火元である東京電力による福島原発事故での放射性物質の総漏出量推定値が、事故発生から1年以上を経て、やっと公表された。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/2012/1204619_1834.html

大気への漏出総量については3月12日から31日迄の、2011年3月分のみで(4月以降の漏出量は3月の1%未満であるとして除外)、放射性ヨウ素換算としてI-131(500PBq)とCs-137(10PBqX換算係数40)のみとし、計900PBq。
90万テラベクレルとなる。

海洋への漏出分については、3月26日から9月30日までの漏出量で、放射性ヨウ素換算として同上換算すれば、I-131が11PBqとCs-137の3.6PBqX40(換算係数)で、計155PBqとなるだろうか。
15.5万テラベクレルとなる。

大気への漏出90万テラベクレル+海洋への漏出15.5万テラベクレルで、総漏出量は105.5万テラベクレルとなるだろうか。

換算から除外している核種もあり対象期間も限定しているので、今後時間が経てばも少し増えた値が公表される可能性はありそうだが、今回の東京電力福島第一原発事故での放射性物質漏出総量というのは、放射性ヨウ素換算で100万テラベクレル以上~120万テラベクレル程度というところになるだろうか。

国民平均にすれば、一人当たり100億ベクレル程度、国土面積平均にすれば300万ベクレル/㎡程度の核汚染を生じた事故ということになる。

大気中に放出された90万テラベクレルの放射性物質は風向きにより、海洋上に降下したものも当然あるだろうが、どうも陸地に大部は降っていたようなのが気になる。

放射線障害は、高い放射線を浴びるような急性でなければ、晩発性のものであり、発生も確率の問題であり、細胞分裂が活発で影響を受け易いとされる幼少者が、何年か先に何人かに1人といった確率で障害を受ける可能性の問題である。
10年20年経たなければ、その影響ははっきりとは解らないところがある。

フクシマ近郊以外の人はこんなことは少し時間が経てば忘れてしまうのだろうが、原発周辺地域、福島市や郡山市といったところに住んでいる親子は、放射線による障害発生の確率に当ることを惧れながら、これからの人生を送ることになる。気の毒である。

以下、新聞報道など引用
本公表以前にある程度の数字を事前リーク報道して、衝撃的発表になることを避ける。 公表する値は90万とし100万は超えない値とする。 報道にあたっては必ずチェルノブイリ事故の520万という数字を入れる。こんなところがどうも目に付くのは気のせいだろうか。

◇◇◇読売5月23日
原発事故の放射性物質、保安院試算の1・6倍
東京電力は、福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の放出量(ヨウ素換算)について、経済産業省原子力安全・保安院が2月に公表した最新試算値の1・6倍にあたる76万テラ・ベクレル(テラは1兆)に上るとの推計を初めてまとめた。

 来月取りまとめる社内事故調査委員会の最終報告書に盛り込む見通しで、福島県など地元自治体への説明を始めた。

 放出量の推計は、炉心の損傷具合から計算する方法と、大気や海水の放射性物質の濃度から逆算する方法で数値に差があり、保安院は昨年6月に77万テラ・ベクレル、今年2月に48万テラ・ベクレル、原子力安全委員会は昨年8月に57万テラ・ベクレルとする試算値を公表した。

 東電は二つの方法を組み合わせ、条件を変えながら計算を繰り返し、ヨウ素131が40万テラ・ベクレル、セシウム137が36万テラ・ベクレル(ヨウ素換算)とする試算をまとめた。

 チェルノブイリ原発事故での放出量は520万テラ・ベクレルだった。

(2012年5月23日03時05分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20120522-OYT1T01713.htm

◇◇◇読売5月24日
2号機の容器損傷、最大汚染放出源に…東電推定
東京電力は24日、福島第一原子力発電所事故で、福島県飯舘村などに最大の土壌汚染をもたらした昨年3月15日の放射性物質の放出は、2号機の格納容器の損傷が原因とみられると発表した。


