Bandoalphaのらく書き帳

 おっさんのブツブツですぅ。 脱力系あるいはガッカリ系ブログとでも申しましょうか、その時その時の思いついた事の、テキト~なメモ書き、らく書きですぅ。       至らない点につきましては、ご指摘を戴ければ嬉しいです。 ただ、ご指摘を戴いても、進歩・学習する能力がねえ~                                                                Toshi Hino/桧野俊弘 Bandoalpha@msn.com                                                    

2013年03月

あれから2年

3月は2年前の11日に東北で大津波の大災害があった月なわけだが、もう2年も経つのかとの思いと、わが地元の宮城県はじめ東北沿岸の被災地の様子など伺うと、「さっぱり復興が進んでいない!」ことに些か驚く。

いまだに仮設住宅に住んでいる人も多いのだという。

東北線の列車から長町駅前に設置された仮設住宅エリヤを眺めることが出来たのだが、プレハブの長屋作りはまあ良いとして、広くも無い敷地目一杯に設置しているので長屋棟と長屋棟間の通路が非常に狭く、前後左右ともに圧迫感があり、開放感のまったく無い作りである。

勿論贅沢はいえぬだろうが、飽く迄も「仮設住宅」であるから、本来数ヶ月の仮の居住のものであり、1年以上も住むとなれば、これはもう本人にとっては”仮設”ではなくなろう。

ああゆう所に1年以上も住んでいたら、普通の人間でも気が滅入り、やる気を失くすのに十分と思うが、まして、自分の住み家を流されて全てを失い、家族に犠牲者でもいたならば。

津波で全滅した東北沿岸部の市町では、復興するにあたって大きな津波防波堤を作るという話を聞くが、どうなのだろうか。

ギネスブックに載るような巨大な防波堤を作ってみたところで、更に大きな津波が将来は襲ってこよう。
堤防というのは一箇所決壊すれば水が入ってきて仕舞うものである。
東北だけでなく日本列島何処でも津波が襲来する可能性はあるわけだが、日本列島を大きな防波堤で全て囲うことも現実的な話ではあるまい。

土建会社に銭が回って国分町のネオンが妖しく輝きを増すのも悪くはないのだが、巨大な防波堤みたいなものは必要最低限に抑え、寧ろ町区画や道路などを防災避難をよく考慮したものとし、警報や救助などの社会システムを整えて、海が怒った時には”逃げる”ことを第一として、自然を力で抑え込もうとせずに海と共存する生活基盤というのがよいのではなかろうか。

海岸や港の町なのに、海が見えず、目の前には巨大なコンクリートの壁がある、そんな古里は御免願いたい。


最も衝撃的だったのは、福島の東電原子力発電所の事故である。

先日WHOが、福島原発事故での放射性物質漏出による健康障害発生の予測を出していたが()、日本周辺の国は勿論、東京など福島以外のところや、福島県であっても原発周辺以外では癌の発生増などの目立った影響は表れないだろうとしている。
吹き溜まりのホット・スポットとか、余程特異な状況でもないかぎり、そんなところだろうか。

WHO Report: 「Health risk assessment from the nuclear accident after the 2011 Great East Japan earthquake and tsunami, based on a preliminary dose estimation

福島原発周辺の汚染地帯というのは、これは話は別である。

放射線というのは生体細胞を突き抜けていくわけで、その時にDNAナントカを傷つけるという。(参考
人間の体には自然治癒の回復能力があるが、それを超えて傷ついた細胞が増えていった場合、癌細胞になるという。
また発育不良や免疫力の低下などの癌以外の影響もあるとされる。
発育などとうに終わった年寄りにはあまり影響は考えられず、発育盛りの幼少者が最も放射線の影響を被りやすいことになる。

WHOの予測では
「All Solid Cancers」というから「固形癌」所謂普通一般の「癌」については、女子幼少者の場合生涯での発生率は4%増加すると予測している。
女子幼少者の生涯での固形癌発生率は29%というから、これの4%増加であり、29%が30%となることになる。
通常より100人に一人増えるというところか。

