日本では、日本以外の国籍である「外国人」が日本国籍を取得する「帰化」の場合には、「帰化許可申請」に必要とされる書類を揃えて法務局に申請し、問題が無ければ晴れて「日本人」となれるようである。(法務省:国籍Q&A

5年以上日本に住んでいること等帰化申請の要件はあるが、手続きは書類審査のみである。

日本に帰化する外国人というのは年間1万人弱のようで、内訳は中国、韓国、朝鮮人で8割強を占めており、帰化日本人というのは特定の国家に偏っている。(帰化許可申請者数,帰化許可者数及び帰化不許可者数の推移【PDF】 )

米国の場合、米国以外の国籍の人間が米国籍を取得し米国市民になるには、「試験及び面接」があり、これをパスして米国人になるにあったっては、「宣誓(Natsuralization Oath)」を必要とされる。

米国籍申請の要件は、米国永住5年以上、米国人の配偶者の場合は永住3年以上等と日本とさして変わらない。

「試験及び面接」の内容なのだが、英単語の筆記と英単語の読みのテストと米国の歴史、政治といった所謂一般常識の質問からなっている。

英単語の筆記や読み方(English Test)はいずれも簡単な単語ばかりであるから、「最低限の英語理解力」を要求しているものであろう。

一般常識問題(Civic Test)は、質問される10問中6問正解であればパスとなっているのだが、質問の百例が出ているので見てみると意外と難しい質問もあるようだ。(Civics (History and Government) Questions for the Naturalization Test pdf)
例えば、

What does the Constitution do?

The idea of self-government is in the first three words of the Constitution.  What are these words? 

What do we call the first ten amendments to the Constitution?

How many amendments does the Constitution have?

How many U.S. Senators are there?

We elect a U.S. Senator for how many years?

Who is one of your state’s U.S. Senators now?

The House of Representatives has how many voting members?

How many justices are on the Supreme Court?

Who is the Chief Justice of the United States now?

Who wrote the Declaration of Independence?

When was the Constitution written?

What territory did the United States buy from France in 1803?

Who was President during World War I?

Name one of the two longest rivers in the United States.

などなど、これはチョット勉強しないと一般にはパスしそうにないかな。

米国人になれば選挙権や被選挙権、陪審員等、米国市民としての権利や義務が発生するので、政治制度や法制度等の基礎的な知識が要求されるのは当然なわけだが、内容的には義務教育である高校卒業程度の一般常識というところであろうか。

米国籍を取得すれば宣誓にもあるように、国家有事の場合には米国民として敵と戦う意思が要求されるわけだが、究極の場合にはその「敵」は、自分の生まれた国であることもあり得よう。

「日本と戦争になった場合、アメリカ人として戦いますか?」と面接で実際聞かれたりもするようである。(米国籍取得者ブログーHi from OHIO

米国の場合、二重国籍保持が可ではあるが、国の方針として二重国籍を支持はしていない。

米国政府は二重国籍の存在を認め、アメリカ人が他の国籍を持つ事を認めてはいますが、その事が原因となって問題が生じることがあるので、方針としては二重国籍を支持していません。二重国籍を持つアメリカ人に対してアメリカ国民としての義務を要求する場合に、それがもう一方の国の法律に反するような状況に陥ることもあるからです。

さらに、二重国籍者が海外に在留する場合、米国政府が当該者に対して自国民保護を行うのに支障がでる場合があります。通常、二重国籍者が国籍を持つ一方の国に居る時には、その国の要求が優先します。二重国籍を認めていない国が多い為、二重国籍者が国籍を持つもう一方の国で困難に遭遇した場合、米国政府が自国民として援護出来る範囲は極力狭まります。
東京の米国大使館:アメリカ市民サービスより。

日本は少子化社会で人口減少の時代に入っているといい、労働力となる移民の導入など”国際化”が叫ばれたり、国籍についても重国籍を認めようとの運動もあるようだが、現行のままで重国籍保持など認めた場合には、特定の国家の二重国籍者がドッと急増したりして、チョット大変な事態になりかねないだろうか。

何でもぐちゃぐちゃ混ざれば「国際化」というものではないし、国籍というものの認識が無ければ国際化ということもあり得ない。

現在の日本の帰化申請・許可のお寒い状況を眺めると、重国籍の容認などはとても出来ることではなさそうである。