Bandoalphaのらく書き帳

おっさんのブツブツですぅ。 思い付いた時に思いついた事などのテキト~なメモ書きです。 Toshi Hino/桧野俊弘 Bandoalpha@msn.com                                                    

2011年12月

F-35は”欠陥機”?

「米国防総省高官が、F-35の重大な欠陥を指摘していることが明らかになり、米国内で大きな問題になっている」、
「深刻な不具合の、米空軍では使えない未完成の機体」
産経主張12/16)(中日新聞東京新聞・社説が同じに見える)
という事だそうだが。

「重大な欠陥」や「深刻な不具合」というニュースの元となっているのは、米国防省の11月29日付けの、「F-35 Joint Strike Fighter Concurrency Quick Look Review」という55ページほどの文書の筈である。

同報告書では、F-35開発における技術的問題を4つのカテゴリーに分けている。
Ⅰ fundamental design risk
Ⅱ major consequence issue
Ⅲ potencially major consequence discovery
Ⅳ consequence or cost is moderate, but the number of moderate issues poses a cumulative concurrency risk

Ⅰの重大な設計上の問題については見当たらないとし、以下其々5件、3件、5件の技術的問題を指摘している。
この報告書の主旨は、現行の開発試験と並行して、初期少数生産・調達を進めるやり方は、初期生産機の後日改修の必要が生じ、それは極めて高価につくので再考すべき。 開発試験の進捗に合わせて機体生産・調達をすべきというところのもの。

FY12の予算でもF-35は、空軍用18機、海軍7機、海兵隊6機の調達が認められているが、QLRチームの視点からすれはこれも問題だろうが、要員養成の教育訓練などの視点からすれば、又別の見方も出ることと思われる。

F-35は空軍用CTOLタイプのA型、垂直離着陸可能な海兵隊用STOVLのB型、空母運用海軍CVのC型、の3つの派生機種を並行開発するものである。
試作・試験飛行の段階にあっては、各種の不具合が発見されるのは通常のことであり、問題を洗い出し解決するためにこそ、試作・試験を行うのであろう。

若しも試作・試験飛行に於いて全く何の問題も無いというような新規開発戦闘機があったとすれば、それは技術的に新しいものが全く無いことであり、寧ろ憂慮すべきことであろう。

F-35プロジェクトであれば、3倍不具合の発生が見られても不思議ではないわけで、試作開発段階での不具合の発生をもって、”欠陥機”と称するのも些か違和感がある。

緊縮予算の国防費大幅削減の中で開発を進めねばならないのであり、楽観は出来ないが、米空軍に於いてはF-35は現有のF-16とA-10を代替する主力となるものである。 開発費や調達価格高騰の問題はあるが、F-35が全く使い物にならない”欠陥機”になる要素というのは、今のところ考えられまい。

日本の新聞社の社説というのは、殆ど”週間実話”のレベルである、と言っては、言い過ぎか。


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同報告書を入手しマスコミにリークしたという、”ガバメント・ウオッチドッグ”POGOのF-35資料ページ。
POGO's Joint Strike Fighter Resource Page

Joint Strike Santa

F-35の最初の配備部隊であるフロリダ州エグリン(Eglin AFB)の 33rd Fighter Wingの、「Joint Strike Santa」のおぢさん。

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Air Force Photo

先日催された基地勤務者家族子供のためのクリスマス・パーティのひとコマだという。

ここEglin AFBで、空軍のF-35A、海兵隊のB型、海軍のC型、全てのF-35要員(パイロット及び機体整備)の教育訓練を行うという。
外国のF-35ユーザーに対する教育もここで行われるというから、空自の要員もEglinに派遣されるようだろう。


FX-空自次期戦闘機

”長らくお待たせ”だったFXは、「F-35」を選定とのことで、16日の安全保障会議(議長野田首相)で正式決定されるとの読売他新聞報道である。

空自は当初、F-22を”本命”として殆どこれ一本という姿勢だったが、米国でF-22の海外売却が不可となり、次善の候補機からFXを選定する次第となっていた。

最終的に候補に上がっていた機種は、「ユーロファイター」、「F/A-18E」、そして「F-35」だったと云う。
この中で、ステルス性と、AWACSや僚機、他のシステムとのネットワークでの戦域情報共有性を持つ、所謂第5世代戦闘機というのはF-35のみであるから、将来の日本周辺の軍事情勢に十分対応可能な戦闘機ということになれば、この選択は至極妥当なところだろう。

第5世代戦闘機であるF-22が極東遠征した時に、空自もこれとDACT訓練を行っているので、実感しているところだろうが、世代の違う戦闘機相手では、猛訓練で錬度の高いパイロットといえども、どうなるものでもない。
相手は戦域全体の状況を把握し、こちらは相手の姿も捉えられないというのでは、腕の良いベテランの乗るF-15が、新前の若いパイロットのF-22に、交戦に入る術もなくやられてしまう。

日本は、中国、韓国、ロシアと領土問題を抱えている。

特に中国は2桁%の軍事予算を毎年継続して投入しており、軍事技術の開発研究費の実態については公表すらされていない。
ある程度のステルス性を持つといわれるJ-20という新型戦闘機も進空しているが、中国は最先端軍事技術の取得に極めてアグレッシブである。
今朝の新聞(WSJ12/13)に、NSA(National Security Agency)は米国の軍事産業や国防省などへ侵入を図ったサイバー・スパイの足跡捕捉に成功しており、中国人民解放軍の援助を受けた十幾つのハッキング・グループを突き止めているという。 度々名指しで中国のサイバー攻撃を非難していたが、その根拠を握った上での話だったことになる。
日本の防衛産業にも侵入したそうだが、非合法な手段を用いても先進技術情報の入手を、という”近道”もとっている。
イラクが鹵獲したステルスUAVの技術情報についても、中国は相当な代償を払ってでも入手に努めることだろう。

