Bandoalphaのらく書き帳

故郷離れてはるばる千里、ひとつ山越しゃ他國の星がぁ・・・昭和の終末高齢者! 思い付いた時に思いついた事などのテキト~なメモ書きらく書き帳ですぅ。 桧野俊弘 ご意見メールは:Bandoalpha@msn.com

2013年07月

夏だビールだ、ガンガンいこう

ここ数日夏らしい陽気が続いており、ビールがウんマイ。

レイニア・ビール(Rainier Beer)というのは、シアトルに昔からあるビールだが、栄枯盛衰は世の習い、本来のレイニア・ビールの会社は既に無く、名前を引き継いだ別の会社(カリフォルニア?)が今は醸っているようである。

I-5高速道路から見えるこのビール会社の「赤いRのサイン」は、永らくシアトルのランド・マークのひとつであったが、その後ビール工場はタリーズ・コーヒーが買収し、「赤いR」から「緑のT」に今はサインも代わっている。

タリーズ・コーヒー(Tully's Coffee)は、日本にも出店しているようだが、これもシアトルの会社であるから、時代の好みはビールからコーヒーに代わった、というところだろうか。

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「Rainier」というのは、ワシントン州にあるレイニア山(標高4,392m)から名をとっている。

山登りが趣味なのだという○田さんが”来い”というので、万年雪に覆われ、山頂には氷河時代の氷がそのまま残るのだという、この山に登ったことがあった。

山登りというのは、未だ暗い時間に家を出る。

オレにとっては”夜は始まったばかり”という時間なわけで、”このおっさん、なんでアメリカに出張に来てまで山登りなんだよお~”と心ではブツブツ言いつつも口には出せず、泣く泣く大先輩に曳かれていった。

途中まで車で行くことが出来、そこから上は万年氷雪を踏みしめながら登ってゆくことになる。
頂上付近は山というより岩であり、完全装備のプロでないと無理なので、ある程度登った所で、汗を拭い、ここで氷上に一休みとなる。

ゴソゴソと角○さんが、バックパックから取り出したのは、缶ビール。

足下の氷雪に埋めて冷やして、眼下の絶景を眺めながら一杯やった。

今まで飲んだビールのなかでは、最高の味だろうか。

「そこに山があるから登るのだ」と人は言うようだが、”そこで美味いビールが飲めるから登るのだ”という人もいるようである。


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やっぱ夏は

なんだカンだ言っても、夏はやっぱビールだね。

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海辺の空き地でやっていた「ファーマーズ・マーケット」とゆうのを冷やかし見物に行った。

近郷の農家が作物をトラックに積んで売りに来ており、日よけテントの小さな出店が空き地に並ぶ。

見ると、トマトや玉葱、果物など農産物は色はまあ良いとして、粒は小さ目であり大きさも不揃いである。

大手のスーパーなどでは専門のバイヤーが全米から買い付けてくるわけで、やはりスーパーのほうがサイズも揃い、値段もやはり安いようだ。

いかにも百姓然としたヒーハぅ~なおっさんの出店はスルーにして、心身ともに健全な大和オノコとしては、やはり若い娘さんの元気いい声が掛るテントに吸い込まれる。

売り娘をからかって歩いているうちに、ニンジンとかトマトとか玉葱とか、小袋を何時の間にやら両手に提げていることになる。

用途は買った後で考えるのはよいとして、玉葱なぞどうやって喰ったものか?と売り娘に聞いてみると、「スライスして其の侭生で喰え」と言う。

何~だか、からかわれているような気もしたのだが、晩酌の酒の肴にサケ缶の上にスライス玉葱を乗せてみるとこれが案外いける。
”野菜のあまさ”というのか、”ワラワラ・スイート・オニオン”と言うだけあって、玉葱があまい。

貨車にゆられて長旅をし、冷房の効いた倉庫に積まれトラックで旅をして店頭に並ぶスーパーの特売の野菜しか口に入れたことのない身としては、野菜がこんなにもあまいものだというのは新鮮な驚きであった。

埠頭には、自家製のビールを飲ませる小さな店があった。
「Scuttlebutt」とか言う、なかなか渋みの効いた個性の強いビールであった。

名の通った大手メーカーのも勿論旨いが、スーパーの棚に並ぶこともない小さなビール屋のも特色があってこれはこれで旨い。

要は、呑めれば何でもよいわけだが。

ちなみに「Scuttlebutt」と言うのは、昔の帆船時代に甲板に置いてあった上部に口を開けた水を入れた樽のことだという。 これで水夫たちが仕事の合間に喉の渇きを潤したというわけである。