 1~3号機から環境中に放出された放射性物質の総量(ヨウ素換算)は90万テラ・ベクレル(1テラ・ベクレルは1兆ベクレル)と推定され、政府試算の1・2~1・9倍になった。

 推計の対象は昨年3月12~31日。4月以降の放出量は3月の1%未満とみられるため含めていない。放出量は、敷地内で計測された放射線量などから逆算して求めた。線量が上がった際の各号機の圧力変化などを調べ、放出源も推定した。

 福島第一原発から約30キロ離れた飯舘村などへの汚染は、3月15日に2号機から放出された16万テラ・ベクレルが原因とされた。格納容器の圧力が同日未明に設計値の約1・5倍にあたる7気圧を超え、容器上部のつなぎ目などが損傷して漏出した可能性が高い。同日午後には北西向きの風となり、夜に降った雨で土壌汚染につながった。

(2012年5月24日21時57分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120524-OYT1T01150.htm

◇◇◇時事ドットコム
放出総量90万テラベクレル=昨年3月、2・3号機が8割-福島第1事故・東電推計
 東京電力福島第1原発事故で、東電は24日、事故翌日の昨年3月12日から同31日までの放射性物質の放出総量(ヨウ素換算)を90万テラ(テラは1兆)ベクレルとする推計結果を公表した。経済産業省原子力安全・保安院が2月に試算で示した48万テラベクレルの1.87倍。チェルノブイリ原発事故(1986年)の520万テラベクレルの17%の数値だ。
 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「他の評価ともオーダー(桁)は合うが、ヨウ素131はやや過大評価の可能性が残る」と話した。
 東電はモニタリングカーで計測した放射線量の変化などから、原子炉から放出された放射性物質量を推計。1~3号機の格納容器圧力の変化、水素爆発、炉内の気体を放出するベントなどの時間と突き合わせ、いつ、どの号機から放出されたかを推定した。さらに、当時の風向などから拡散状況を分析し、文部科学省による土壌の沈着量調査結果とも比較的一致することを確認した。
 その結果、キセノンなどの希ガス類とヨウ素131がそれぞれ約50万テラベクレル、セシウム134、137がそれぞれ約1万テラベクレルと放出総量を推定。ヨウ素は保安院推計の約15万テラベクレルより多いが、放出されやすさを高めに仮定した影響とした。
 各号機の推計では、2号機が最も多く、3号機もほぼ同じで、それぞれ全体の4割を占めた。残り2割が1号機で、プール内の使用済み燃料に損傷がない4号機からの放出はほとんどなかった。(2012/05/24-20:54)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012052400632

◇◇◇産経
福島第1原発、放射性物質90万テラベクレル放出 東電が初の試算公表
2012.5.24 23:34
 東京電力は24日、福島第1原発事故翌日の昨年3月12日から同31日までの放射性物質の総放出量が約90万テラベクレル(テラは1兆)とする試算結果を公表した。経済産業省原子力安全・保安院の試算の1・87倍、520万テラベクレルが放出されたチェルノブイリ原発事故の約17%にあたる。東電が試算を示すのは初めてで、これまでの推計で最も高くなった。

 東電はモニタリングポストで計測された放射線量の変化などから、放出された放射性物質の量を試算。各号機の放出は2、3号機で4割ずつ、1号機から2割とし、4号機からの放出はないとした。

 福島県飯舘村など北西方向への汚染は、3月15日朝と夜に、2号機から放出された計約10万テラベクレルのヨウ素131などが、風向や降雨で沈着したと推定。1、3号機の水素爆発の影響は小さいとの見方を示した。

 一方、海への放出は調査を始めた昨年3月26日から9月末までで、高濃度汚染水の流出を含む約1万8千テラベクレルと試算した。

 総放出量は保安院と内閣府原子力安全委員会も試算し、保安院は今年2月に48万テラベクレル、安全委も昨年8月に57万テラベクレルとの結果を公表している。
http://sankei.jp.msn.com/science/news/120524/scn12052423350000-n1.htm
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