Bandoalphaのらく書き帳

故郷離れてはるばる千里、ひとつ山越しゃ他國の星がぁ・・・昭和の終末高齢者! 思い付いた時に思いついた事などのテキト~なメモ書きらく書き帳ですぅ。 桧野俊弘 ご意見メールは:Bandoalpha@msn.com

2014年03月

春爛漫

満開かな

「おぢさん」なっても春はなんとなく心がうきうきする
春はよいものだ

花見で爛漫はうまかろうな

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原子炉のなか

もう3年になる。

東京電力福島第一原子力発電所に6基あった原子炉のうち、4号機、5号機、6号機は定期点検中などで震災当日は運転しておらず、1号機、2号機、3号機の原子炉のみが出力運転中であった。

大地震発生により送電線の鉄塔も倒れたりして送電機能が停止し、外部電力の供給が停止。
更に大津波襲来により地下に設置されてあった非常用発電機などの非常用電源設備は6号機以外いづれも”冠水”して使用不能となり、1号機から4号機原子炉は全交流電源喪失の事態となっている。

地震を感知して原子炉の運転が自動停止しても崩壊熱は続くので冷却の継続は必須なわけで、本来の原子炉冷却系が機能停止した場合には「ECCS」とか呼ばれる「非常用炉心冷却設備」があるそうだが、これも制御には電源を必要とするようである。(BWRの工学的安全施設

交流全電源喪失後は蓄電池などで装置を駆動していたようだが、電源を喪失すると各種バルブの操作や計測機器も不如意になるようで、「電気」がないと原子力発電所の安全確保に必須の冷却系統をはじめとする全機能の操作はほぼ”お手上げ”状態となるようである。

非常事態であれ何であれ、電力は必ず使えることを前提としている所はさすがわ電力会社と言うべきか。

”発電所が停電でダメになった”というのも何やら可笑しい。

多重と言うのは”独立した複数の制御系を持つ”ことだだろうが、どうも中身は一重になっているようで”安全の多重性”とは名ばかりの、なかなかに脆いものである。

6号機の非常用発電機を共用出来て助かった5号機と6号機の原子炉は、1号機から4号機のそれの敷地よりも若干高台に設置されてあったという。(敷地標高13m対10m)
東北電力の女川原子力発電所も同じく津波の襲来をモロに受けたわけだが、これも何とか大事には至らず、どころか近隣の被災住民を一次収容したりしている。(敷地標高14.8m)

福島第一原発はもともと丘陵が海に続く地形だったところを削って設置したものという。
もし1~4号機の原子炉敷地があと3メートル+高ければ、結果は全く違っていたことだろうか。
少し削り過ぎたか。

非常用電源設備も一台分でも高い位置に、或いは一台でも防水区画としていたならば、違う結果だったろうか。
GE、東芝、日立と原子炉の主契約者は各々違っているのだが、非常用電源設備だけは判で押したように一様に地下設置であった。
非常事態の想定の柔軟性に欠け、認可の易きについたものだったろうか。

原子炉というのは、冷却系が完全にストップする状態に陥った場合には、1時間弱で燃料集合体が損傷して燃料落下(所謂メルトダウン)が始まり、1乃至1.5時間後には圧力容器の破損が始まるもののようである。(地震時レベル2PSAの解析BWR

冷却機能停止という非常事態発生の場合には、”時間との勝負”になるわけだが、移動式の電源や給水車等のタイムリーな搬入・使用も、設備や手順等はどうも不手際であった。

原子力非常事態への対応訓練も官民挙げて何度も行っていた筈であるが、実際に事態に直面するや、総理大臣がヘリで原発に乗り込み現場で事故対応に奔走している所長を呼び出して報告させ、その後も度々現場の所長に直接官邸への電話報告をさせるという有様になっている。(Youtube