「Breast Cancer」乳癌は、女子幼少者で6%増加すると予測。
乳癌の通常の生涯発生率は5.53%というから、これが5.9%弱に上がるというところか。

「Leukaemia」血液の癌「白血病」だろうか。男子幼少者で7%増加との予測。
男子幼少者の白血病生涯発生率は0.6%というから、0.64%ほどになる予測か。

「Thyroid Cancer」甲状腺癌だろうか。女子幼少者の生涯発生率が70%上昇すると予測。
女子幼少者の甲状腺癌生涯発生率は0.75%というから、1.3%弱に上がるというところだろうか。

このレポートを読み通したわけではないが、福島原発周辺の幼少者では、100人に2人くらいは今回の原発事故により生涯で癌を患うことになる可能性が予測されるというところだろうか。

このWHOレポートは日本政府の公表汚染データなどを基にした飽く迄「予測」の数値であり、チェルノブイリの時もWHOの予測は当たらなかったという話も聞くので、”実測値”がどうなるかはこれからの話である。

除染や避難、健康管理などを進めて、汚染地域の幼少者などを社会が守ってやる体制を作れれば、放射能汚染による健康被害者の発生を極限することも可能だろうし、又その逆の結果になる可能性もあることになる。

居住地域の除染は可能であっても、山間部に降下した放射性物質の除染は出来ないだろうから、これらは地中地下水などに潜ったものは一部は何処かでまた地上に出てくるだろうし、自然界の汚染というのは回りまわって結局は人間に影響してくるものであろう。
山野に放射性物質が存在している以上、人里に流れてきて”溜り”のホットスポットの発生も考えられるだろうし、そうゆう所で泥んこになって遊ぶのも又幼少者なのである。
フクシマの汚染地帯ではこれから先、放射能との長い戦いが続くことになる。

原子力発電が安全なものであるなら、大いにやればよいわけだが、安全が保障できないのであれば原子炉の運転というのは当然出来るものではない。

安全に100%ということは無いので、万一原子力事故が発生した場合でも周辺住民の避難・防御などに十分な事前の準備がなされて、まず何が起きても大丈夫と納得の出来るものであればよいのだが。

福島原発の事故をうけて、原発施設の30km圏内の自治体は防災計画を策定するようになったようだが、なかなか進んではいないという。

米国では原発事故発生のさいは取り敢えず50マイル(80km)離れろという指導であるが、日本で80km圏とすると福島原発では福島市や郡山市などは圏内だろうし、宮城県の女川原発でも80km圏なら仙台市が入ってしまい、いずれも100万人以上の避難者を考えねばならなくなる。

女川原発などは牡鹿半島の根元にあるので、重大事故で原発周辺が通行不可となった場合は、鮎川や黒崎など半島の住民は退路を絶たれるから船舶やヘリなどでの避難しか方法はなくなるであろう。
船舶や航空機を大量動員して優先順位を決めて迅速・整然と避難する必要がある。対策は自治体で出来る能力を超えていよう。
日本列島の地理を考えれば、同じような状況の原発立地は日本各地にあることだろう。

この日本で原発の安全を確保できる手段が保証され得るのか?という問題の検証はスルーにして、原発運転の必要性だけが、サンケイや読売などの新聞社説で声高に力説されているのも、奇妙な思考の話である。

電力のピークというのは真夏であるから、生産設備の稼動ではなく、要はビルや家庭のエアコンである。

原発が立地するような地方の海辺の町村では真夏でもエアコンなぞ必要としないから、都心に林立するコンクリート・ジャングルのビルやビッシリと建て混んだ都会の住宅が必要とするものである。
エアコンを使えば交換熱を戸外に放出するから、都会ではお互いますますエアコンが必須になる。

原発というのは、田舎の子供の放射線被曝のリスクを踏み台に、都会の人間が”涼しい顔”でひと夏を過ごしたい話ということになる。

発電量は原発なしでも何とか夏のピーク時にも間に合っていた。

火力設備を効率のよい新しいものに多少更新すれば、日本の必要電力量は50基の原発なしでも十分余裕であろう。
電力事業の自由競争化をすすめ、省電力型エアコン等の開発や購入を促進してやる施策をとれば、さらに電力余裕も出、国民の購買力も上がることであろう。
”電力の安定供給”や”質の高い電力の供給”の謳い文句の下、どれほどの国富が原発事業に浪費されていたことだろうか。

