日中間に横たわる東支那海には、中東地域のような大規模な埋蔵石油資源があるとの話も1970年代にはあったようだが、当時の調査精度には限界もあったようで、現在では埋蔵石油の量はさほどでもなく、むしろ天然ガスの埋蔵量に開発の感心は向いているようである。
尤も、日本は試探掘井一本掘っていないので、もっぱら中国側の話であるが。
東支那海の石油や天然ガスの埋蔵量については、平成18年4月24日の第164回国会行政監視委員会で、参考人として呼ばれた資源エネルギー庁次長の細野哲弘氏の答弁が日本での”公開資料”の最新情報であるようである。
「お答え申し上げます。
今お尋ねの尖閣諸島付近の石油あるいはガスの埋蔵量でございます。
この付近を含みます東シナ海につきましては、結論から申し上げますと、今先生御指摘のとおり、相当量の石油天然ガスが賦存している可能性が高いものと我々も認識をしております。
今お話がありましたように、実際掘ってみないと分からないというところは事の性格上あるわけでございますけれども、平成六年に石油審議会の開発部会というところで、技術委員会で検討いたしました。そこの技術専門委員会でのあくまでの推定でございますけれども、その結果、東シナ海の中間線、日本側及び沖縄周辺海域における石油あるいは天然ガスの埋蔵量あるいは賦存資源量というものは石油換算いたしまして約五億キロリットルぐらいあるんじゃなかろうかと、そういうような推定が出ております。」
高級官僚の立派に長い答弁であるが、要は「中間線より日本側にある資源は天然ガスも石油換算して、推定で計5億kl程度の埋蔵量です」ということのようだ。
天然ガスと石油の内訳もないので、これではいま一つよく解らない。
EIA(US Energy Information Administration)の資料などを眺めると、中国は、東支那海全域の資源埋蔵量は、石油が「70~160 Billion Barels」、天然ガスが「250 Tcf(Trillion Cubic Feet)」に達する可能性があると言っているようであるが、EIAの推定では、石油は「200 Million Barels」程度、天然ガスは「1~2 Tcf、これを相当上回る存在可能性有り」としている。
EIAによると、東支那海の海底油田は2億バーレル程度の埋蔵量であるから、近年微減している日本の年間原油輸入量12億バーレル強に比べても、まあ大したものではない。
日中中間線に沿って12基ほど開設されている中国の採取リグも、石油採取用は平湖(Pinghu)のリグが石油・天然ガス兼用なだけで、残りは全て天然ガス採取用のようである。
1980年代に開発が開始されたという平湖の石油産出量は、EIAによれば1990年代末の日量8千~1万バーレル程がピークだったようで、近年は日量400バーレル程に落ち着いているというから、”おいしいところはもう取り尽した”というところだろうか。
採取した石油と天然ガスの平湖から中国本土への移送用に、石油パイプラインが寧波に、天然ガスのパイプラインが上海に、と設置されている。
最近英系企業と合弁で開発中の、台湾北部海域の「LS36-1(Vicky-1)」から中国本土温州(Wenzhou)に天然ガス・パイプラインが設置されているというが、他には海底パイプラインの設置というのは見当たらないので、東支那海中央部で採取した天然ガスというのは、平湖経由で上海に移送しているものなのであろう。
この平湖から中国本土へのパイプライン開設には、アジア開発銀行や国際協力銀行を通じて1億2千万ドル余の日本の資金の融資があったというのが面白い。(注)
東支那海の主たる天然資源である天然ガスだが、EIAによれば2 Tcf以上であるから、少なくとも566億㎥の埋蔵量はあり、沖縄トラフ域に更に相当大規模な埋蔵量が存在する可能性があるという。
沖縄トラフとは沖縄西方の深度1,000mほどの海底の溝(最深部2,716m)だが、最近の海底資源掘削技術は水深2~3,000mでも採取可能になっているといい、可採埋蔵量などで採算が取れるようであれば、採取するのに技術的問題はないようである。
俺も穴を掘るのは嫌いでないのだが、それにしても海中千mとか2千とか3千mまで掘削し、垂直坑ばかりか横にもパイプを延ばして石油や天然ガスを採取するという最近の掘削技術の進歩には驚くばかりである。(参考pdf)
中国筋公表値で主なガス田の確認埋蔵量は、春暁(Chunxiao)735Bcf、天外天(Tianwaitian)444Bcf、残雪(Canue)450Bcf、断橋(Duanqiao)75Bcfと言った数字がみえる。(参考pdf)
巨大なエネルギー消費国となった中国は勿論、日本でも石油と違って天然ガスの需要は年々伸びているといい、沖縄トラフの天然ガス田でも開発すれば、日本全土は無理としても、沖縄と九州辺りのガス需要ならば十分満たせるようにも思うが?