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LadyWashington
Lady Washington

「Scuttlebutt」には噂やゴシップのいわゆる「与太話」の意味があるが、この水樽が語源となっている。

帆船時代には水樽の周りは自然と水夫たちの休憩場となっており、逞しく日焼けした腕に錨の刺青の見事な髭のマドロスが、あそこの港の酒場でどうしたの、どこの港のオンナとどうしたのと「あんときゃ~もぅスゴかった!」の若い水夫たちが目を丸くし思わず喉を鳴らすような与太話を聞かせるのが常であった。

アジアナ航空

アジアナ航空というのは、1988年創立の韓国のエアラインで、80機ほどを保有して運航し、従業員は9600人程というから、左程大きくはない航空会社である。(英Wiki 日本語Wiki

アジアナの保有機だが、今回SFOで事故を起こした777は11機保有とあり、ほぼ同じキャパシティーでライバル機であるエアバスA330も、13機を保有している。
他にA320やA321、747、767を保有し、少数ながら747Fや767Fのカーゴ・フリーターまで保有運航している。

少数機づつエアバスとボーイング両社の機体が並び、”雑多”な混合機種構成であるのが目に付く。

パイロットの運航資格は機種毎のレーテングであるし、整備についても重整備は外注するとしても、少なくともライン整備は自社でやらねばならないだろうから、機種ごとに必要な要員の教育・養成が必要となる。

運航を維持するための補給品や部品なども機種ごとに違いがあるから、これらの保有管理体制についても保有機種に見合う分のものが必要となってくる。

ボーイングやエアバスなどの航空機メーカーは、自社の機体では型式が違っても、ある程度一貫した共通性を持たせ、乗員の機種移行や運航の維持管理などが容易なようにしているのだが、機体を両社混合保有している場合には、そうゆうメリットも失せることになり、運航サポート全般の”ロジステック・システム”面も”二通り”の体制が必要となってしまう。

旅客輸送のパイロットに、”今日はボーイング、明日はエアバスを操縦させる”ような訳にも行かないだろうから、運航の人事面においても少数多機種では、制約が大きいことだろう。

今回のSFOの事故では、機種転換教育中で機を操縦していた副操縦士は777機での経験が少なく(韓国筋情報で43時間、NTSB発表では35時間)SFOへの着陸も初めてであり、教官となった機長も教官任務は初めてであったという。

アジアナでは777機への移行には60時間の同機での飛行が要求されているそうであるが、副操縦士の777飛行時間はこの半分程度でしかなく、今回事故での機長・副操縦士両者の組み合わせには、やはり些か”余裕”が見られないだろうか。

スロットルがアイドルで速度の低下に注意がいかない副操縦士も相当なものだが、とくに状況を的確にモニター出来ていない機長は、教官としての適性を欠いていよう。

現在の大型航空機は自動化が進み、着陸も全自動での着陸が可能になっている。
機長らは飛行時間1万時間のベテランというが、嘗てのように飛行時間だけで技量を推し測ることは出来ない時代になってきているのであろう。

ちなみに米国のエアラインだが、航空不況時代にエアラインが軒並み赤字だった時にも、ひとり黒字経営をしていたかの「サウス・ウエスト・エアライン」は、所有する570機全てが737シリーズだけである。

サウス・ウエストに右倣えしたわけでもあるまいが、シアトルに本社がある「アラスカ・エアライン」も、現在は所有する128機全て、737シリーズの機体となっている。

デルタとかユナイテッド、アメリカンと言った数百機を保有するような巨大エアラインは別として、中小エアラインは、調達時の機体調達価格のみでなく、長年の運航に係るリカリングの運航コストを重視しているものであろう。

競争の厳しいエアライン業界である。無理無駄があれば、何処かにその皺寄せが出て来ることになる。

アジアナ機事故

7月6日土曜に、サンフランシスコ国際空港(SFO)に着陸しようとした韓国アジアナ航空の777が滑走路28Lエンドの護岸部に接触し、機体後部を折損、不時着と言うかクラッシュと言うか、酷いカタチで接地している。
乗客に死者2名を出し、かなりな重軽傷者を出したようだが、乗客乗員307名の殆どが生存出来ているのは奇跡的だろうか。
(追記;7月12日に入院中だった少女が亡くなり、当事故による犠牲者は少女3人となっている。)

