中国当局による2013年の中朝間貿易統計が発表されたとのニュース。
両国間の輸出入ともに順調な延びを見せており、とくに北朝鮮から中国への輸出は鉄鉱石や無煙炭などの鉱物資源を主に、前年比16.8%という高い延びを示しているのが注目される。
国際連合による北朝鮮への経済制裁決議など何処吹く風といった風情であり、中国が北朝鮮を支えている構図がよく解る。
貿易総額はさほど大きな数字ではないわけだが、北朝鮮は元々小さな経済規模の国であり、厳しい弾圧の統制国家であるから、下層民は兎も角として朝鮮人民軍はじめ金王朝の取巻き幹部へ必要なものが渡っていれば、地球上最期の楽園国家の安定は確保されるのであろう。
中朝国境がオープンで中朝取引がある限り、北朝鮮が経済面から破綻崩壊することは生じないというところか。
金正恩若将軍の叔父でありながら、なんと”中国の犬”であったという、成沢が処刑されたわけだが、中国が北朝鮮の崩壊を望まず、北朝鮮も中国との貿易維持が王朝生存に必須なわけであるから、少々のことはあっても中朝貿易の維持拡大傾向は大局的に変わるまい。
北京発の記事だそうだが、堂々たる日本の経済専門紙の記者なのであるから、圧力に屈したり強いものに媚びたりすることなく、真実を正面から見据えて記事は堂々と書いて欲しいね。
◇◇◇引用:日経ネット
中朝貿易総額、13年は8.6%増 経済制裁響き伸び悩み
2014/1/28 19:52
【北京=島田学】中国税関総署が公表した貿易統計によると、中国と北朝鮮の2013年の貿易総額は65億5600万ドル(約6750億円)だった。貿易総額が60億ドルを超えたのは2年連続で、過去最高を更新した。ただ12年比では8.6%増と伸び悩んだ。13年2月の北朝鮮の核実験強行を受け、中国が実施した経済制裁が響いた。
中国から北朝鮮への輸出額も36億3200万ドル(約3740億円)と同2.8%増にとどまった。経済制裁の一環で、燃料不足を補う原油などの輸出を中国側が減らしたとみられている。
中国の北朝鮮からの輸入額は29億2400万ドル(約3010億円)と同16.8%増えた。中朝貿易関係者によると、鉄鉱石や無煙炭など鉱物資源の輸入が増えた。北朝鮮が外貨獲得を中国への資源輸出に依存する苦しい実態を浮き彫りにした。
もっとも、中朝貿易の振興を掲げていた北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が昨年12月に処刑された後は、多くの北朝鮮の貿易関係者が北朝鮮に戻るなど、中朝貿易は滞った状態が続く。中国側は中国とのパイプ役だった張氏処刑に不快感を抱いており、中朝関係の冷え込みが14年の貿易にどう影響するかが注目される。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2803U_Y4A120C1FF1000/
◇◇◇
◇◇◇2012年の中朝貿易(参考)
引用:通商広報
2012年の中朝貿易、前年比5.4%増で過去最高に (中国、北朝鮮)
2013年2月21日 中国北アジア課
2012年の中国と北朝鮮との貿易は前年比5.4%増の59億3,054万ドルと過去最高を記録した。北朝鮮にとって中国との貿易が年々増加しており、中国への貿易依存度が一層高まっている。
<中国の対北輸出は原油・石油製品が依然大きな比重>
貿易統計データベースのグローバル・トレード・アトラス(GTA)が2013年1月末に明らかにした2012年の中朝貿易は、中国側の資料に基づくもので、中国の対北朝鮮輸出は前年比8.9%増の34億4,584万ドル、北朝鮮からの輸入は0.8%増の24億8,470万ドル、貿易収支は9億6,114万ドルの黒字となった(表1参照)。
中国から北朝鮮への輸出を品目別(HS2桁ベース)でみると、鉱物性燃料など(原油・石油製品類)が7億8,998万ドルで、輸出全体の22.9%を占める(表2参照)。次いで原子炉、ボイラー、機械類で2億9,270万ドル、電気機器類が2億6,691万ドル、鉄道用車両などが2億3,265万ドルの順になっている。前年比伸び率では、プラスチック類、人造繊維の長繊維、ゴム製品、動物性・植物性油脂などの伸びが大きい。統計には表れていないが、最近急速に普及している携帯電話機などの輸出も多いと推測される。
<北朝鮮の対中輸出は主に石炭や衣類>
