Bandoalphaのらく書き帳

故郷離れてはるばる千里、ひとつ山越しゃ他國の星がぁ・・・昭和の終末高齢者! 思い付いた時に思いついた事などのテキト~なメモ書きらく書き帳ですぅ。 桧野俊弘 ご意見メールは:Bandoalpha@msn.com

2014年10月

意外と弱いエボラ熱の感染力

米国ではエボラ熱患者を看護中に感染してしまった2名の看護婦をはじめ、今日まで計9名のエボラ熱患者の治療事例が生じている。

その内で死亡に至ったのは、訪米中だったリベリア籍の男性患者1名のみである。

院内感染した「看護婦2号」も「看護婦1号」に続いて昨日完全治癒退院しているので、7名は完治しており、先日発症した「国境無き医師団」に参加し帰国したニューヨークの医師は現在入院中であるが、これも完治することに疑問の余地はなさそうである。

エボラ熱は、早期発見で適切な医療を受けられれば、死に至るものではないことがわかる。

所謂”手遅れ”の状態になったり、老幼等で体力が弱かったり、持病があるような場合には、生命の危険を伴う極めて危険なウイルスであることは、その通りなのであろう。

死亡したイベリア人男性患者の場合、初診時にはいったん帰宅せられ、後症状が悪化してから救急搬送で入院している。

同居していた女性、子供、親戚等、当該患者と接触があった48名が隔離観察措置となっていたわけだが、結局これら周囲の人間からは感染者は生じていない。

死亡したこの患者の場合、症状は発熱から嘔吐、下痢などに進んだ状態であったようだが、それでも同居人に感染者が発生しなかったというのは、些か意外というべきだろうか。

エボラ熱感染が生じるのは、発熱など患者の発症後という。
 事例が少ないので安易な楽観論は禁物だろうが、発症初期段階でのエボラ熱の感染力というのは、意外と弱いものであることがわかる。

エボラ・ウイルスの体外での生存期間というのは、乾燥環境で数時間、”快適温度・湿度”の環境でも数日程度といわれ、感染も人体の粘膜やキズ口などからの侵入であるから、初期患者の触れたドアノブや椅子等から2次感染する可能性は極めて低く、「看護婦2号」の利用した航空機や、ニューヨークの医師が利用した地下鉄の乗客などから感染者が発生する可能性は極めて低いであろう。

テロの時代であり、細菌やウイルスを利用した所謂「生物兵器」によるテロも憂慮される時代だが、NIHの専門家の大先生(Dr.Fauci)に言わせると、テロリスト側に立って考えた場合、「エボラ熱ウイルスは選択候補外になる」というのも、この感染力では兵器足り得ず、なるほどと思わせる。

大先生は又、西アフリカから帰国する医療関係者全員をいったん隔離する必要はないとも言う。
 隔離措置などの防護対策も専門家の意見をよく聴取し、政治的にでなく科学的に決められるべきものであろう。

患者の症状がピークになった場合にはウイルスが皮膚にも出てくる例があるというから、いわば”全身ウイルス化”した状態では感染力もかなりのものなのであろう。

西アフリカ流行地域のように、保健衛生や医療インフラが基本的に脆弱で、いったん流行すれば病院も満杯で収容できず、患者が街中で行倒れ、それを助けようと触れる人がおり、医療関係者ですら基本的な防護装備も教育訓練も出来ていないといった環境では、エボラ熱はその猛威を存分に振るうことになる。

米国や日本でもエボラ熱の国内侵入・感染阻止の態勢を強化しているようだが、流行地西アフリカでのエボラ熱感染拡大を阻止できずに、感染者が倍々ゲームで増えていった場合には、日本など先進諸国での感染発生のリスクも倍々と増えて来ることになる。

自国防護に徹しているだけでは、終にはどこかで防護が破られ、国内に感染者の発生をみることになる。

西アフリカでのエボラ熱感染流行の沈静化というのは、結局は先進諸国にとっても我が身のことなのである。

米国は大規模に軍を動員して、現地西アフリカでのエボラ熱流行阻止作戦を展開中なわけだが、派遣兵員はETU(治療設備)の設置などに当たり、直接に患者に接することはないので、感染防止の十分な保障はあると思われる。

軍の健康管理体制も充実しているので、万一感染者が発生しても早期に適切な治療の開始が見込まれ、余程に運が悪くでも無い限り、派遣員の生命の十分な安全保障はされていると言えよう。

感染者1万を超え、死亡患者は5千、そして更に増え続けているという現状では、個別の国際ボランティア団体による援助だけでは対処は最早困難で、相当な規模の軍部隊の投入による、組織的かつ系統立ったロジステックと、機動力に富む迅速な大規模支援網の提供が必要なのであろう。

