先日歯医者に行ったら、レントゲン設備が新しくなっていた。
撮影画像もLCDにディスプレイであり、フィルムというのはここでももう無くなってしまった。
1年に一回くらいチェックのため口腔のX線撮影をするわけだが、防護の鉛入り?の前掛けはするものの、新しいX線装置は放射線量も従前のものに比べて少なくなっているのだと言う。
アメリカの医療の現場では放射線被曝は出来る限り少なくする方向に努めているわけだが、福島原発事故に関連して、低量放射線であれば人体には無害である、或いは却って健康に良いとの主張が見られる。
放射線の人体への影響については、幸いなことであるが、研究対象事例が少ないようで、広島・長崎での原爆被害やチェルノブイリ原発事故などしか大規模汚染の実例が今迄無かったようである。
人体を放射線が透過することでDNAが破壊され、それが癌や白血病に繋がってゆくという事の様だが、人体には自己回復能力がありDNA損傷部位が自然に回復出来たり、マイナーな部位の損傷であれば影響は無視出来るということになる。
現在の医学では固体毎に放射線被曝と癌等との因果関係を確定することは不可能で、統計的な疫学的手法によるほかないのだという。
広島・長崎での被曝例の疫学的調査から解っているのは、「100ミリシーベルト以上では癌になる確率が被曝線量に正比例して増える」ということであり、それ以下では「どうゆう関係になっているのか解らない」のだと言う。(注:放射線影響研究所)
「解らない」と言う事と「健康に影響が無い」と言う事は、当然ながら異なる事である。
低量放射線であれば人体に影響が無いどころか、却って体内の諸機能を活性化し健康を増進することになる、という所謂「放射線ホルミシス効果(Radiation Hormesis)」があるとする研究がある。
産経新聞6月22日の”正論”で、岡崎研究所の岡崎久彦氏がこれを引用している。
「元駐タイ大使・岡崎久彦 低レベル放射能それほど危険か」
岡崎久彦氏の文中にある「米有力シンクタンク、ヘリテージ財団が、東日本大震災への日本の対応ぶりをレビューして・・・の報告書」というのはこれであろう。
「The Great Eastern Japan Earthquake: Assessing Disaster Response and Lessons for the U.S.」
著者のJames Carafano博士は、元陸軍中佐であり、放射線ではなく安全保障問題の専門家のようである。
同じく引用されている「注目されるのは、2008年の米ミズーリ大学名誉教授のトーマス・D・ラッキー博士の論文」というのはこれであろうか。
「Atomic Bomb Hearlth Benefits」
同じく引用がある”東京大学の稲恭宏博士”というのは、或る意味で最近有名になった博士であり、検索すると色々出て来る、興味深いお方である。
放射線ホルミシス効果であるが、これは「United States National Research Council」や「National Council on Radiation Protection and Measurements」と言った米国の機関で容れるところとはなっておらず、国連機関の「United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation」においても認められていない。
「Radiation Hormesis」
先月の衆議院特別委員会でも放射線ホルミシスの話題が出ていた様で、有識者である参考人から回答がされている。
「衆議院科学技術・イノベーション特別委員会」
低量放射線であっても放射線量に正比例して人体には有害である、との考えに基づいてICRPなどが被曝量限度を提唱しており、米国などもそれに基づいて、一般人は1mSv/Y以下等の規制値を設定している。
日本も欧米諸国同様に規制値を法律で規定していたわけだが、住民を被曝から守るべき肝心の原子力有事に直面したら、グダグダになってしまったようだ。
岡崎久彦という人は、保守系の著名なオピニオン・リーダーの一人なのだろうが、老齢で呆けたのでなければ、放射線ホルミシスへの公的機関の評価について知らなかったり、寄稿するにあたって下調べをしないという事は考えられないから、敢えて意図して事象のマイナーな一面だけを引用強調し、”正論”として世に主張する姿勢というのでは、老獪と言うより稚拙であり、いただけまい。
今最も大切なのは、福島原発の原子力事故の真実に国民が正面から向き合うことであり、隠蔽や事実の歪曲などの、「こすい」姑息な手法で有耶無耶に処して仕舞う事が若しあれば、将来再び原子力事故の惨禍を見ることになってしまうであろう。
ウクライナから日本に来ているようだが、ナターシャと言うこの人は、ソ連邦であった少女時代、チェルノブイリ原発事故に遭っているのだという。
歌に思いが籠められており、聞き手の心奥に響いてくる。 なんと美しい。
人は若くあれ。青くあれ。
