最近、竹島(日韓)や、尖閣諸島(日中)の領土問題がクローズアップされているようである。

日本は竹島について、国際司法裁判所への提訴を考えているというが、竹島は韓国が武装した警備隊を常駐させており、先日李大統領が訪問している通り完全に実効支配しているので、”領土問題は存在しない”という立場であり国際司法裁判所への提訴に同意することはないのだろう。

国際司法裁判自体が強制力を持たないものであるし、古今東西世界の歴史を眺めると、国境線というものは歴史的な帰属の正当性から定まっているものでなく、関係国間の力関係から国境線は引かれるものというのが現実のところであり、欧州の小国などでは戦争の都度国境線が変わっていることなど珍しくもない。

日本は、血を流してでも実力をもって竹島を奪還する意思があるか?と言えば否定的にならざるを得ないだろうし、反面韓国にはその意思があり事実その意思を物理的にも示しているとすれば、竹島の帰属は事実上韓国となってしまう。

将来日韓両国の国情も変るだろうし、韓国が竹島を日本に譲渡・返還するようなこともあるかもしれないし、日本が実力で竹島を奪還するような事態も無いとは言えないから、その時の大義名分に「竹島は日本領」と、菜っ葉の肥やし(掛け肥ばかりだという)ではないが、声だけは掛けておくというだけのことになる。

尖閣は、現場の海上保安官は身を挺して頑張っているのだが。

政府は、事なかれ主義で、中国の顔色を窺い、ご機嫌を損ねないことを第一とする姿勢であり、先日も東京都が測量等のため申請していた島への上陸を認めないとの政府の対応があったが、粛々と実効支配を進めることなど及びもつかない。

意図的に巡視船に自船をぶつけてこれを損傷せしめた中国漁船の船長や、巡視船にレンガ?等を投擲し、島に不法上陸した中国人活動家などは、罰せられることもなく単に国外退去の措置であり、日本人には島への上陸は認めないとしているのであるから、尖閣諸島は日本政府自らが、日中間での帰属未解決地帯であると認め、現在は”棚上げ、中立地帯”としていると解せられようか。

中国の近年の軍備近代化は目覚しいものがあるわけだが、今や中国海軍は空母や原子力潜水艦等を有し、外洋海軍へと着々と拡大しており、対米戦略上、南西諸島以西の東支那海は制空制海を確保した自軍の安全地帯としたいことは当然考えることだし、台湾問題や海洋・海底資源を考えれば、東支那海コントロールへの”掴み手”となる尖閣諸島の重要性はいうまでもないことで、この問題で中国が譲歩することは基本的に考えられまい。

米国が「センカクは安保条約の対象」と度々声明していることは、中国の急速な外洋進出への警戒・牽制であろうが、日本の親中勢力と民族主義的な反米勢力が中国に巧みに利用された場合には、将来日米関係も変化して、米軍は沖縄から撤退して、グアム・マリアナ、ハワイの線に後退し、独立もしくは自治領となった琉球・那覇の国際通りには”熱烈歓迎”の垂れ幕の下、”友好国”中国人民解放軍海軍の水兵が闊歩し、東支那海は真にその名の通り”支那の海”と化す事もあながち極端な夢想とばかりも言い切れないだろうか。

今後中国の尖閣諸島問題への工作が強まり、不法上陸などが増えるとすれば、司法職員を島に常駐させることや、ヘリや港湾の輸送設備、灯台等航法設備の強化が必要な筈だが、内政からして足元がぐらついている民主党の泥鰌や鳩に、海洋の問題を考えろというのは所詮無理な注文と言う事だろうか。

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尖閣諸島 Photo: Times.com