パイロットや整備士など航空関係者にも評判が良く、安全運航が続いていた777型機では初めての、運航中に死者を出した事故という。

NTSB Asiana Airlines Flight 214 Investigation

ASIANA Flight 214 Accident (Wikipedia)

事故原因については運輸安全委員会NTSBが調査中なわけだが、NTSB委員長のデビー・ハースマン女史(Deborah Hersman)は、ワシントンDCからSFO入りするや直ちに現場に行って検証し、その後も連日記者会見を開いて事実関係を的確に公表している。

787バッテリー問題などもあり、同委員長は最近すっかり”お馴染みの顔”になったが、解っている事実を速やかに、そして旅客機のエコノミークラスで旅をするオレの様な”その他大勢”の人間にも理解が出来るよう、「何が起ったのか?」を解り易く説明する、”一般ピープルに顔を向けた姿勢”が有難い。

事故当日の気象には問題が無く、FDRなどの飛行記録の初期解析やコックピットの会話記録CVRなどにも、機体やエンジン、計器等の不具合の兆候を示すものは今のところ見当らないという。

当日はファースト・オフィサー(副操縦士)が777への機種転換の習熟で操縦に当たっており(左席)、キャプテンが教官を務めていたという。

事故機の、滑走路端のスレッシュホールドでのターゲット・スピードは137ノットであったというから、これが当該機の許容最低速度になるだろうが、インパクトの34秒前(高度500ft)には134ノットに落ちており、その後更に速度は落ち続け、インパクト3秒前には103ノットまでになっている。

NTSBの聴取にパイロット氏は、「オート・スロットルを使用しており速度は維持されていると思っていた」との話だが、777のオート・スロットルは同装置をオンにし、所要のモードにエンゲージして始めて機能するもののようであり、また、指定のモード・セットの通りに推力が調節されて速度が維持されているか否かを、運航乗務員は当然モニターしている責務がある。

「まばゆい光を浴びて前が見えなくなった」とも証言しているようである。

機長は事故直後ただちに乗客の避難を指示せず、乗客を席に止まらせるよう客室乗務員に指示していたといい、乗客の避難が開始されたのは、客室乗務員が火災発生を確認した後であり、この間90秒を無為にしている。
状況によっては機外に出るほうが危険なことも勿論有得るわけだが、今回の状況で緊急脱出を躊躇するというのは、些か信じ難いことである。

事故機の機長・副操縦士の所作判断には疑問が多く、きわめて不可解なところが多い。

NTSBによるパイロットへの初日の聴取は4時間に及んだとのことだが、パイロットが主張する以上、オート・スロットル等機器の不具合の突発や、”まばゆい光線のとつぜんの照射”等々、パイロットの責にあらざる要因による事故であった可能性も理論的にはゼロではないワケで、具体的にどのような状況だったのか?は、今後の更なる聴取や、事実・記録の確認を待つ外無い。

<以下NTSB Photo>
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機体後部は尾翼部が吹き飛び、圧力隔壁が丸見えで、かなりな損傷である。負傷者の多くも後部席に集中していたようである。
これだけの損傷でもドアは歪むこともなく開いている。生産ラインで実機を見た時に、777の乗降ドアおよび周囲は随分と頑丈な作りであったが、若しも歪んで開かなくなったりしたら大変なわけであり、なるほどなと思う。この777の乗降ドアは三菱重工製である。

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特に機内後部は損傷が激しいものの、シート自体は意外なほど原型を保っている。アテンダントのジャンプシートは衝撃で機外に放り出されたものがあったというが、乗客用シートで機外に放り出されたものは皆無だったという。
飛行機に乗る時は、とくに離着陸時にはシートベルトを骨盤に当ててしっかりとしておくべきか。

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ドア1Rと2Rの脱出シュートは機内で膨張しドア部シートに位置していたアテンダント2名がこれで負傷している。
ドア4Rと4Lの位置に座っていた4名のアテンダントのうち3名は衝撃で機外に放り出されていたという。この4名は全員重症で入院している。
機内の12名のアテンダントのうち一挙に6名が負傷したわけで、乗客の安全確保・避難誘導に当たれたのは残り6名のみということになる。
なかには緊急脱出時に手荷物や免税品のバッグなどを提げて脱出したツワモノ乗客もいたといい、旅慣れていない中国人乗客が多かったそうで、かなり混乱もあったようで、避難誘導は大変だったろうか。
主脚ギヤなど降着装置やエンジン・パイロンは激しい衝撃で折損・脱落しているが、お陰で、主翼内の燃料タンクには、亀裂が入って燃料の漏洩や引火ということは生じていないようだ。設計の狙い通りである。
機体の火災は、脱落した高熱のエンジンがドア2Rの辺りに胴体に接触しており、これから生じた可能性が高いだろうか。