原子力発電事業には年間5千億の税金が投入され、5百億の”教育研究支援・宣伝費”が電力会社から直接間接にマスコミや学者などの、大きな社会的影響力を持つところに打たれる仕組みを巧みに作り上げてきた。
原発を動かさないと、金は回らない。

アフリカの国のように、餓死者が出るようなところでは、将来のリスク云々よりも兎も角今、リスクを飲めば安く発電が可能な原発で電力供給を!が優先するところもあるだろうが、欧米諸国では殆どが原子力発電には一定の距離を置いている。
原発は万一の場合のリスクが巨大であり、万一の事態の発生が否定できないからであろう。

技術的にも原発は北朝鮮でさえ作っているものであり、原発が最先端の技術で他の産業界への波及効果も大きいというものでもない。

コスト的にも、原発は火力とほぼ同等との試算が以前出ていたが(参考)、住民の避難対策等十分な安全対策を考慮したら、発電コストは火力発電よりも割高なものとなるであろう。

日本が将来核兵器を保有し、強盛大日本国となる道筋をつけておきたい、という人も居るかも知れないが、幸いなことに、使用済み核燃料の処理施策がうまくいっておらず、数百発の核弾頭に十分な量のウランもプルトニウムも原発施設内に山となって置いてある。

原発関連の”あぶく銭”が回ってくることのケッシテ無いおっさんの身としては、日本で原発を推進することの意味がわからない。

「あすも飛ぶ」

加藤隆士さんの好きな言葉だったという。

「あすも飛ぶ」というのは、アンリミテッドである無限の空への飽くなき挑戦への決意であり、雲の上に出ればオン・トップは常にクリアーな空への明るい希望でもあり、時には悲しみを乗り越えて前進する力であり・・・この言葉には航空への情熱と思いの全てが包まれているように思う。

この言葉は、彼の恩師であり日本航空界の重鎮であられた木村(秀政)先生()が、卒業生などへ贈る言葉とされていたようである。

「あすも飛びなさい」という尊敬する恩師の教えどおりに加藤さんは生き、そして永遠の空に飛んでゆかれた。
少し早かったけれども、素晴らしい人生である。

加藤さんらが乗っていた機は「ホフマン式H-36ディモナ() JA2405」と運輸省サイト()に出てたので、最期の機体は「チロル号」である。

1987年11月19日にオーストリーの首都ウィーンを飛び立ち、宮沢誠さんと二人で南回りに38日間かけて鳳程2万Kmを見事翔破し、日本に持ってきたその機体である。
名グライダー乗りの最期は、最も思い出の深い機とともにであった。

報道記事や写真などからすると、機体後部が現場には見当たらないというから、気流変化の激しい山岳地上空を飛行中に何らかの原因により胴体後部が折損したことが考えられようか。
写真からは両主翼ともに折れている様子が覗えるので、墜落時はかなりな衝撃であったことが推察されようか。
いかな名パイロットといえども、尾翼を失った機体を操ることは不可能であったろうか。

加藤さん奥様は、「好きで選んだ仕事なので悔いはないでしょう・・・しかし同乗のカメラマンの方に申し訳がない。」と気丈におしゃられていたとお聞きしたが、この夫にしてこの妻あり。立派な方である。
或は、この女性にしてこの夫ありだったかも知れぬだろうか。

澄み切った北海道の空の下、グライダー格納庫の横には恩師木村先生直筆の「あすも飛ぶ」の石碑が置いてあるという。

或るグライダーパイロットの死

◆◆◆引用:読売新聞ネット

北海道グライダー不明、収容の男性2人死亡確認

18日午前6時過ぎ、北海道・日高山脈の山中で、自衛隊のヘリコプターが墜落しているグライダーを発見した。
操縦室から男性2人が見つかったが、2人とも死亡が確認された。

 同山脈付近では、15日午前から北見市のNPO法人「エアロスポーツきたみ」所属のモーターグライダーの行方が分からなくなっており、いずれも同市の飛行教官加藤隆士さん(58)と、写真家月岡陽一さん(64)が搭乗していた。道警は、見つかった男性は加藤さんらとみて、身元の確認を急いでいる。

 加藤さんらは15日午前9時過ぎに大空町の女満別空港を出発し、午後1時過ぎに鹿部町の鹿部飛行場に着陸予定だったが、午前10時過ぎ、帯広市上空から日高山脈を越えるコースを帯広空港に連絡した後、レーダーから機影が消えた。同日から自衛隊や道警などのヘリが捜索していた。

