米国内でエボラ熱に感染した「看護婦1号」のNina Phamさんが、全快し退院している。

「看護婦2号」のほうも体内にウイルスはなくなり隔離病室は出たと言うから、直に退院であろう。

早期発見早期に治療が開始できれば、死亡率は高くはないのであろう。

西アフリカ3国の流行地では、とてもそのような状況ではないようで、絶対的に治療施設が足りず、自宅やあるいは路上でほぼ放置の状態が多いようであり、これでは死亡率や感染流行は止まる所を知らぬだろうか。

ギニアに行っていた「国境無き医師団」の医師が、ニューヨークに帰ってきて発症したそうだが、都会での感染者の出現はその影響が大きく、流行地で感染者に直接接する機会のある医療従事者等は、帰国後もウイルス潜伏期間の21日間は隔離観察状態にする必要があるのだろう。

全員なのか感染者に接するような機会があった者が対象なのかは知らないが、西アフリカに派遣される米軍の隊員も、帰国後は21日間隔離観察を考えているようである。

今のところ、米国内で治療を受けたエボラ熱患者で死亡したのはイベリアより来た男性一人のみである。

このイベリア国籍男性は、現地流行地で感染者に接する機会があったようだが、出国や入国時にそのような事実の申告はしなかったといわれる。

正直に申告してしまうと出入国手続きに支障が出、最悪出入国が不可能になってしまうことを恐れ、感染者との接触を申告しなかったり、或いは本人が気付かない儘感染者に接触しているような事例は考えられるから、西アフリカ流行地よりの旅行者というのも、21日間の隔離観察の対象とすべきなのであろう。

きちんとした対応策を確立し実施していれば、それほど無闇に恐れるようなものでもない。

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治療チームの主治医だった大先生と肩を組みながら退院するNinaさん。(NIH Photo
「近代医学の勝利」の瞬間である。
開発中の新薬の投与などは行われなかったという。 随分回復が早いが、なにせ看護婦であるから、きっと模範的な患者であったろうか。
医療従事者の感染リスクというのはゼロではないわけだが、彼女は使命感に燃えた立派な「看護士」である。
大先生方が胸に付けているリボンは、この立派な看護士を育てた彼女の母校、Texas Christian Universityのスクールカラーで、勇敢な看護士を表敬して付けている。
彼女自身敬虔なクリスチャンといい、信念のしっかりした人なのであろう。
NIH退院記者会見ーYouTube

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テキサスに帰る前に、医者の大先生方共々ホワイトハウスに招待され、オバマ大統領と面会のNinaさん。(White House Photo)
2号以下の感染者ではこうは行かないだろうから、どうせ感染するならやっぱ、「いの一番」だね。
妹のほうが美人かなw

日本には「愛染かつら」という、看護婦がヒロインの映画が昔あったそうだが、この話が映画化されたら題名は、「感染かつら」。