Bandoalphaのらく書き帳

故郷離れてはるばる千里、ひとつ山越しゃ他國の星がぁ・・・昭和の終末高齢者! 思い付いた時に思いついた事などのテキト~なメモ書きらく書き帳ですぅ。 桧野俊弘 ご意見メールは:Bandoalpha@msn.com

2013年11月

中国は警戒任務を実行していると言う

中国国防省(中華人民共和国国防部)のサイトでは、Su-30やJ-11といった中国が現在保有する最新鋭の戦闘機とKJ-2000早期警戒機を投入して中国が今回設定したADIZ(以下CADIZ)のパトロールを実施しているという。

漢字は見てると意味が大体解るので面白い。

◇◇◇引用:中国国防部サイト
我军主战飞机在东海防空识别区常态化巡逻

来源:国防部网 作者:记者李建文、特约记者杨振 时间:2013-11-28 22:22:38

中国空军新闻发言人申进科空军上校表示,中国空军组织苏-30、歼-11等主战飞机,在中国东海防空识别区进行常态化空中巡逻,加强对防空识别区内空中目标的监控,履行空军使命任务。

  申进科说,11月28日,中国空军组织1架空警-2000预警机和数架苏-30、歼-11等主战飞机,在中国东海防空识别区执行空中巡逻任务。

  申进科指出,中国空军在中国东海防空识别区进行空中巡逻,是防御性措施,符合国际通行做法。

  申进科表示,中国空军一直保持高度戒备状态,将根据不同空中威胁,采取相应措施,坚决保卫空防安全。

http://www.mod.gov.cn/photo/2013-11/28/content_4477003.htm
◇◇◇

機体の写真も出ていたのでお借りして、人民解放軍空軍の精鋭ぶりの宣伝に協力したい。

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「空警-2000预警机」
KJ-2000と呼ばれる中国のAWACSだが、Il-76に中国が開発した警戒監視レーダを塔載したものという。
中国の最近の地上配備レーダは300Km+のレンジと言っても地表の関係で(地球は丸くレーダ波は直進)、低高度目標の探知には限界がある。
今回のように広いCADIZを設定した場合には上空をAWACSに飛行させ、警戒監視する必要が生じるわけである。
KJ-2000は現在5機程保有し、無錫市の空港に配備しているようだが、CADIZを完全に監視するためには少なくともAWACS2機を常時在空させる必要があると思われるが、現在のKJ-2000保有機数では365日24時間の警戒監視体制を保持するのは些か難しいであろう。
他にもKJ-200と呼ばれるY-8改造のAWACSがあるが、こちらは小型のものでKJ-2000とのハイ・ロー・ミックスになっているようだ。これの飛行隊も同じく無錫空港に所在しているが、両飛行隊とも投入すれば理論上はCADIZ全域の警戒監視が可能だろうが、実際には限定した時間と空域のみをAWACS監視としている可能性が高いであろう。
艦艇による警戒も可能であるし、CADIZ内全てが核心的に重要というわけでもないのだろうし。


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「织苏-30」主战飞机。
Su-30だが、ロシア製の第一級戦闘機であろう。
日本や米国の軍用機がADIZの国際空域に於いて、平時に相手に対し先に攻撃行動を行うことは無いので、別に最新鋭戦闘機をわざわざ出さずとも、J-10などでも十分に思うが、CADIZ内で相手が中国の指示に従わない場合には防御的な処置を取るとしているので、必要と思う処置を取る能力があるであろう、現在保有する第一級の戦闘機を投入しているのであろう。

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「歼-11」主战飞机。
中国の国産戦闘機。現在量産配備が進められているようである。
外形がSu-27などにソックリなのは気のせいである。
同じ能力を追求すれば、究極には非常に似たカタチになるのは常識というもの。
ソ連の機体は電子機器は兎も角、空力は優れたところがあるので、この機体もなかなかのものである筈。