(2013年3月18日11時35分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130318-OYT1T00396.htm
◆◆◆

◆◆◆引用:日経新聞ネット

北海道の山中にグライダー、2人死亡 不明機か
2013/3/18 11:52 ニュースソース 日本経済新聞 電子版  

北海道大空町の女満別空港を離陸したモーターグライダーが消息を絶った事故で、捜索中の航空自衛隊のヘリコプターが18日午前6時すぎ、日高山脈の札内岳(1896メートル)周辺の山中で、同機の機体の一部を発見した。

 国土交通省などによると、乗員2人を機内から収容したが、帯広市の病院で死亡が確認された。道警は、消息を絶ったグライダーの操縦士、加藤隆士さん(58)と、カメラマン、月岡陽一さん(64)=いずれも北見市=とみて、身元確認を急ぐとともに、司法解剖して死因を調べる。

 機体はコックピットのガラスが割れ、両翼が雪に埋もれていた。尾翼など後部は見つかっていない。運輸安全委員会は航空事故調査官を現地に派遣し、調べる方針。

 加藤さんと月岡さんは15日午前9時すぎ、写真撮影のため、鹿部町の鹿部飛行場に向けて女満別空港を離陸。同10時15分ごろ、帯広空港出張所に「帯広上空を飛行中」と報告した後、交信が途絶えた。航空自衛隊や道警が連日捜索していた。

 札幌管区気象台によると、15日日中の現場周辺は雲が多かった。

 親族や知人によると、加藤さんは欧州から日本まで地球半周を成功させた実績もあるベテランパイロットで、道内の飛行クラブの教官。月岡さんを乗せて沖縄県まで列島を縦断し、各地の風景を空撮する予定だった。〔共同〕

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1801U_Y3A310C1CC0000/
◆◆◆

◇◇◇
檜○様

787の件、ご連絡戴き誠に有難うございます。

ところで、先週金曜日、北海道、女満別から飛び立ったモーターグライダーが消息
を断ちました。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1801U_Y3A310C1CC0000/

パイロットは加藤隆士氏・・・覚えていますか。私が○○へ赴任した1987年の夏頃、
彼はSEAでIFRのライセンスを取得するため訓練に来ました。
○○へも自分でSEAからバスを乗り換え、歩いて来てくれました。覚えていますか?

その後、オーストリーから南回りで日本まで一人でモーターグライダーを運んでき
ました。
その後、南極越冬のパイロットで活躍し、帰国してから北見工大で航空部監督をし
ながらグライダーの教官をされていました。

当方がオランダ在住時には、ドイツから陸路で来てくれとても嬉しい思い出があり
ます。

学生時代は日大人力飛行機のパイロットで、海幕下総基地にて2,093mの当時とし
て新記録を樹立しました。
日本のグライダー界、またモーターグライダー界でも彼の実績を称えています。

先週月曜日には、連絡したばかりでこれが最後の連絡となってしまい、それはとて
もとても悲しく無念であります。

○金

◇◇◇
松○さま

そうでしたか。

一杯やりながら読売の記事を眺めて、「加藤隆士」?いい名前だな、58才?どっかで会ったことあるかな?
それにしても教官のベテランがどうしたんだろか?
等と思っておりました。

そうですか。
あの方でしたか。

残念です。

のうのうと何時までも生き残っているのは、世に役立たずの憎まれっ子ばかりですねえ~

Hino
◇◇◇

飛行機事故の記事なんかがあると、少しは気になるので、それとはなしに眺めたりしてるのだが。

飄々としていて、それでいて、のうのうと生きてる俺なんかは気倒される様な熱いものがあった。
ガッツのある”大和おのこ”がまた一人逝ってしまった。

今晩は、お通夜だ。


道新小学生新聞から 子供だったころ グライダー教官加藤隆士さん


加藤隆士Blog

ボーイングの対策案

ボーイング社は787のバッテリー問題の対策案をFAAに提示しているといい、その説明会を東京で開催したという。

◆◆◆引用ー日本経済新聞ネット

787運航再開「数週間程度で」 当局の承認は不透明
2013/3/15 12:05 ニュースソース 日本経済新聞 電子版  

米ボーイングのレイモンド・コナー民間航空機部門社長は15日、都内で記者会見し、新型機「787」の運航再開時期について「経験則から考えて数週間程度と考えている」と語った。ボーイングは近く改良型バッテリーを搭載した787の試験飛行を実施する予定。ただ、最終的に米連邦航空局(FAA)が運航再開を承認するかどうかはまだ不透明な状況だ。