いずれ遠くない将来に、中国はステルス性などを備えた戦闘機など、世界第一級の性能と規模の軍事力を持つに至ることだろう。

日本は南西諸島域において、否応無しに中国の軍事力に対峙することとなる。

相手の侵攻の企図を阻砕させるには、抑止力となる戦力の保持が必要だが、累積財政赤字を抱えた国の、戦力無き軍隊の「自衛隊」であり、「数」は元々持てないから、「質」で勝負ということになるだろうか。

F-35は欧米諸国の国際共同開発であるが、欧州経済は危機的状態だし、米も巨大財政赤字でこれから軍事費に大鉈を振るわねばならない情勢である。 F-35は敵と交戦する前に、予算削減という見えない敵と戦わねばならないようであり、ステルス戦闘機と雖も前途はなかなか大変だろうか。

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空軍用CTOLのF-35A Photo:F35.com

F-35A AF8号機 First Flight

イランの核開発

ステルスUAVで脚光を浴びるイランの核兵器開発疑惑だが、イランとしては、
”石油はあと70年でなくなるので、長期的国家エネルギー戦略として原子力の平和利用はイランにとって必要欠くべからざるものである”
”ウランの濃縮についても全くの平和利用目的のもの”
”欧米が主導し日本なども追随する国際制裁措置のような、イランへのあからさまな敵対行為が継続されれば、反ってイランとしては自存自衛の為、核兵器を開発せざるを得なくなる”
という主張のところだろうか。

IAEAとしては、11月18日の報告書()で、イランはウラン濃縮関連活動を継続しており、イランの核兵器開発の意図に、アマノIAEA事務局長は「深刻な懸念」を表明し、世界に警告している。

11月28日には、イラン中央部のEsfahan(Isfahan)の核施設で爆発があったというニュースがあり、ISISなどもレポートを出しているが、地表には爆発の痕跡は見られないといい、ここは地下施設があるというから地下施設で爆発でも起きたのだろうか。(

Google Earthで見ても、核処理施設の北方等にはかつて岩塩の採掘鉱だったという地下への入り口が窺える。
地下で何をしているのやら。イランことをしてるのだろうか。

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RQ-170イランの手に

最新型ステルスUAVの「RQ-170」がイランに鹵獲されたという。

先週末にイラン東部の国境から120マイルほど入った地点で”撃墜”されたというが、イラン国営TVが放映した同機のものだという画像では、機体は左翼前縁に小さなデントが見える以外無傷である。
ただ、機体下部は垂れ幕で見えないようにされているので、下面には相当の損傷があることが想像される。

RQ-170は2007年にカンダハールで写真が撮られ、その存在が確認された、偵察・監視用ステルスUAVとされる機体で、パキスタンでのウサマ・ビン・ラデン隠れ家襲撃作戦の時も、上空から監視しリアル・タイムの画像をホワイト・ハウスに送っていたと言われる。

なんでも、50,000ftの高度からリアル・タイムで画像をはじめとする情報を収集・送信できる機能があるのだといい、最新のステルス性能を持つので、相手に察知されないという優れた特性を持つ。

2010年には朝鮮半島にも展開しているという。

意図的な領空侵犯・偵察飛行というのは、あからさまな敵対行為であり、攻撃され撃墜されても仕方ないわけで、しないに越した事はないのだろうが、知らないうちにドカンとやられたのでは困るので、イランや北朝鮮と言った国家は、やはり偵察飛行し情報を収集・監視しておく必要がある。

宇宙空間の衛星や電波収集などの方法もあるのだろうが、「一目瞭然」という言葉の通り、偵察衛星などの発達した今日でも目標上空を直接飛行する「航空偵察」に勝るものはないのであろう。

日本も、北朝鮮上空に侵入しろとは言わないが、情報衛星ばかりでなく、定期的に北領空縁部を飛行して情報収集をするくらいは、やっておいたほうがよいと思うが。

今回の事件は、CIAの運用によりイランの原子力施設などを偵察していたものだという。

ミサイルなどで撃墜されたとするには、損傷が無いようであり、イランは”電子戦部隊によりコントロールを奪った”とも主張しているようだが、それも考え難い。
故障、或いはコントロールを妨害されたことで飛行制御不能に陥ったというところが一番可能性があるだろうか。

しかし、B-2をスケール・ダウンしたような機体で、コンピュータによる飛行制御を失えば、たちどころに墜落しそうな形状に見えるが、フラット・スピンに入って、枯葉のようにふんわりと墜落するようなことが起き得るのだろうか?

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想像図Wikipediaより。
Wiki:RQ-170:

最新のステルスUAVの機体なので、中国やロシア、北朝鮮に技術が流れる、イランが技術を流用してイスラエルを攻撃できるようなものを製作する、という可能性があるわけか。

ステルス技術については米国が一歩先んじているわけだが、中国あたりがこれの技術情報を入手すれば、差を縮め、追い付く可能性もあるわけか。


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