故金正日の長男で金正恩とは異母兄弟の金正男が暗殺されたとのニュース。(産経その他)

クアラルンプール国際空港でマカオに行こうとしていた金正男氏を、北朝鮮は白昼堂々毒殺したという。

己の独裁権力維持に少しでも危険な者は例え兄弟であっても「殺ってしまう」というのは、なかなか惨忍であるが、非情・残酷さというのが独裁者にとって不可欠のものであれば、金正恩というのは極めて恵まれた適性を有する人物と言えようか。

金正男氏は祖国北朝鮮には戻れぬ立場だったようで、北京やマカオ、シンガポール、マレイシアなど東アジア域を放浪する身で日本にも何度か入っていたようであり、入管で捕まったりもしていたことがあった。

本名というわけにもいかぬようで偽造パスポートを常用していたようだが、精巧な外国紙幣を偽造する北朝鮮であるからパスポートの偽造くらいは朝飯前なのであろう。

「殺る」にあたっては、中国領でやったのでは些か具合が悪かろう。 
マレイシアは北朝鮮と国交があるから工作活動の基盤が出来ており他のところに比べて警察・公安も些か緩かろうから、チャンス到来というところだったろうか。

北朝鮮というのは徹底した監視・管理国家であり、複数の独立した組織による思想監視の網が縦横に張り巡らされており、人民同士も互いに監視し合うように仕向けられている。 少しでも絶対権力に反抗的な”反革命的”兆候が見られれば、そのような人物は再教育施設に送るなり処刑なりで、その体制は金正恩絶対権力者のもと極めて強固なものであるが、人民の心底からの合意で出来たものでなく所詮は人為的に力で抑え作られたものであるから、何かでタガが一か所外れれば一気に瓦解崩壊してしまう脆弱さと表裏一体のものであろう。

石油のような重要なエネルギー資源が産出するわけでも無いし、世界貿易ルート上に位置するわけでもない僻地国家なので、北朝鮮がどうなろうと好きにすれば良いようなものだが、何か生じた場合には2千5百万人民が難民化し、直ちに人道的支援が特に周辺諸国には要請されることと、その保有する核兵器がどうなるか?だろうか。

己の権力維持の為なら何でもやるという姿勢で、安易に核兵器が使われるようなことが生じたりしたら、周辺国は堪るまい。

北朝鮮というのは、東アジアの安全保障上大きな不安定要素である。