昨年末に日本海で起きた韓国艦によるP-1へのFCレーダー照射の件は、防衛省として最終見解をまとめ本日公開している。 同見解は発生事実を良く開示して解り易く纏めてあり、好感がもてる。

 韓国との真相究明・再発防止の実務者協議については、事実とは全く異なる主張を繰り返す韓国側のこれまで姿勢や、当該FCレーダー波データ等を相互に開示して事実検証しようとの提案に対して「無礼だ」との韓国防部報道官発言まで発出されたことからして、「もはやこれ以上協議を継続しても真実の究明に資するとは考えられない」として、打ち切りを宣言している。

 これまでの韓国側の発表には整合性・合理性が覗えず’、「プロパガンダ」で押し切ろうというその姿勢には信頼はおけまい。 真面目に真実をお互い検証しようとの意思を持たない相手とこれ以上協議を続けても時間の無駄であり、税金の浪費なだけであるから、協議打ち切りは妥当な判断であろう。

 「友好国なのであり、まさかそんな事はすまい」という常識が通じないことが今回解ったのであり、何をやっても一方的な自己主張でドローに押し切れると韓国側が理解すれば、この先行動をエスカレートさせ、究極には日本の哨戒機などに対して危害攻撃を加えてくる事態を全く否定することは出来まい。

 日本の安全保障に直結する北東アジア地域の安定に寄与している海上哨戒活動を委縮させるようなことがあってはなるまいし、日々哨戒の任に就いている隊員の身命に関わることである。 外交上の取引材料にしたり、表面上の「韓日友好が第一」とばかりに態度を曖昧にして終わらせてはなるまい。

 日本は、FCレーダー照射に関して韓国に抗議をし、今後必要とあらば制裁措置を粛々と実行するというところだろうか。

 ところで、韓国艦船が「人道的救助」をしていたのだという「北朝鮮の遭難船」であるが、韓国の港に曳航したのであれば韓国内で何らかの報道もあるだろうが、その後何の報道も見られない。

 韓国防部が制作したビデオからは、木造漁船と思われる該北朝鮮「遭難船」に損傷は何ら覗えない。

 同部ビデオに映っていたシーンがどのような状況の場面だったのか不明だが、該北朝鮮船上に人影が全く見えないのも些か不可解である。

 映像が遭難船員の救助直前で、船員に死者も出て皆立てないほどに衰弱していたのであれば、20日夕に救助して病院搬入は同日深夜だろうし、「韓国政府は遭難北朝鮮船舶に関連し、20日に救助した北朝鮮船舶の3人の乗組員と1人の遺体を22日に板門店(パンムンジョム)を通じて北朝鮮に送還した。」(中央日報 2018年12月24日08時24分)というのはいかにも回復や事情聴取が早すぎよう。

 映像が遭難船員を全員救助収容後なのであれば、遭難船確保のために韓国コーストガードの保安官が乗船しているであろうが、そのような様子も覗えない。

 北朝鮮の遭難船上に人影が見えないというのは不可解であり、あるいは画像に映ってはならないような「船員」たちだったのであろうか?

 遭難した北朝鮮船舶乗員の人道的救助作戦との韓国側説明であるが、公表された映像やこれまでの韓国報道からわかることは、「北朝鮮木造漁船とみられる船舶と韓国コーストガード巡視船5001がなんらかの接触をし、その周囲を韓国海軍の駆逐艦DD971が警戒配備についていた」ということだけである。

 4空群のP-1は韓国DD971よりのFCレーダー照射を受けたのちは、現場から離隔し距離を取っているが、その後其の儘厚木へ帰投してしまうことはなかろうし、不審な韓国艦船の行動でもあり距離を保ちながらレーダー観測等を続行していたことであろう。

 目標は集魚灯などの上構を持つ北朝鮮漁船であり、木造平底であるからよく日本海のうねりに翻弄され、当日は冬の日本海には珍しいことだろうか海は穏やかであるから、P-1の最新型レーダーにとってはさながらレーダーリフレクターを追うようなものであろうし、これをマークしトラッキングすることに問題は無かったことであろう。

 北朝鮮のイカ漁船群に混じっても、これを識別トラッキングしてゆくことは可能であろう。 この辺は北朝鮮不審船での苦労がP-1のシステム開発に活かされていることだろうか。 情報衛星も運用しているので情報を引き継いで北朝鮮港湾も偵察可能であろう。 かなり多くの情報を日本政府は把握している事だろうか。
 
 「遭難北朝鮮漁船」というのは、その後北朝鮮に自力で戻っていた可能性が高かろうか。


参照☆防衛省「韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について」
「韓国レーダー照射事案に関する最終見解について」