既存の対策本部などは機能しないとして新たな対策本部を立てるなど、指揮命令・情報伝達系統は支離滅裂なものとなっている。

非常時には想定演習通りにはなかなかいかないものとはしても、非常事にこそ必要な沈着冷静・整然とした姿勢とはあまりにかけ離れてしまったようである。

原発非常事態訓練というのも官庁が体裁を整えるためだけの、所謂”訓練のための訓練”になっていたろうか。

嘗て誰も経験したことの無い、未曾有の原子力非常事態に直面したのである。
現場で対応に当っている吉田所長以下には100%以上の超人的能力を発揮してもらい、ここは事故対処に只管専念してもらわねばならないだろうし、邪魔をするような者は(本人は善意によるものであれ)、東電本社は相手が総理大臣であれ何であれ、殴り倒してでも防がねばならなかったであろう。

全ては官庁の許可認可で成り立っている電力会社であり、官(菅かな)の意向に楯突くような真似はとても出来なかったろうか。
”お代官様の顔色を伺い、お心を忖度して働き、お代官様と伴に贅を尽すのが東電屋でござい、お代官様のお怒りを買う真似などとてもとても。”だろうか。

不都合な放射線データなどは公表しなかったり遅くしたり、計測を中止?したりと、その情報公開の姿勢や、煩雑な分厚い賠償請求申請書類など、東電の一般社会に対する姿勢には批判が強い。

電気事業は地域独占であり、電力料金は監督官庁が電力会社の申請を”厳重審査”して認めた”適正な価格”一本であり、今どき電気を止めて蝋燭や行灯で生活するわけにも行かぬから”東電不買運動”など興り得ず、消費者には選択の自由は無い。 電気事業というのは”社会主義制度”の世界になっていた。
政府・監督官庁さえ味方に付けておけば安泰なわけであるから、電力会社にとって大切なのは、監督官庁への”おもてなしの心”であって、一般民草の消費者や社会は考慮しても何も意味が無い。
政治家や監督官庁に顔を向けていれば、一般社会の民草には自然と尻が向くことになる。
東電の社会への姿勢がこのようなのは、社長や役員、社員の本来の人間性がどうのでなく、制度がそうさせ、そのような人間にしているのであろう。

原発周辺の汚染が酷い地域は「帰還困難地域」とされ、居住や、農業・工場等の生産活動も出来ない土地になった。(帰還困難区域について
337平方キロというから、おらが名取市の3.4倍ほどの国土を失ったと言えようか。

除染して帰還居住が可能とされる地域も、他所に比べれば放射線量は高いのだろうから、どれほどの住民が実際に戻って来るのか。

幼い子を持つ親や、これから家庭を持ち子供を育てる世代は敬遠もするだろうから、場所によっては地域が社会として成り立たなくなる人口状態も有り得るだろうか。

この程度の放射線は健康に問題無いとか、寧ろ体に良いのだとか社会に喧伝する人達や、東電の管理職や原子力関係官庁の退職者などを、福島原発周辺地域に強制的に住まわせる法律でも作ればよいかも知れぬだろうか。

下図は東電の推測による1号機から3号機の原子炉内の様子だが、一番損傷が激しいとされる1号機でも、圧力容器内の核燃料は溶融して全て格納容器の底部に落下しているものの、格納容器底部に敷かれたコンクリートの途中までの侵食で止まっており、核燃料デブリは格納容器内部に止まり、外部に漏出はしていないものとしている。
福島第一原子力発電所1~3号機の炉心・格納容器の状態の推定と未解明問題に関する検討第1 回進捗報告 平成25年12月13日 ー東京電力)

2号機、3号機についても核燃料の一部が格納容器底部に落下し、そこに止まっているとしている。

現時点での、取得できた周辺データ等を基とした事故解析プログラム(MAAP)による推計であり、入力データの精度により如何様にも変り得るだろうし、実際に原子炉内の核燃料の状態が確認出来るのは10年先だろうか。

東電発表の信頼度というのは残念な事に高くなく、あまり誰も信用しないようである。

1号機などは溶融した核燃料デブリの一部は各種ダクトの接続部などから格納容器外に漏出しているとも考えられようか。

核燃料は格納容器内に止まっているが、高濃度の汚染水の一部が格納容器から漏出している等というのも表現が違うだけで、中身は同じことを言っているのかも知れないが。

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SimplyInf-Fukushima Project」による推測図。

参考資料)
福島原子力事故調査報告書の公表について」ー東京電力

福島第一原発事故と4 つの事故調査委員会
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