日本時間2016年2月7日09時31分ころ、北朝鮮が”地球観測衛星の打ち上げ”と称する飛翔体の発射を強行したという。

北朝鮮は当初IMOへ発射予定は2月8日から25日の間の午前中として落下物危険水域を通知していたものを、2月6日付通知で発射予定を7日から14日に変更(危険水域は同一)、早速7日の日曜に発射している。(国土交通省資料

これまでも北朝鮮は「光明星○号」と称する人工衛星の発射実験を行っており、最新は2012年12月12日の「光明星3号の2号機」発射であるが、衛星軌道投入には成功したものの、衛星との交信は不能で姿勢制御も出来ぬ儘くるくるとtumblingして周回するだけの宇宙のゴミとなっている。

ちなみに「光明星3号の1号機」は報道陣などに公開していたものの、2012年4月13日の発射直後に爆発している。

光明星1号、2号も失敗しているが、北朝鮮では光明星3号1号機を除き他は全て完璧に成功したものとしており衛星は「金将軍の歌」などを地球に送信したというが、受信に成功したものは北朝鮮以外に存在しない。

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北朝鮮によるこれまでの衛星発射。WSJ紙より。

今回の「光明星4号」の発射について、北朝鮮宇宙開発局の発表では、
2月7日午前9時(日本時間同9時半)、平安北道鉄山郡の西海衛星発射場から発射され、9時9分46秒に光明星4号を自らの軌道に正確に進入させた。

 4号は、97・4度の軌道傾斜角、近地点で高度494・6キロ、遠地点で500キロの極軌道を回っており、周期は94分24秒である。

 4号には、地球観測に必要な測定機材と通信機材が設置されている。
ものとしている。(朝日新聞ネット

衛星打ち上げに使用するロケットについては「銀河○号」と呼ばれていたので、通例通りであれば「銀河4号」となる理屈であるが、今のところロケットに関する映像や名称などは公表が無い。

今回通知された落下危険区域をみると、前回2012年12月の時とほぼ同じではあるが()、若干北よりになっている。飛翔パターンが若干異なるわけでロケットなども前回より改良されているものなのだろう。
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今回の北朝鮮による落下物危険通知海域。原資料は国土交通省情報。

今回の発射について日本政府の公表情報では、
「発射された飛翔体は、5つに分離し、1つは9時37分頃、朝鮮半島の西約150キロメートルの黄海上に落下したものと推定をされます。もう2つは、9時39分頃、朝鮮半島の南西約250キロメートルの東シナ海上に落下したものと推定されます。もう1つは、9時41分頃、沖縄県上空を通過し、9時45分頃、本邦の南約2,000キロメートルの太平洋上に落下したものと推定をされます。もう1つは、9時39分頃、沖縄県上空を通過し、南方向へ飛翔を継続をしました。」
としており、第1段ロケットと分離した2個のフェアリングは通知海域内に落下したものの、第2段ロケットはフィリッピン沖の300㎞X100㎞という北朝鮮の通知危険海域を外れてさらに南方に落下したという。(防衛相

何らかのトラブルが生じていたことになり、「光明星4号」と3段目ロケットの衛星部位は宇宙空間には達したようだが、予定軌道に投入出来たのか?衛星が機能するのか?は難しいところで、確認はNORADなどの今後の情報待ちになる。

北朝鮮のロケット技術は数十年前のソ連のロケットやロケット・エンジン技術の延長のものであり、信頼性などはそれほど高くない。

核兵器の開発は運搬手段である弾道ミサイルの開発とセットのものであるから、今回のような”地球観測衛星”発射実験などを通してロケットのエンジンや制御技術の向上を図っているものであろう。

NKspacectr
わが共和国の宇宙開発局スペースセンター、コントロールルーム。
LCDやマウスはどうも市販のもののようであり、コンソール・デスクやキャビネットはよく見ると「木」である。も少し何とかならんかな。