中国は、尖閣諸島が中国領であるのはもちろん、沖縄トラフまでを中国のEEZと主張し、東支那海上空にはADIZ(防空識別圏)を設けて、ADIZ内で中国軍の指示に従わないものには必要な防御的緊急処置を取る(三、位于东海防空识别区飞行的航空器,应当服从东海防空识别区管理机构或其授权单位的指令。对不配合识别或者拒不服从指令的航空器,中国武装力量将采取防御性紧急处置措施。)としている。
過去には東支那海で日本の護衛艦に対して中国軍艦が射撃レーダーを照射したり、艦載ヘリを護衛艦に異常接近飛行させるようなことも行っている。
中国は日本にとって最大の貿易相手国であろう。
中国の主張するEEZ海域内で日本が試掘なりを行った場合には、相当強い中国の反発が予想され、日中関係が悪化して経済問題と安全保障上の問題惹起が明らかに予想される以上、過去にもそれは出来かねたし、今後も出来ないのであろう。
東支那海はその名のとおり、中国の海と事実上なりつつあるのが現実の姿だろうか。
正義とか毅然とした主張とかは、徒に経済的損失と安全保障上の緊張を招くだけで何の得にもならない、と言うのも一理だろうが、やはり、おかしな事はそれはおかしいと指摘したり、行動が出来なければ、日本人の精神は更に病んでゆき、長期的には目先の利益よりも遥かに大きなものを国家として失っていくように思うのだが。
業界紙には最近12箇所に増えたという中国ガス田開発状況が出ているようである。
漢字の解る所は書き加えた。
☆
東支那海の日中中間線附近には海底天燃ガス採掘用のリグを中国は多数設置しているわけだが、南支那海のリーフ埋め立てみたいに此処に滑走路を作る事は難しいとしても、今後このプラットフォームに警戒レーダーなどを設置して軍事利用化する可能性は十分考えられよう。
◆◆◆引用NHK
防衛相 「中国 ガス田を安保目的で利用の可能性」
尤も、日本は試探掘井一本掘っていないので、もっぱら中国側の話であるが。
東支那海の石油や天然ガスの埋蔵量については、平成18年4月24日の第164回国会行政監視委員会で、参考人として呼ばれた資源エネルギー庁次長の細野哲弘氏の答弁が日本での”公開資料”の最新情報であるようである。
「お答え申し上げます。
今お尋ねの尖閣諸島付近の石油あるいはガスの埋蔵量でございます。
この付近を含みます東シナ海につきましては、結論から申し上げますと、今先生御指摘のとおり、相当量の石油天然ガスが賦存している可能性が高いものと我々も認識をしております。
今お話がありましたように、実際掘ってみないと分からないというところは事の性格上あるわけでございますけれども、平成六年に石油審議会の開発部会というところで、技術委員会で検討いたしました。そこの技術専門委員会でのあくまでの推定でございますけれども、その結果、東シナ海の中間線、日本側及び沖縄周辺海域における石油あるいは天然ガスの埋蔵量あるいは賦存資源量というものは石油換算いたしまして約五億キロリットルぐらいあるんじゃなかろうかと、そういうような推定が出ております。」
高級官僚の立派に長い答弁であるが、要は「中間線より日本側にある資源は天然ガスも石油換算して、推定で計5億kl程度の埋蔵量です」ということのようだ。
天然ガスと石油の内訳もないので、これではいま一つよく解らない。
EIA(US Energy Information Administration)の資料などを眺めると、中国は、東支那海全域の資源埋蔵量は、石油が「70~160 Billion Barels」、天然ガスが「250 Tcf(Trillion Cubic Feet)」に達する可能性があると言っているようであるが、EIAの推定では、石油は「200 Million Barels」程度、天然ガスは「1~2 Tcf、これを相当上回る存在可能性有り」としている。
EIAによると、東支那海の海底油田は2億バーレル程度の埋蔵量であるから、近年微減している日本の年間原油輸入量12億バーレル強に比べても、まあ大したものではない。
日中中間線に沿って12基ほど開設されている中国の採取リグも、石油採取用は平湖(Pinghu)のリグが石油・天然ガス兼用なだけで、残りは全て天然ガス採取用のようである。
1980年代に開発が開始されたという平湖の石油産出量は、EIAによれば1990年代末の日量8千~1万バーレル程がピークだったようで、近年は日量400バーレル程に落ち着いているというから、”おいしいところはもう取り尽した”というところだろうか。
採取した石油と天然ガスの平湖から中国本土への移送用に、石油パイプラインが寧波に、天然ガスのパイプラインが上海に、と設置されている。