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グーグル・アースで見た無錫市空港(Wuxi-Shuofang AB)。軍用地区に4棟と7棟のテント状ハンガーが見え、前者がKJ-2000AWACS,後者が小型のKJ-200AWACS用に使用されている。

中国はCADIZの主張を撤回するようにも見られず、このままではいずれ日本や米機と中国軍機が接触する機会が生じそうだが、中国が公告している以下の部分が、具体的に一体何をしようとするものなのか?が問題であろう。

对不配合识别或者拒不服从指令的航空器,中国武装力量将采取防御性紧急处置措施。

武装した戦闘機が空中で相手に対してとれる処置というのは、限られている。

”まあ、一杯やりながらお互い胸襟を開いて新しい国際間の秩序というものを語ろうではないか”とはいかないのである。

中国が主権を主張できるのは、12海里の領海の上空の領空迄である。

日中間のEEZに関しても、大陸棚の続く沖縄トラフまでが中国のものと主張して譲らないという。
お互いにかち合う部分のEEZについては双方の中間線で、という発想はないようで、”力の強い者がこれを獲る”というのが中国流の常識のようである。

困った国だこと。

ADIZ中国対応せず。・・・今のところ

海上保安庁機も自衛隊機も、中国が設定したADIZ圏内を飛行したが、中国軍の反応はなかったという。

韓国軍機も中国ADIZ圏内を飛行したが、同じく中国側からの反応は無かったという。

今の所は、中国の対応はADIZ設定以前の状態と全く変わらないようである。

「これは中国のたんなるブラフ!」、「関係国の強い拒否抵抗に遭い中国の意図は早くも挫折。」、「国内問題から国民の目を逸らすためのものに過ぎない」、「虚言虚勢は中国のお家芸。何時もの事」等と断定するのは未だ早いであろう。

東支那海を中国のコントロール下に置き、平時・戦時を問わず南西諸島海域の艦艇航行の自由を確保するとの戦略は変わらないのだろうし、その一環として尖閣領有の主張もあるのであろう。

今や西太平洋を活動の舞台とする海軍力を中国は持つ迄に至っており、更に空母艦隊の増強を目指している。

紆余曲折はあっても、中国のこの長期的戦略は変わらないことであろう。

米軍のB-52の飛行に関しては全航程を監視・把握していたとの中国の発表があった。
また、先日のTU-154MDとY-8CBの飛行には戦闘機も飛行をしていたとの話も出ている。

いつでも必要なら防御的処置をとるぞ、という表明なのであろう。

大々的に発表した防空識別圏が、”周辺国の強い抵抗に遭って事実上全く無効”というのでは習政権への不信や人民の不満もまた高まってしまうだろうし。

警告一つ出すでもなく、全く以前と変わらない対応と云うのは却って気味が悪いところがある。


◇◇◇引用:朝日新聞

自衛隊機、通告せず防空識別圏を飛行 中国側、反応なし
2013年11月28日13時39分

中国が尖閣諸島(沖縄県)を含む空域に防空識別圏を設定し、飛行の事前通告を求めた問題で、自衛隊機と海上保安庁の航空機が、この空域を中国への通告なしで飛行したことが28日わかった。緊急発進(スクランブル)など中国側の反応はなかったという。

 中国国防省は、防空識別圏に関する指示に従わない航空機には、中国軍などが緊急措置を取る方針を23日に発表していた。海保は飛行した日時や機数は「運用上支障がある」として明らかにしていないが、同日以降に通常業務の一環として東シナ海を飛行した。

 また、防衛省関係者によると、自衛隊機も従来通りの哨戒活動などを変えておらず、28日までに中国が設定した防空識別圏内を飛行した。

http://www.asahi.com/articles/TKY201311280099.html?ref=com_top6_2nd
◇◇◇

◇◇◇読売新聞

韓国哨戒機も中国防空圏に…管轄権争う暗礁上空

ソウル=中川孝之】韓国政府当局者は27日、中国が東シナ海に設定した防空識別圏内を、韓国海軍のP3C哨戒機が26日、中国への事前通報なしに飛行したと明らかにした。

 飛行した区域は、中韓が管轄権を争っている暗礁・離於島イオド(中国名・蘇岩礁)上空で、中国の一方的な識別圏設定を容認できないとの韓国の立場を改めて示したといえる。

 当局者によると、韓国哨戒機の飛行に対し、中国側から特別な反応はなかった。韓国国防省は飛行前日の25日、中国に事前通報せずに航空機を通過させるとの方針を発表していた。韓国は、離於島に海洋科学基地を建設しており、海軍機は普段から定期的に上空を飛行し、実効支配を誇示している。