日本は国際貢献において、武力の行使を伴う多国籍軍やPKFのような活動には参加しないといい、武力を使用することの無い、純粋に平和的手段での国際貢献活動を指向しているとすれば、西アフリカのエボラ熱対策支援などは真に”打って付け”と思われるが、政治家や大手マスコミなどからも”自衛隊を派遣すべし”の声が一向に聞こえないのはどうゆうことだろうか。


Ebola Facts: New York Times

あなたのまわりの小さなともだちについて」ーブログー 
研究者のブログのようだが、時間を割いて研究者の方が一般向けに情報発信する姿勢は、時節柄素晴らしい。

感染症診療の原則
感染症の専門医である青木先生

国境なき医師団ー日本

看護婦1号退院

米国内でエボラ熱に感染した「看護婦1号」のNina Phamさんが、全快し退院している。

「看護婦2号」のほうも体内にウイルスはなくなり隔離病室は出たと言うから、直に退院であろう。

早期発見早期に治療が開始できれば、死亡率は高くはないのであろう。

西アフリカ3国の流行地では、とてもそのような状況ではないようで、絶対的に治療施設が足りず、自宅やあるいは路上でほぼ放置の状態が多いようであり、これでは死亡率や感染流行は止まる所を知らぬだろうか。

ギニアに行っていた「国境無き医師団」の医師が、ニューヨークに帰ってきて発症したそうだが、都会での感染者の出現はその影響が大きく、流行地で感染者に直接接する機会のある医療従事者等は、帰国後もウイルス潜伏期間の21日間は隔離観察状態にする必要があるのだろう。

全員なのか感染者に接するような機会があった者が対象なのかは知らないが、西アフリカに派遣される米軍の隊員も、帰国後は21日間隔離観察を考えているようである。

今のところ、米国内で治療を受けたエボラ熱患者で死亡したのはイベリアより来た男性一人のみである。

このイベリア国籍男性は、現地流行地で感染者に接する機会があったようだが、出国や入国時にそのような事実の申告はしなかったといわれる。

正直に申告してしまうと出入国手続きに支障が出、最悪出入国が不可能になってしまうことを恐れ、感染者との接触を申告しなかったり、或いは本人が気付かない儘感染者に接触しているような事例は考えられるから、西アフリカ流行地よりの旅行者というのも、21日間の隔離観察の対象とすべきなのであろう。

きちんとした対応策を確立し実施していれば、それほど無闇に恐れるようなものでもない。

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治療チームの主治医だった大先生と肩を組みながら退院するNinaさん。(NIH Photo
「近代医学の勝利」の瞬間である。
開発中の新薬の投与などは行われなかったという。 随分回復が早いが、なにせ看護婦であるから、きっと模範的な患者であったろうか。
医療従事者の感染リスクというのはゼロではないわけだが、彼女は使命感に燃えた立派な「看護士」である。
大先生方が胸に付けているリボンは、この立派な看護士を育てた彼女の母校、Texas Christian Universityのスクールカラーで、勇敢な看護士を表敬して付けている。
彼女自身敬虔なクリスチャンといい、信念のしっかりした人なのであろう。
NIH退院記者会見ーYouTube

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テキサスに帰る前に、医者の大先生方共々ホワイトハウスに招待され、オバマ大統領と面会のNinaさん。(White House Photo)
2号以下の感染者ではこうは行かないだろうから、どうせ感染するならやっぱ、「いの一番」だね。
妹のほうが美人かなw

日本には「愛染かつら」という、看護婦がヒロインの映画が昔あったそうだが、この話が映画化されたら題名は、「感染かつら」。

エボラ熱ナース第一号

アフリカ流行地への渡航歴が無くて米国内でエボラ熱に感染した第一号となってしまったナースは、米国生まれのベトナム系テキサン(Texan-テキサスっ子)だそうだが、エボラ熱のお陰ですっかり”有名人”になってしまったようだ。

地元の大学の看護科を出て、地元の総合病院に就職し、ふた月程前には高度医療看護(Intensive care)の資格認定も受けていたというから、新進気鋭の若い優秀な看護婦さんである。

本人に医学の基本的知識があり、早期発見のケースで、最高度の医療看護を現在受けているのであるから、全快することを疑う余地はない。

なによりも若い健康な体力があり、生きることへの強い意志がある。

彼女が飼っていた愛犬と、ボーイフレンドも、気の毒に隔離観察の身となっているそうだが、ペットは下手をすれば殺処分されるところだったろうし、ボーイフレンドも隔離観察の身では新しいガールフレンドを作ることも不可能だろうから、彼女としては却って療養に専念できることだろうか。

愛犬もボーイフレンドも国民も、彼女が元気に退院して来る日を待っている。

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Nina Phamさんと愛犬のBentley君。 犬はエボラ熱に感染し発症するのか?或いはウイルスの宿主となって人間への感染媒体になり得るのか?等、いままで事例がないだけになかなか興味深いことだろうか。 Bentley君の観察にはTexas A&M大学の獣医チームが当っているという。