< -No One Behind- >
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乗客を背負って避難させるアジアナ航空のリード・フライト・アテンダント。
アジアナ航空客室乗務員はじめ、空港消防・警察の奮闘により、後部座席で動けなくなっていた乗客も、キャビンに火が回ってくる前に全員が避難出来ている。
(写真: ABCニュースーYoutubeより

☆☆☆

サンフランシスコ国際空港での事故と言うと、昔むかし、日本航空のDC-8が滑走路手前の海に”着水”してしまったことがあった。

写真好きの山川さんが、事故機の回収・修理にサンフランシスコに出張されたのを話していたことなど懐かしく思い出す。

調べてみると1968年11月のことで、事故当日はSFO空港周辺は霧で視界が悪く、羽田発の日航DC-8「志賀」号は、ILSオート・カップリングによるSFOへの着陸進入を試みたが、セッテングを誤った結果降下点が滑走路(28Lであった)手前となり、海面を視認出来た時には着陸復行は不可能で、そのまま海面に不時着したものである。

NTSBによる事故調査で、当該事故機運航乗務員への聴取となったが、同機の「アソオ コウヘイ機長」(Captain Kohei Asoh-漢字名不詳)は開口一番、「As you Americans say, I fucked up」(”私がメチャクチャ間違った”というところか)と、一言明解に機長の自分に全責任があることを表したと言う。

事故を起こした場合には、二度と飛べなくなって失職したり、あるいは刑事責任を追求されたりする可能性もあるわけで、兎角辻褄の合わぬ言い訳を並べ立ててみたり、時には他の乗員に責任を擦り付けるような者もおり、自らの保身に走るあまりに、却って傷口を拡げ見苦しい醜態を記録に残してしまう例を目にすることも少なくない。

自分の責任や間違いを率直に認めるというのは、簡単なようでいて、人間なかなか出来難い。

定時運航への会社のプレッシャー、会社の教育体制の欠如、高度計の誤差、副操縦士が高度を読み上げなかった等々、その気になれば並べ立てたいことは山ほどあったろうが、日航アソウ機長の姿勢は実に爽やかである。

こうなると追求する側のNTSBも、もうこれ以上ツッコンで聞くことも無くなってしまう。
機長への聴取は5分で終ったと言う。

機長が全責任を表しているのであるから、他の運航乗務員への聴取も簡潔であった。
副操縦士、フライトエンジニア、航法士いずれの聴取も5分もかからずに終了したといい、夫々の経歴に傷が付くこともなかった。

この日航機事故の原因について、NTSB事故調査報告書はこう結んでいる。
「Probable Cause
The Board determines that the probable cause of this accident was the improper application of the prescribed procedures to execute an automatic-coupled ILS approach. This deviation from the prescribed procedures was, in part, due to a lack of familiarization and infrequent operation of the installed flight director and autopilot system.」

事故の原因はオート・カップリングILSの不適切な使用法にあったものと考えられるとしているが、その背景には、同関連装置の使用法の教育および使用慣熟の不足ということを指摘しており、まるで機長を擁護するような文言が並び、攻守ところを変えたようなことになってしまっているのが愉快である。

”自分の非や責任を認めてしまっては損だ”として、外部要因を並べ立てて事故原因に論り、機長が徹底的に責任回避の抗弁を若し為していたならば、このような”フェア”な事故調査報告書は期待出来なかったろうし、所属する組織である日本航空への評価や印象、ひいては日本人全般のイメージへの一般の影響も生じていたことだろうか。

自分のミスで着陸に失敗した日本の機長が、マネージメントの教材として事例引用がされていたり、40年経ってもアメリカ社会で高く評価されているというのも面白い。(

ちなみに同事故では、107名の乗客乗員には一人の負傷者も出していない。


JAL Douglas DC-8-62 - "Water Landing SFO" - 11/22/68」-ABC News YouTube

NTSB Accident Report
AIRCRAFT ACCIDENT REPORT
JAPAN AIRLINES CO., LTD. DC-8-62, JA 8032
SAN FRANCISCO BAY
SAN FRANCISCO, CALIFORNIA
NOVEMBER 22, 1968


Japan Airlines Flight 2 -Wikipedia

The DC-8 that was too young to die
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