最近英系企業と合弁で開発中の、台湾北部海域の「LS36-1(Vicky-1)」から中国本土温州(Wenzhou)に天然ガス・パイプラインが設置されているというが、他には海底パイプラインの設置というのは見当たらないので、東支那海中央部で採取した天然ガスというのは、平湖経由で上海に移送しているものなのであろう。
この平湖から中国本土へのパイプライン開設には、アジア開発銀行や国際協力銀行を通じて1億2千万ドル余の日本の資金の融資があったというのが面白い。(注)
東支那海の主たる天然資源である天然ガスだが、EIAによれば2 Tcf以上であるから、少なくとも566億㎥の埋蔵量はあり、沖縄トラフ域に更に相当大規模な埋蔵量が存在する可能性があるという。
沖縄トラフとは沖縄西方の深度1,000mほどの海底の溝(最深部2,716m)だが、最近の海底資源掘削技術は水深2~3,000mでも採取可能になっているといい、可採埋蔵量などで採算が取れるようであれば、採取するのに技術的問題はないようである。
俺も穴を掘るのは嫌いでないのだが、それにしても海中千mとか2千とか3千mまで掘削し、垂直坑ばかりか横にもパイプを延ばして石油や天然ガスを採取するという最近の掘削技術の進歩には驚くばかりである。(参考pdf)
中国筋公表値で主なガス田の確認埋蔵量は、春暁(Chunxiao)735Bcf、天外天(Tianwaitian)444Bcf、残雪(Canue)450Bcf、断橋(Duanqiao)75Bcfと言った数字がみえる。(参考pdf)
巨大なエネルギー消費国となった中国は勿論、日本でも石油と違って天然ガスの需要は年々伸びているといい、沖縄トラフの天然ガス田でも開発すれば、日本全土は無理としても、沖縄と九州辺りのガス需要ならば十分満たせるようにも思うが?
中国は、尖閣諸島が中国領であるのはもちろん、沖縄トラフまでを中国のEEZと主張し、東支那海上空にはADIZ(防空識別圏)を設けて、ADIZ内で中国軍の指示に従わないものには必要な防御的緊急処置を取る(三、位于东海防空识别区飞行的航空器,应当服从东海防空识别区管理机构或其授权单位的指令。对不配合识别或者拒不服从指令的航空器,中国武装力量将采取防御性紧急处置措施。)としている。
過去には東支那海で日本の護衛艦に対して中国軍艦が射撃レーダーを照射したり、艦載ヘリを護衛艦に異常接近飛行させるようなことも行っている。
中国は日本にとって最大の貿易相手国であろう。
中国の主張するEEZ海域内で日本が試掘なりを行った場合には、相当強い中国の反発が予想され、日中関係が悪化して経済問題と安全保障上の問題惹起が明らかに予想される以上、過去にもそれは出来かねたし、今後も出来ないのであろう。
東支那海はその名のとおり、中国の海と事実上なりつつあるのが現実の姿だろうか。
正義とか毅然とした主張とかは、徒に経済的損失と安全保障上の緊張を招くだけで何の得にもならない、と言うのも一理だろうが、やはり、おかしな事はそれはおかしいと指摘したり、行動が出来なければ、日本人の精神は更に病んでゆき、長期的には目先の利益よりも遥かに大きなものを国家として失っていくように思うのだが。
業界紙には最近12箇所に増えたという中国ガス田開発状況が出ているようである。
漢字の解る所は書き加えた。
☆
東支那海の日中中間線附近には海底天燃ガス採掘用のリグを中国は多数設置しているわけだが、南支那海のリーフ埋め立てみたいに此処に滑走路を作る事は難しいとしても、今後このプラットフォームに警戒レーダーなどを設置して軍事利用化する可能性は十分考えられよう。
◆◆◆引用NHK
防衛相 「中国 ガス田を安保目的で利用の可能性」
7月10日 15時52分
中谷防衛大臣は、安全保障関連法案を審議する衆議院の特別委員会で、中国が東シナ海で新たなガス田の開発を進めていることに関連して、中国がガス田の施設を安全保障目的で利用する可能性もあるという認識を示しました。
この中で中谷防衛大臣は、中国がおととし以降、東シナ海の日中中間線の中国側で新たなガス田の開発を進めていることに関連して、「中国が設定した『防空識別区』には、地上レーダーが届かない区域があり、プラットホームのレーダー配備により地上レーダーの補完が可能となる。ヘリパッドとして活用して空中偵察などのために、ヘリコプターや無人機の展開拠点として利用する可能性もある」と述べました。
そのうえで中谷大臣は、「中国が安全保障面での利用を進めた場合、東シナ海における中国の警戒監視能力などが向上し、自衛隊の活動などが従来よりも把握される可能性がある」と述べました。また、安倍総理大臣は、「新たなプラットホームの建設を含めて、一方的な開発を進めていることに対し、中国側に繰り返し強く抗議している。外交上の努力を展開し、情報の収集などに努めながら、大きな安全保障環境の変化に対応すべく、しっかりと切れ目のない対応を可能にしていくことも必要だ」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150710/k10010146271000.html