一方、中国の北朝鮮からの輸入をみると、2012年は前年比ほぼ横ばいだった(表3参照)。品目別(HS2桁ベース)でみると、石炭などの鉱物性燃料が全体の半分近い12億558万ドルを占める。次いで、編み物以外の衣類および同付属品で3億7,299万ドル、以下、鉱石、スラグおよび灰が3億5,751万ドル、鉄鋼が1億2,461万ドル、魚、甲殻類などが1億53万ドル、編み物の衣類が6,661万ドルの順で続いている。
前年比伸び率では、電気機器・同部品などが37.7%増、魚、甲殻類などが21.5%増、編み物の衣類が15.7%増と大きく伸びたものの、北朝鮮の対中輸出の主要品目である鉱物性燃料や編み物以外の衣類などは5%弱の伸びにとどまっており、鉱石、スラグおよび灰、鉄鋼などは前年比2桁の減少率になっている。
<対中貿易依存度は89.1%との調査結果も>
北朝鮮が公式の貿易統計を発表していない中で、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が2012年5月30日に「2011年の北朝鮮の対外貿易動向」を発表している。北朝鮮と韓国との間の南北交易を除いた北朝鮮の貿易規模を調査したもので、これによると、2011年の北朝鮮の貿易総額は前年比51.3%増の63億1,600万ドル、うち輸出は84.2%増の27億8,800万ドル、輸入は32.6%増の35億2,800万ドルで、貿易収支は7億4,000万ドルの赤字を記録した。このうち、対中輸出は前年比7.4%増の24億6,400万ドル、対中輸入は39.0%増の31億6,500万ドルで、貿易総額は62.4%増の56億2,900万ドルとなり、この結果、北朝鮮の2011年の対中貿易依存度は89.1%に達したとしている。
北朝鮮の対中輸出は、鉱物資源、繊維などの軽工業製品、それに水産物、食品などに限られており、今後もこの傾向に大きな変化はないものとみられる。北朝鮮にとっては、付加価値の高い製品を開発し、中国に輸出することが貿易収支を均衡させる上で急務だが、短期間でそれを実現するのは難しく、中国東北部への労働者の派遣で外貨を獲得しようとする動きがみられる。
(根本光幸)
(中国・北朝鮮)
通商弘報 512489ba85ca0
http://www.jetro.go.jp/biznews/512489ba85ca0
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両国間の輸出入ともに順調な延びを見せており、とくに北朝鮮から中国への輸出は鉄鉱石や無煙炭などの鉱物資源を主に、前年比16.8%という高い延びを示しているのが注目される。
国際連合による北朝鮮への経済制裁決議など何処吹く風といった風情であり、中国が北朝鮮を支えている構図がよく解る。
貿易総額はさほど大きな数字ではないわけだが、北朝鮮は元々小さな経済規模の国であり、厳しい弾圧の統制国家であるから、下層民は兎も角として朝鮮人民軍はじめ金王朝の取巻き幹部へ必要なものが渡っていれば、地球上最期の楽園国家の安定は確保されるのであろう。
中朝国境がオープンで中朝取引がある限り、北朝鮮が経済面から破綻崩壊することは生じないというところか。
金正恩若将軍の叔父でありながら、なんと”中国の犬”であったという、成沢が処刑されたわけだが、中国が北朝鮮の崩壊を望まず、北朝鮮も中国との貿易維持が王朝生存に必須なわけであるから、少々のことはあっても中朝貿易の維持拡大傾向は大局的に変わるまい。
北京発の記事だそうだが、堂々たる日本の経済専門紙の記者なのであるから、圧力に屈したり強いものに媚びたりすることなく、真実を正面から見据えて記事は堂々と書いて欲しいね。
◇◇◇引用:日経ネット
中朝貿易総額、13年は8.6%増 経済制裁響き伸び悩み
2014/1/28 19:52
【北京=島田学】中国税関総署が公表した貿易統計によると、中国と北朝鮮の2013年の貿易総額は65億5600万ドル(約6750億円)だった。貿易総額が60億ドルを超えたのは2年連続で、過去最高を更新した。ただ12年比では8.6%増と伸び悩んだ。13年2月の北朝鮮の核実験強行を受け、中国が実施した経済制裁が響いた。
中国から北朝鮮への輸出額も36億3200万ドル(約3740億円)と同2.8%増にとどまった。経済制裁の一環で、燃料不足を補う原油などの輸出を中国側が減らしたとみられている。
中国の北朝鮮からの輸入額は29億2400万ドル(約3010億円)と同16.8%増えた。中朝貿易関係者によると、鉄鉱石や無煙炭など鉱物資源の輸入が増えた。北朝鮮が外貨獲得を中国への資源輸出に依存する苦しい実態を浮き彫りにした。