(2013年11月28日09時21分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20131127-OYT1T01470.htm?from=ylist
◇◇◇

◇◇◇日本経済新聞

中国、「全航程を監視」と発表 米軍機B52飛行で
2013/11/27 14:25

【北京=島田学】中国国防省は27日、米軍のB52爆撃機が中国の防空識別圏を飛行したことについて「中国軍は全航程を監視し、直ちに識別した」との談話を発表した。防空識別圏ですでに監視体制を敷いていることを強調したものだ。今後も中国の識別圏内を飛行するあらゆる航空機について監視していく方針も示した。

 談話によると、中国軍は、米軍機が26日の午前11時(日本時間正午)~午後1時22分(日本時間午後2時22分)に、防空識別圏の東端で南北方向に往復したことを識別したと公表。航空機の種類も特定したとしている。


http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2701R_X21C13A1000000/
◇◇◇

力学が作用する空域

中国が表明していた東支那海のADIZ防空識別圏であるが、月曜に米空軍のB-52爆撃機2機が、グアム島より発進し、東支那海への訓練飛行を行ったのだという。

Official: U.S. B-52s flew over China's controversial new air defense zone」ーCNN

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数時間の訓練飛行だっというが、東支那海では尖閣周辺の空域の中国ADIZ内を約1時間飛行したという。

自らが設定したADIZ内では中国当局の指示に従わなければならないとし、国際空域の自由飛行の原則を歪める中国の姿勢に、国際空域自由飛行の原則を断固として引き続き行使することを、米国は具体的に示して見せたものであろう。

中国の反応であるが、中国軍機による対応も、国際周波数などでの当該米軍機への誰何なども全く無かったのだと言う。

飛行したのは規制の無い国際空域であるから、事前に飛行計画などを中国側に報告し承認を受けるようなことも勿論していない。

やはり、B-52はつおい!w

今回の中国によるADIZ設定は、日本近隣の空域であり、日本の領土である尖閣諸島空域をも中国の管制下に置こうとするものであるから、本来であれば、先ず日本が即刻航空機を当該空域に飛行させて、尖閣上空が日本の領空であることは勿論、国際空域自由飛行の原則を譲ることがないのを具体的に示さねばならないところであろうが、そこまでの力量や、強い国家意思を期待は出来ないか。

日本の自衛隊機などであれば、中国の対応も違って来る可能性も考えられようか。

既に力学が作用する空域にされてしまったので、中国のADIZ主張を認めないと口頭で言うだけでは無力であり、実際に当該空域を飛行して見せて、具体的に相手の主張を否定する必要がいずれにせよあるであろう。

若しも、尖閣空域の飛行などを日本が自粛した形で中国と対話しようとすれば、それは”哀願”であり、単なる”お願い”になってしまう。

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グアム島Andersen AFBに並ぶB-52とKC-135. Wikipediaより。

大南洲遺訓

”かの国も随分と煩いことであるし、靖国の参拝を止めておけば、かの国だって少しは考えてくれるだろう。
こちらが頭を低くすれば相手だってそう居丈高にはならないものさ。”

などど言うのは独りよがりの妄想に過ぎないことであった。

かかる事態に、今や奉納した真榊が哂っていようか。

今更であるが、外交というのは、大南洲の遺訓の通りであった。

「日本人よ目醒めてくれ。 政治家よしっかりせんか!」
三百万英霊の叱咤激励の檄声が聞こてくるような今宵である。


正道を踏み國を以て斃るゝの精神無くば、外國交際は全かる可からず。彼の強大に畏縮し、圓滑を主として、曲げて彼の意に順從する時は、輕侮を招き、好親却て破れ、終に彼の制を受るに至らん。

