ISISが、拘束していたヨルダン空軍中尉を焼き殺すビデオを流したと言う。

同中尉を檻に入れ、ガソリン様のものを掛けて、生きたまま焼き殺すという残忍な行為であり、ISISの蛮行は止まるところを知らないようだ。

テロリズムというのは相手に身震いするような恐怖心を与えることでマインド・コントロールし、我が意の侭に相手を動かすことである。

「こんな残忍なことをされたのでは堪らない」「ISISを敵にするのは止めよう」「ISISを挑発するような行為や発言はしないようにしよう」「ISISの気に障るような言動はするべきでない」等々、テロリズムと闘う意志がない者は、かくしてテロリストの使い走りをすることとなる。

ヨルダンはじめ有志連合国による空爆の話から始まるISISの当該ビデオは、ストーリーを作り、CG(コンピュータ・グラフィック技術)なども使って丹念に日時を費やして編集されたものであり、昨日今日思いつきで焼き殺したというものではないので、相当以前に同中尉への残虐な処刑は行われていたものであろう。

ヨルダン政府筋は1月3日に同中尉の殺害が行われていたとしているようだが、なにか諜報情報なりがあるのだろう。

ビデオには、ISISを空爆する有志連合各国空軍パイロットを殺害した者へ「報奨金」を支払うとも出ている。

これまでの拘束者の首を掻き切り殺害するのとは違い、「檻に入れ焼き殺す」という残虐な手法といい、なんとかして空爆を阻止したいとのISISの意図がビデオからは窺える。

ISISは地上の支配地域は持っていても、上空は宿敵”十字軍”の為すがままである。上空への対抗手段を持っていない。

偵察衛星やUAVなどで昼夜を分かたず動きを監視され、ELINT機などによる通信傍受もなされている。

そういった収集情報をもとに指揮中枢などISISの重要施設が把握され、空爆が実施されている。

最近の投下兵器はGPSなどを使用した精密誘導爆弾などであり、相当な高度・距離からでもピンポイントで目標に命中させることが可能となっているので、遥かにジェット機の音がするような状態で突然爆撃を受けることが生じるわけである。

初弾を退避することは出来ないので、”くわっ、テロ攻撃だ!”とISIS幹部も叫ぶことだろうか。

ISIS支配地域への空爆は、精神的な面も含めてかなりな効果をあげているのであろう。

日本は有志連合に入って空爆するようなことは出来ないそうだが、精密誘導爆弾でもライセンス生産して、一際精度の高い国産弾に「YUKAWA」、「GOTO」とペイントし、数千発ずつ有志連合国空軍に提供してISIS中枢にぶつけてもらってはどうか。


☆☆☆