傷具合からして、エンジンは動いていたろう。

パイロットは、ガン・サイトに頭くらいぶつけてコブくらいは作ったかも知れないが、無事であったろう。

当時24歳だという不時着した英軍パイロットのその後だが、パラシュートが機体の傍にあったというから、パラシュートで日除けを作り、ラジオ(無線機)とバッテリーが同じく機外にあったというので、救助要請の通信を試みたのだろう。

1942年の北アフリカといえば、”Desert Fox(砂漠の狐)”と怖れられたロンメル将軍率いる独逸機甲軍団が、砂漠を縦横に機動して神出鬼没と暴れまくり、英軍はじめ連合軍を苦戦させていた頃であり、戦争真っ最中であるから十分な捜索など難しかったろうか。

不時着後、レスキューが来てくれる望みが無いようだと解ったあとだが、座して死を待つよりはやはり、徒歩で砂漠脱出の”ゼロではない”チャンスに賭けたものだろうか。

熱砂の砂漠を水も持たない状態では、屈強な若い兵隊といえども20マイルも歩ければ良いほうと言うから、何処かで遂に力尽き、歴史の砂の中にその不運の身を埋めたものだろうが、70年の歳月が末路のその悲劇を幾分薄めてくれているのが、せめてもの救いだろうか。

何も目標が無い広大な砂漠を歩くと、人間は真っ直ぐな方角には進めず、知らず知らずのうちに大きな円を描いて、元の場所に還ってしまうという話は聞く。

水の湧くオアシスを見つけたり、駱駝で月の砂漠を旅行くキャラバンに拾われたり、ガンガン冷えたアサヒ・スーパー・ドライの自動販売機に偶然出遭ったりということは、やはり起らないものなのだろう。

英パイロットは公式には、「MIA (Missing In Actionー作戦中行方不明)」となっている。

いまだにサハラ砂漠を彷徨っていれば、今年で94歳になるのだが・・・