 ボーイングは問題となったバッテリーの発煙トラブルを防ぐ対策として、バッテリーを構成するリチウムイオン電池の間に仕切り板を取り付けるなど3つの改善案をFAAなどに提示し、試験飛行を実施する許可を得た。試験飛行で安全性を確認したうえで、FAAの運航再開の承認をとれば、787の運航を再開できる。

 ボーイングは同日、電池の改善策に加え、製造段階で電池メーカーのジーエス・ユアサコーポレーションなどと協力し、4種類の試験を追加することなどで品質のばらつきを防ぐことも明らかにした。

 ただ、独立機関の米運輸安全委員会(NTSB)が統括する事故調査は難航しており、電池が発火した原因はまだ特定されていない。今回ボーイングが打ち出した改善案では、セルのショートを防ぐことは難しいとの見方も出ている。

 787はFAAなどが1月16日に運航停止を命令しており、全日空や日本航空なども運航をとりやめている。


http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD15021_V10C13A3EB2000/?dg=1
◆◆◆

この説明会の模様や、使用されたプレゼンテーション・スライドなどはボーイング社のサイトで見ることが出来る。

Technical briefing on the 787

バッテリー問題の原因は特定出来ていないので、問題が生じる80程の可能性を想定して、問題の発生を防止する対策を施すと共に、万一Cell Ventingが発生した場合でも火災等に発展しない工夫としている。

製造工程も含めてバッテリー本体を強化して”たくましいバッテリー”とし、充電器を改良して充電圧や放電の範囲を狭めて過充電・過放電の安全マージンを上げるとともに充電方法も変えて”バッテリーにやさしい充電器”とし、バッテリー本体はベント菅を有する特殊格納ケースに入れて万一発熱・発煙などが生じてもこれを閉じ込める”臭いものに蓋”の構造としている。

そもそも元々そんな危険なコトではないのだし、考えられるあらゆる対策は全て施した、さあこれで何が起きても大丈夫。
だろうか?

89d861c8.jpg


3ea4c7d7.jpg


39607cff.jpg

Photo:ボーイング説明スライドより。
バッテリー本体の青箱の外寸は変らないといい、気密性を持った格納ケースは1.25インチ厚のスチールで、ベント菅は直径1インチのタイタニウム製だという。重量増加は両バッテリーで150ポンドだという。(
追記)ボーイングのサイトを見ると、格納ケースの板厚は1/8インチ・スチールのようである。これならば150ポンドに収まるだろうか。しかしこうなるともう軽量化のためという意味はなくなるが。
本来シンプルなものである蓄電池システムが、何ともエライお姿に。


バッテリー・インシデントの原因は未だ解らないわけだが、FDRの記録からは過充電はなかったものと考えられ、日航機・全日空機いずれの場合もバッテリーは使用されていなかった状態と考えられるから、過放電というのも考え難い。
バッテリーのセル内から問題が生じた可能性を否定は出来ない。

ボーイング社のこの対策案では、バッテリーのセル自体からの問題発生を防止することは保障できないわけで、Cell Ventingなどが生じた場合これを巧く閉じ込めることが出来たとしても、バッテリーは使用不能の状態になるだろうし、飛行システムのバックアップの一つであるバッテリーが使用不能の状態になれば、飛行を継続することは出来ないだろうから、ダイバート先に緊急着陸という事態になるのではあるまいか。

短距離の国内空路はまだしも、国際線などでのETOPS()飛行の場合は現行は180分ルールであり、787は330分ルールの取得・運行を目指すものだという。
飛行システムのファイナル・バックアップであるバッテリーが不能の侭、密封した格納容器内とはいえ発熱したバッテリーを抱えて何時間も飛行せねばならなくなる可能性を残すというのは、商業運行の許容の範囲を超えていよう。

