北朝鮮が日本方向にミサイルを発射した直後にはJアラートが鳴っているというが、さしずめ現代版の「空襲警戒警報」であり、なんだか昭和20年の戦争末期みたいな状況を思わせる。

 ボケッと平和が長く続いていた日本で、「ミサイルが発射されました。避難してください!」などという警報が鳴ることなど誰が想像出来たろうか。

 日本の安全保障はいまや、戦後最大の危機に直面している。

 Jアラートは上手く機能しているようで北のミサイルが着弾するとしても数分は余裕があるようであるから、カップヌードルを喰える準備くらいは出来そうである。

 北朝鮮が太平洋に弾道ミサイルを撃ち込む場合には必ず日本列島上空を通過することになるし、何かあった場合には弾道ミサイルで日本を攻撃して来る可能性も大いにあり得る。

 北朝鮮は、「おそらく水爆の実験を太平洋上で行うことになる」などとほのめかしているので、これから発射される弾道ミサイルの弾頭には核弾頭の実弾が積まれることを想定する必要があることになる。

 信頼性の低い北朝鮮の弾道ミサイルであるから、想定外の事態が発生してしまう可能性は常にある。

 北朝鮮の勝手な都合で日本上空に向けて弾道ミサイルを発射してその挙句、「アハハ、故障ニダ」で核弾頭ミサイルが日本に落下したのでは堪るまい。

 日本領域に弾道ミサイルが落下して来る場合や、日本が弾道ミサイル攻撃に曝される場合には、イージスBMD護衛艦とPAC-3高射隊でこれを迎撃撃破することになる。

 実戦でもあさっての方向に翔んでゆく弾道ミサイルに対しては迎撃しないが、弾着が予想される脅威目標には対応し、イージスBMDもPAC-3も1目標に対して少なくとも2発の迎撃ミサイルを指向するので、かなりな確率で迎撃成功が期待出来ようか。

 何事も100%ということはないのでドンドン撃たれるばかりの状況になれば、何時かは被弾してしまうだろうか。

 迎撃に成功しても破砕された弾道ミサイルの破片が落ちて来る可能性はあるのだろう。

 大気圏外で迎撃するイージスBMDの場合は大部分の破片は摩擦熱で燃えてしまうだろうし落下地点も目標の遠方になるだろうが、最終防御手段のいわば弾着直前に迎撃するPAC-3の場合は破片が街中に落下することは考えられるから、やはり安全な所に避難するのは大切である。


 護衛艦きりしまのSQT。
 

 「きりしま」はシアトルに寄港した折に見学させてもらったことがあった。霧島というと何と言っても霧島酒造の芋焼酎だが、思い出のある酒であり、東北大震災のときに即座に1億円の寄附を行っていた会社なので、日本に行ったときに飲むのは黒霧島に決めている。

 「きりしま」に栄光と武運あれ!

ペイトリオットPAC-3システム概要



 追加すると、PAC-3ランチャーを「スタンバイ」から「オペレート」モードとし、システムを「エンゲージ」状態に切り替えた後は、最適ミサイルランチャーの選定、発射のタイミング、発射、誘導、目標撃破までシステムが全て自動で行うことになる。人間が介在して判断してる時間的余裕はない。

 先ずレーダ(AN/MPQ-65)が目標を探知した場合、目標が弾道ミサイルか否かを判別するパラメーターが組み込まれているので、よほどにRCSや速度、機動などが弾道ミサイル似の航空機でもない限り付近を飛行する航空機などを誤射してしまう可能性は防げることになる。手動でエンゲージを解除することも可能である。

 日本も導入を決めたという地上配備型イージスBMD「Aegis Ashore Missile Defense System」。イージス艦BMDシステムをそっくり陸上設置にしたものだが、欧州のBMDとしてルーマニアにもう設置されているようである。