本日80°F、雲ひとつなく快晴。夏は来ぬ。 

 なかなか収まらない「CHINA VIRUS」だが、近所のビル爺さんがこれに感染し、亡くなっている。

 家族はじめ俺の周りの者では今のところこのCOVID-19「チャイナ・ウイルス」に感染したのは、ビル爺さん一人である。

 丁度去年の今頃だったろか、立ち話をした時には爺さん全く元気で、高齢ではあったが車の運転もしていた。 「暑イノウ」と弱音を吐くので、「こんなのはトーキョーぢゃ冬というのだ」と励ましてやったのだが、東洋系のおっさんとの会話にすっかり脱力したわけでもマサカあるまいが、その後体調を崩されていた。

 昨年末には歩行器を使ってゆっくりゆっくり歩く様になっていた。

 年寄りというのは、どこか一ヶ所体調を崩すとガクッガクッと全体に崩れが生じてしまうところがあるだろうか。 なにせ体の何所もかしこも何十年も使ってきている骨董品である。 俺も他人の事をとやかく言えない歳になってきているが、わたくしの場合は自慢ではないのだが、頭脳だけは今でも若く新品同様である。 いままで殆ど使っていない。
 
 かつては、ビル爺さん夫婦仲良く麦藁帽子を被ってビニール・ハウスや家の周りの花の手入れをしていたものだが、婆さんは既に亡くなっている。 婆さん亡き後も花の手入れは良くされていて、夏の日の夕方など散歩の途中に眺めるのが愉しみであった。
 
 今年の始めから爺さんは介護老人ホームに入居したのだが、其処で発生したのがチャイナ・ウイルスの感染である。 老人ホームの職員が「何かオカシイ」と気付いた時には既に老人ホーム内に感染が蔓延していた。

 介護老人ホームの入居者で、夜な夜なキャバレーに繰り出してドンちゃん騒ぎする者もあまり居ないだろうから、来訪者や職員を通じてウイルスが知らずに持ち込まれたものだろうが、少なからぬ高齢者が犠牲となっているのは気の毒である。

 ビル爺さんも介護付きホームで、豊かな人生経験を回顧しながら最後を少しゆっくり過ごしたかったろが、何と言うタイミングの悪さだったろか。

 今はただ、Thanks Bill, R.I.P.(Rest in Peace)と言うのみである。

BillAnderson