Nataliya Gudziy
撮影画像もLCDにディスプレイであり、フィルムというのはここでももう無くなってしまった。
1年に一回くらいチェックのため口腔のX線撮影をするわけだが、防護の鉛入り?の前掛けはするものの、新しいX線装置は放射線量も従前のものに比べて少なくなっているのだと言う。
アメリカの医療の現場では放射線被曝は出来る限り少なくする方向に努めているわけだが、福島原発事故に関連して、低量放射線であれば人体には無害である、或いは却って健康に良いとの主張が見られる。
放射線の人体への影響については、幸いなことであるが、研究対象事例が少ないようで、広島・長崎での原爆被害やチェルノブイリ原発事故などしか大規模汚染の実例が今迄無かったようである。
人体を放射線が透過することでDNAが破壊され、それが癌や白血病に繋がってゆくという事の様だが、人体には自己回復能力がありDNA損傷部位が自然に回復出来たり、マイナーな部位の損傷であれば影響は無視出来るということになる。
現在の医学では固体毎に放射線被曝と癌等との因果関係を確定することは不可能で、統計的な疫学的手法によるほかないのだという。
広島・長崎での被曝例の疫学的調査から解っているのは、「100ミリシーベルト以上では癌になる確率が被曝線量に正比例して増える」ということであり、それ以下では「どうゆう関係になっているのか解らない」のだと言う。(注:放射線影響研究所)
「解らない」と言う事と「健康に影響が無い」と言う事は、当然ながら異なる事である。
低量放射線であれば人体に影響が無いどころか、却って体内の諸機能を活性化し健康を増進することになる、という所謂「放射線ホルミシス効果(Radiation Hormesis)」があるとする研究がある。
産経新聞6月22日の”正論”で、岡崎研究所の岡崎久彦氏がこれを引用している。
「元駐タイ大使・岡崎久彦 低レベル放射能それほど危険か」
岡崎久彦氏の文中にある「米有力シンクタンク、ヘリテージ財団が、東日本大震災への日本の対応ぶりをレビューして・・・の報告書」というのはこれであろう。
「The Great Eastern Japan Earthquake: Assessing Disaster Response and Lessons for the U.S.」
著者のJames Carafano博士は、元陸軍中佐であり、放射線ではなく安全保障問題の専門家のようである。
同じく引用されている「注目されるのは、2008年の米ミズーリ大学名誉教授のトーマス・D・ラッキー博士の論文」というのはこれであろうか。
「Atomic Bomb Hearlth Benefits」
同じく引用がある”東京大学の稲恭宏博士”というのは、或る意味で最近有名になった博士であり、検索すると色々出て来る、興味深いお方である。
放射線ホルミシス効果であるが、これは「United States National Research Council」や「National Council on Radiation Protection and Measurements」と言った米国の機関で容れるところとはなっておらず、国連機関の「United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation」においても認められていない。
「Radiation Hormesis」
先月の衆議院特別委員会でも放射線ホルミシスの話題が出ていた様で、有識者である参考人から回答がされている。
「衆議院科学技術・イノベーション特別委員会」
低量放射線であっても放射線量に正比例して人体には有害である、との考えに基づいてICRPなどが被曝量限度を提唱しており、米国などもそれに基づいて、一般人は1mSv/Y以下等の規制値を設定している。
日本も欧米諸国同様に規制値を法律で規定していたわけだが、住民を被曝から守るべき肝心の原子力有事に直面したら、グダグダになってしまったようだ。
岡崎久彦という人は、保守系の著名なオピニオン・リーダーの一人なのだろうが、老齢で呆けたのでなければ、放射線ホルミシスへの公的機関の評価について知らなかったり、寄稿するにあたって下調べをしないという事は考えられないから、敢えて意図して事象のマイナーな一面だけを引用強調し、”正論”として世に主張する姿勢というのでは、老獪と言うより稚拙であり、いただけまい。
今最も大切なのは、福島原発の原子力事故の真実に国民が正面から向き合うことであり、隠蔽や事実の歪曲などの、「こすい」姑息な手法で有耶無耶に処して仕舞う事が若しあれば、将来再び原子力事故の惨禍を見ることになってしまうであろう。
ウクライナから日本に来ているようだが、ナターシャと言うこの人は、ソ連邦であった少女時代、チェルノブイリ原発事故に遭っているのだという。
歌に思いが籠められており、聞き手の心奥に響いてくる。 なんと美しい。
人は若くあれ。青くあれ。
Nataliya Gudziy