遺訓 西郷隆盛

情報収集機

最近は南西方面がエライ賑やかであるが、11月23日には先日のTu-154MDと、Y-8の電子戦情報収集機が飛来したという。

参考:「統合幕僚監部 報道発表資料

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これは、Y-8CBとかY-8GX1とか呼ばれる機体のようだが、機体下面などに林立するアンテナを見ると、”電子戦ですぅ。情報収集ですぅ。”という感じが実感出来る。
垂直尾翼前縁の丸っこい不恰好なドームはSATCOM衛星通信アンテナ用だといわれ、衛星経由でデータリンクしているものだろうか。
本機はECM電子妨害の機能も持つといわれ、状況によっては空自の交信にジャミングをかけることであろうか。
機番20011、20012、20013、30012、20671が知られていたそうだが、今回の30011は”お初”だろうか?(機番を塗り直しただけだったりしてw)。(参考
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こちらは先日も来ていた機体なので新鮮味はなし。 ”毎度ご苦労さん”という感じか。
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これから増々南西方面での中国軍機のプレゼンスは日常化してゆくのだろうし、日中両国のADIZや主張する”固有の領土”も重複しているので、日中の戦闘機などが”かち合う”場面も当然増えるのであろう。

日本は中国の主張を受け容れるわけにはゆくまいから、従来通りに海保の航空機などが尖閣空域で要務飛行を行なうことになる筈だが、今後は中国軍機が”自国領”に侵入しようとするアンノウンに対しては戦闘機が迎撃し、”必要な処置”をとる筈であり、これを否定し排除する”パワーの後ろ盾”が無ければ、口先は兎も角として実際に飛行させるのは難しいこととなるであろう。

現在南西方面の戦闘機部隊は那覇空港に第83航空隊のF-15J一個飛行隊が在るのみであり、中国軍機の活動が急増した昨今、現状でも手不足であり、他部隊からの応援などもあるようである。

南西配備を2個飛行隊として航空団とする方針は既に決まっているそうだが、これを早める必要があろう。
基地も民間航空と同居の過密那覇空港では問題も多いので、下地島なり嘉手納の共用なり、適当な2箇所以上の基地は必要だろうし、尖閣空域で行動する海保機などに直接・間接の掩護を付けて、相手に「手を出させない」ようにするには、南西方面に4個飛行隊ほど配備してもおかしくはないであろう。

尖閣空域を力で自らのコントロール下に置こうとする今回の中国の行為を否定し、日本が従来通りの当該空域使用の国家主権行使を維持しようとするのであれば、南西方面の早急な自衛力強化が先ず必要であろう。

キャロライン・ケネディ新駐日米大使が先日着任したそうだが、11月22日は彼女の父君のケネディ大統領(JFK)が、50年前に遊説先のダラスに於いて凶弾に斃れたその日である。

JFKの時代と言えば、米ソ全面核戦争に一歩手前まで行ったといわれる、「キューバ危機」というのが思い出される。

米国の”内懐”のキューバにソ連が核弾道ミサイルを持ち込み、米国は兵力を集中してこれの阻止に出た。

当時空軍にいてフロリダのレーダ・サイトに勤務していたFredは、デフコン(defense readiness conditionー防衛態勢)がどんどん上がり、スコープ上に南下する無数の航空機が飛び交うさまを見て、これで愈々米ソ核戦争が始まる事を覚悟したのだと言う。

兵力を集中して米国の強い意志を明示すると共に、JFKは政治家としての強い指導力を発揮して、一触即発寸前で遂にソ連がキューバへ運び込んだ核弾道ミサイルを撤去させることに成功したのは書くまでもない。

今回の尖閣を巡る状況は、日本にとってのキューバ危機みたいなものであろうか。
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