もっとも、中朝貿易の振興を掲げていた北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)元国防副委員長が昨年12月に処刑された後は、多くの北朝鮮の貿易関係者が北朝鮮に戻るなど、中朝貿易は滞った状態が続く。中国側は中国とのパイプ役だった張氏処刑に不快感を抱いており、中朝関係の冷え込みが14年の貿易にどう影響するかが注目される。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2803U_Y4A120C1FF1000/
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◇◇◇2012年の中朝貿易(参考)
引用:通商広報
2012年の中朝貿易、前年比5.4%増で過去最高に (中国、北朝鮮)
2013年2月21日 中国北アジア課
2012年の中国と北朝鮮との貿易は前年比5.4%増の59億3,054万ドルと過去最高を記録した。北朝鮮にとって中国との貿易が年々増加しており、中国への貿易依存度が一層高まっている。
<中国の対北輸出は原油・石油製品が依然大きな比重>
貿易統計データベースのグローバル・トレード・アトラス(GTA)が2013年1月末に明らかにした2012年の中朝貿易は、中国側の資料に基づくもので、中国の対北朝鮮輸出は前年比8.9%増の34億4,584万ドル、北朝鮮からの輸入は0.8%増の24億8,470万ドル、貿易収支は9億6,114万ドルの黒字となった(表1参照)。
中国から北朝鮮への輸出を品目別(HS2桁ベース)でみると、鉱物性燃料など(原油・石油製品類)が7億8,998万ドルで、輸出全体の22.9%を占める(表2参照)。次いで原子炉、ボイラー、機械類で2億9,270万ドル、電気機器類が2億6,691万ドル、鉄道用車両などが2億3,265万ドルの順になっている。前年比伸び率では、プラスチック類、人造繊維の長繊維、ゴム製品、動物性・植物性油脂などの伸びが大きい。統計には表れていないが、最近急速に普及している携帯電話機などの輸出も多いと推測される。
<北朝鮮の対中輸出は主に石炭や衣類>
一方、中国の北朝鮮からの輸入をみると、2012年は前年比ほぼ横ばいだった(表3参照)。品目別(HS2桁ベース)でみると、石炭などの鉱物性燃料が全体の半分近い12億558万ドルを占める。次いで、編み物以外の衣類および同付属品で3億7,299万ドル、以下、鉱石、スラグおよび灰が3億5,751万ドル、鉄鋼が1億2,461万ドル、魚、甲殻類などが1億53万ドル、編み物の衣類が6,661万ドルの順で続いている。
前年比伸び率では、電気機器・同部品などが37.7%増、魚、甲殻類などが21.5%増、編み物の衣類が15.7%増と大きく伸びたものの、北朝鮮の対中輸出の主要品目である鉱物性燃料や編み物以外の衣類などは5%弱の伸びにとどまっており、鉱石、スラグおよび灰、鉄鋼などは前年比2桁の減少率になっている。
<対中貿易依存度は89.1%との調査結果も>
北朝鮮が公式の貿易統計を発表していない中で、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が2012年5月30日に「2011年の北朝鮮の対外貿易動向」を発表している。北朝鮮と韓国との間の南北交易を除いた北朝鮮の貿易規模を調査したもので、これによると、2011年の北朝鮮の貿易総額は前年比51.3%増の63億1,600万ドル、うち輸出は84.2%増の27億8,800万ドル、輸入は32.6%増の35億2,800万ドルで、貿易収支は7億4,000万ドルの赤字を記録した。このうち、対中輸出は前年比7.4%増の24億6,400万ドル、対中輸入は39.0%増の31億6,500万ドルで、貿易総額は62.4%増の56億2,900万ドルとなり、この結果、北朝鮮の2011年の対中貿易依存度は89.1%に達したとしている。
北朝鮮の対中輸出は、鉱物資源、繊維などの軽工業製品、それに水産物、食品などに限られており、今後もこの傾向に大きな変化はないものとみられる。北朝鮮にとっては、付加価値の高い製品を開発し、中国に輸出することが貿易収支を均衡させる上で急務だが、短期間でそれを実現するのは難しく、中国東北部への労働者の派遣で外貨を獲得しようとする動きがみられる。
(根本光幸)
(中国・北朝鮮)
通商弘報 512489ba85ca0
http://www.jetro.go.jp/biznews/512489ba85ca0
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