バッテリー・インシデントは787フリートの総飛行時間52,000時間弱で2件発生しているので、”実績ベース”からは26,000飛行時間毎に当該インシデントの発生が考えられようか。

運航されている787は現在は50機ほどしかないが、今年中には月産10機にするというから直に世界中に増えるだろうし、この対策案で飛行再開した場合は、毎月世界のどこかでバッテリー・インシデントにより787が緊急着陸するという事態も起こることが考えられようか。

日航機や全日空機の事案があれだけの被害で済んだのは、果敢な消火活動や躊躇なく直ちに緊急着陸を決断した機長の適切な措置によるところが大なのであろう。

機上での機器の発火・発煙という事態は重く考えるべきことであろう。

”一刻も早く飛行再開を!”ということばかりに目が向いた場当たり的な対策というのは、大きな蹉跌に繋がり易いのではあるまいか。

航空機事故の原因究明というのは、時に機体そのものが海没や焼損していたりで、原因が特定出来ない場合も生じるのだが、今回はそのようなことはないので、時間はかかるとしても原因が解らないということはあるまい。

ボーイング社もGSユアサ社も大企業であり技術力も政治力もあるのだろうが、数百人という対策チームの技術者のパワーは、この問題の根拠を特定し、これを根本から除去することに向けられるべきであろう。

原因がまだ不明という今の状況で、安全を確保しながら飛行再開をしたいのであれば、問題となっているリチウム・イオン・バッテリーを取り卸すことは考えられよう。

暫定措置としてニッカド電池に変更するSBの場合、どのような問題が障壁として考えられたのか?の質問が記者たちから出ないのは不思議である。

787バッテリー発火事案中間報告

3月7日付けでNTSBが、去る1月7日にボストン空港で発生したJAL787機のバッテリー火災の「発生事実中間報告(Interim Factual Report)」を発表している。

Interim Factual Report」 -NATIONAL TRANSPORTATION SAFETY BOARDーMarch 7, 2013

この事案に関係する関連報告書の類もNTSBサイトで閲覧できるので、私のような”その他大勢”の人間も「何が起きたのか?」を詳しく知ることが出来るのは有難い。

Related Documents: DCA13IA037 January 7, 2013 Boston, MA United States

まあ787で仕事をしているわけではないので、「何が起きたのか?」の仔細を知ったところであまり意味はなく、「何故起きたのか?」が解明されて対策が立てられ、「もう安全に乗れるのか?」のほうが早く知りたいわけだが。

中間報告書にある通りその道の専門家が鋭意解明努力をしているところだが、発火に至った原因究明のほうはやはり時間がかかりそうである。

しかしなあ、ボーイングのリスク評価では発火に至るようなバッテリーのCell Ventingの発生は1千万飛行時間に1回発生の確率とされ、その安全対策も施されて、タレスやGSユアサで実地試験もされて、”完全に大丈夫”ということで、FAAもそれを審査・評価のうえ”安全”の合格お墨付きを出したわけなのだが。

1月7日のボストン空港でのJAL787のバッテリー発火に続いて、1月16日には飛行中のANA787でバッテリーから発煙し、高松空港に緊急着陸している。
1月16日時点での787フリート全体での合計飛行時間は52,000時間弱だったという。

「おいおい、じぇんじぇん違うぢゃない」
と言う事になるわけだが。

”発生事実は事前評価より奇なり”だが、787はリチウム・イオン・バッテリーばかりでなく色々な新しい技術を採用している機体なわけで、問題は、バッテリー事案と同じような事が他の部位にも潜在している可能性を否定は出来ないことであろう。

FAAが設計の段階に遡って再審査を実施している所以だろうが、787というのは、空の旅に新しい次元の快適性を齎し、運航に当たっては刮目すべき経済性を齎す”新次元の傑作機”なのか?、あるいは、”稀に見る駄作機”なのか?難しいところになってきたろうか。(苦笑)

c61d0700.jpg

NTSB中間報告書より。
ギャラリー
  • トマホークによるシリア攻撃
  • トマホークによるシリア攻撃
  • トマホークによるシリア攻撃
  • トマホークによるシリア攻撃
  • Let's ROCK
  • 変わらない日本の社会
  • 変わらない日本の社会
  • 都ぞ彌生
  • 都ぞ彌生
最新コメント
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計: