今年は季節の訪れが早いようで、6月半ば頃から夏が始まっているような。

80度Fを越す日々が続いており、陽の延びた夕方にあおるビールがさすがに美味い。

南支那海での中国の埋め立てによる人工島の飛行場建設などのニュースは聞いていたが(CNN Report YouTube)(同P-8と支那海軍交信Audio)、東支那海でも海底ガス田開発・採取のリグの新設が実は続いていたのだと言う。

知らなかった。

ジャーナリストの桜井よしこ氏によると、平成10年11月の時点では4箇所だったガス田開発リグが、昨年6月までに6箇所に増え、さらにこの1年間で12箇所に急増しているのだという。さらに、4箇所が現在建設中という。

東支那海の海底にはガス田があるわけだが、日中中間線に沿って建設されたこれらリグの西の中国側にのみガス田鉱脈があるわけでなし、東支那海中央部の海底広くガス田は存在するものであろう。

日中2国間に跨る海底資源を一方的に開発・採取へと進む中国の態度は、国際秩序への挑戦であろう。

中国の主張は、南西諸島西の沖縄トラフまでの大陸棚が全て中国のEEZであるから、これは議論の余地の無い中国の管轄海域で行っていることであり、日本に抗議されるいわれは無い、ということになる。

領海やEEZなどが2国間に跨る場合には中間線で、という原則論は中国には通用しないようである。

東支那海の海底には現在の技術で採取可能な天然ガスや石油資源が相当量あるといわれるが、日本はこの海域での調査試掘さえ行っていないようであるが、日本近海に大規模海底ガス田や石油が存在するとなれば、エネルギーのほぼ全てを輸入に頼っている日本にとっては、きわめて貴重な自国エネルギー資源ということになる。

産経新聞に指摘されるまで、中国の東支那海での一方的なガス田開発状況を自国民や国際社会に隠していた日本政府もなんだかなさけない。

強い相手の顔色を窺って何事も穏便に、と言うだけの外交姿勢では其の内に、中国が開発し尽くし採取した東支那海の海底天然ガスを日本は中国に料金を払って輸入することにでもなりそうである。

◆◆◆引用
「日本に抗議されるいわれはない」=中国が東シナ海で新たなガス田開発―中国紙

2015年7月7日、中国・環球時報は、日本が中国の東シナ海でのガス田開発について「いわれなき抗議」をしていると報じた。
6日付の日本メディアによると、菅義偉官房長官は同日の記者会見で、中国が2013年以降、東シナ海の「日中中間線」の中国側で新たな海洋プラットホームの建設を行っていることを確認しているとした上で、「中国側が一方的な開発を進めていることに対し、繰り返し抗議すると同時に、作業の中止を求めている」と述べた。新たに何カ所でガス田開発が進められているのかについては、「政府が収集した新たな東シナ海ガス田開発に関する情報を公にすることは、今後の情報収集や外交交渉に支障を来す恐れがあり、答えることは控えたい」とした。

東シナ海の「日中中間線」でのガス田開発をめぐっては、日中両政府間で共同開発に関する条約の締結交渉が進められていたが、2010年に起きた尖閣諸島沖の中国漁船による衝突事件をきっかけに中断したままとなっていると、日本メディアは報じている。

政治ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、日本メディアに寄稿し、「国会で集団的自衛権や憲法について机上の論を重ねて、いかにして中国の脅威から東シナ海ガス田を守れるのか。政治家は、猛省してほしい」と述べた。

中国外交部は、日本の主張する「日中中間線」について、「日本側の一方的な主張であり、中国がこれを受け入れたことはない。中国が自国の管轄海域で行う開発は非難されるものではなく、それに対する抗議も受け入れない」との立場を示している。(翻訳・編集/柳川)


http://www.recordchina.co.jp/a113363.html
◆◆◆

参考;
中国、東シナ海ガス田開発を急加速 机上の空論続ける政治家は猛省せよ」ー櫻井よしこ


Chinagas
Wiki「東シナ海ガス田問題」より。

chinagasrigs
東支那海の中国ガス田開発。NETより。
朝日新聞など大手新聞社は航空部があり、いい飛行機を持っているのであるから、公海上であり飛行取材は自由のはずであるし、やはり画像は「一目瞭然」ということがある。 是非最近の状況を取材して欲しいものだが。

EastChinaSeaMap
US Energy Information Administration」より。
中国は沖縄トラフまでを自国のEEZ(青線)と主張している。

この辺りの海底資源は天然ガスと石油のようで、採取可能な埋蔵量はかなりの規模のようだが、正確なところは未だ不明なようだ。

日本は中国に共同開発を提案し採取資源を折半するにせよ、或いは中国が合意して国際司法に判断を仰ぐにしろ、或いは、日中中間線を境に両国がそれぞれの海域で独自自由に採取するにせよ、先ずはどれほどの規模の海底資源が何処に存在するのかを知っておく必要があろう。

日本は先ず資源調査の試掘をしてみることだ。

中国は”日本が中国の資源を盗る”として狂ったように反発して来ることだろうが、自分の財産とそして命は自分で護るほかに無いのだ。
権利を行使しそれを断乎として護る意思の無い者からは、権利も逃げていってしまう。

中国は、下品で野蛮な、そして腕力の強い、巨大な日本の隣人である。

貪欲、横暴、独善・・・ほんらい中国はそんな国でもないのだろうが、中国共産党による権力の一党独裁体制の下、いつの間にかそんな国家になってしまったのであろう。

とは言え、な~んだか~んだ言っても、大国中国がアジアの盟主として主導的立場になっていく以上、日本もこれからは、「中国的な思考法」を受け入れるほか無いかもわからんね。

「東支那海のEEZは日中中間線で」などと中国様に非礼なことを主張するのはもう止めて、
国際海洋条約では200海里までをEEZ(排他的経済水域)としているのであるから、
「日本の領土から200海里までが日本のEEZ。」
と決めたらよいかもわからんね。


EastChinaSea200
上海沖とかの大陸沿岸に、海底資源開発・採取の日の丸リグを林立させるようだろうか。