Ninaさんは人生これからが花の26歳というから、父母は70年代に共産化したベトナムから逃れて米国にやって来たものだろうか。

ベトナム

ベトナムというと、ヤオ(Gyao)を思い出す。

たしか70年代に、ボートピープルとなって共産化したベトナムを脱出し、米国に渡って来ていた。

かれこれ10年近く一緒に働いたろうか。

ヤオは何年アメリカにいても、英語があまり上達せず、英会話に苦労していた。

他人事には思えない。

あっちのほうも嫌いでないようだったが、酒も好きで、飲めばコミュニケーションはノープロブレム。

似たところがあったろうか。気心が通じ合うところがあった。

”酒飲みの大人物”を気取っていても、飲めばグジグジとネガティブなだけの、肩書きだけは立派な情けない酒飲みが多いのは今に始まったことではないが、ヤオのは陽気な、飲めば飲むほどにニコニコと笑いに満ちた朗らかな酒である。

以前私が勤めていた会社を去るときに、表面は兎も角みんな心の中では万歳を叫んでいたようだが、ヤオだけは、寂しそうな哀しそうな顔をしていたのを思い出す。

暫らくして、ヤオが病を得て亡くなったという話を聞き愕然とした。

ヤオは、いまは小雨の煙るシアトルの墓所に静かに眠っている。

エボラ熱

アフリカから米国に入国し発症したリベリア人の男性患者は死亡したそうだが、入院先の病院で看護にあたっていた看護婦(女性看護士と今は言うのか)のうち2名が感染してしまっている。

この病院はベッド数900床、医師1200人とかいい、ブッシュ元大統領(パパ・ブッシュのほう)も治療を受けたことがあるというテキサスの大きな総合病院のようだが、最初に患者が来た時に、エボラ熱流行地のアフリカより来たとの情報が病院内で伝達されていなかったとか、患者をいったん帰宅させたとか、今回も防護対策を確立し徹底していれば起き得ない院内での2次感染を惹き起こし、要観察下にあった感染した看護婦も週末に飛行機でオハイオに旅行までしていたという、なんとも”ユルイ”ところがあるような。

見かけは巨大な総合病院であるが、中身は管理運営に問題が窺え、少なくともシリアスな伝染病を扱える態勢では無いように見える。

感染した看護婦は、故郷のオハイオに行くにあたりCDCに相談したと言うが、CDCも問題無いとしていたという。

事後のCDC所長の記者会見では航空便での旅行はすべきでないとの話であり、CDC内でも混乱がみられるようである。

こんなことでは伝染病など防げる筈も無いので、CDCも各病院や医療関係者も、今一度態勢を立て直して欲しいものである。

死亡率が50%を超えるというエボラ熱が普通に存在する社会に住むのは、やだよお~w

それにしても、”保菌者”の看護婦がヒコーキに乗って旅行していたというニュースには、苦笑するほかない。

看護婦は搭乗時には微熱が既に顕われていたと言うが、同じ便に乗り合わせた人達はこれから暫く体温計が離せないことだろうか。

最初の患者であった死亡したリベリア人男性は、フィアンセのアパートに滞在していたといい、子供達等とも接触があったというが、こちらからの発症者というのは未だ無いようである。
もう潜伏期間も終るだろうし、初期段階ではエボラ熱の感染性というのは左程高くはないもののようにみえる。

発症後ピークになった場合の感染性はかなり強力ということだろうか。

流行地の西アフリカでは大変な状況のようである。(現在感染者9千、死亡4千5百)
現地アフリカ諸国だけでは、沈静化はもう無理なようである。

米国も軍3,000+を派遣し、$350M+援助とか。

エボラ・ウイルスというのはアフリカの大蝙蝠?とかの野生動物に宿生しているのだとか言うから、無くなりはしないだろうが、こうゆう危険なウイルスは人里に出てこず、抵抗力のあるターザンの住む奥地のジャングルにいて欲しい。

流行は早く鎮静させて世界に拡散するのを防ぐ必要がある。

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防護服を着用する第101空挺師団の隊員。
基本はNBC(対核兵器、対細菌兵器、そして毒ガス戦)防護と似たようなものだろうが、今回の”敵”は些か勝手が違うだろうか。
同師団よりも700名ほどが今月末までにリベリア現地進出、他派遣部隊と合同し、ベッド100床の治療所17箇所等を西アフリカに建設するのだという。
U.S. Ebola force continues to build in West Africa

世界の何所でも患者が発生する可能性は考えられるわけで、100%完璧な防御体制を構築するというのは、無理な話である。

”敵”の源泉である西アフリカの流行地帯を”積極的に攻撃して、元を断つ”のは、作戦のイロハであり、最も有効な対策であろう。

国際貢献、日本はどうするのか?だが。

日本自衛隊の施設科能力は高いわけだが、治療所建設などは米軍がやるようだから残っているのは、消毒など防疫作業と、奥地で火葬場施設の建設・・・
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