◆◆◆
中国は「東海防空識別区」と称する東支那海上空の中国ADIZ(防空識別圏)を2013年11月より設定したわけだが、中国大陸東岸に配備してある対空警戒レーダー網では、中国ADIZ全域はカバーし切れないようである。
中国の対空警戒レーダーの捜索範囲は320km程度であるといわれ(注)、とくに低空域を飛行するような目標を遠距離で探知するのは困難であろう。
地上レーダーでカバーし切れない空域の警戒は、AWACS(早期警戒機)や海上艦艇のレーダーに頼るほかないわけだが、東支那海の中央部に位置するガス田プラットフォームに警戒レーダーを設置すれば中国ADIZの全域を効果的に常時警戒監視することが可能となろう。
中国の対空警戒レーダー・サイト網。
「China's Air Defense Identification System: The Role of PLA Air Surveillance」
グーグルアースで眺めた中国軍レーダーサイト。
同上別の場所のレーダーサイト。なかなか近代的装備のようである。
空自のほうは、宮古島、久米島、沖永良部島そして沖縄の与座岳にレーダー・サイトがあるようだが、どこの国のも見た目は似たようなもののようだ。
大陸のレーダーサイトの捜索範囲を描いてみると赤円程度であるが、ガス田プラットフォーム数箇所に警戒レーダーを設置すれば(緑円)、沖縄を含め東支那海全域に極めて有効な警戒監視態勢を敷く事が出来よう。
プラットフォームからの、ヘリやRPV無人機の運用も十分可能であろう。
中国は「遼寧」に続く、国産空母1号艦を大連で建造中であるが、空母を複数保有するようになれば、その母港も大連、青島地区の北海艦隊区ばかりでなく、南海艦隊区の海南島辺りにも開設するであろうが、空母のような大型艦の造修施設というのは、大連や精々上海辺りに限られており、これら造修施設は移設や新設ということは容易には出来ない。
これから先、中国が空母勢力を増強・維持してゆくには、大連や上海正面の東支那海の安全保障を確保することが欠かせない重要な要素となってこよう。
現代の軍用機の速力や航続力よりすれば中国大陸とは指呼の距離の沖縄に、強力な航空打撃力を持つ米空軍や、機動展開能力が高く比類ない突破衝力を有する米海兵隊が展開しているのは、中国にとって悪夢でしかあるまい。
沖縄が日本から独立して、米軍を排除し、新生琉球国が日米軍への警戒心を中国と共有して、琉球列島に警戒レーダー等の警戒監視機能を設置し、日米艦艇や航空機の東支那海への侵入を平時から管理し、有事にはこれを阻止できる体制が望ましいだろうが、沖縄独立工作が奏功するには今しばらく時間が要るとなれば、東支那海中央部の洋上プラットフォームの軍事転用には、必然性が生じることとなるだろうか。
そのうえで中谷大臣は、「中国が安全保障面での利用を進めた場合、東シナ海における中国の警戒監視能力などが向上し、自衛隊の活動などが従来よりも把握される可能性がある」と述べました。また、安倍総理大臣は、「新たなプラットホームの建設を含めて、一方的な開発を進めていることに対し、中国側に繰り返し強く抗議している。外交上の努力を展開し、情報の収集などに努めながら、大きな安全保障環境の変化に対応すべく、しっかりと切れ目のない対応を可能にしていくことも必要だ」と述べました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150710/k10010146271000.html
◆◆◆
中国は「東海防空識別区」と称する東支那海上空の中国ADIZ(防空識別圏)を2013年11月より設定したわけだが、中国大陸東岸に配備してある対空警戒レーダー網では、中国ADIZ全域はカバーし切れないようである。
中国の対空警戒レーダーの捜索範囲は320km程度であるといわれ(注)、とくに低空域を飛行するような目標を遠距離で探知するのは困難であろう。
地上レーダーでカバーし切れない空域の警戒は、AWACS(早期警戒機)や海上艦艇のレーダーに頼るほかないわけだが、東支那海の中央部に位置するガス田プラットフォームに警戒レーダーを設置すれば中国ADIZの全域を効果的に常時警戒監視することが可能となろう。
中国の対空警戒レーダー・サイト網。
「China's Air Defense Identification System: The Role of PLA Air Surveillance」
グーグルアースで眺めた中国軍レーダーサイト。
同上別の場所のレーダーサイト。なかなか近代的装備のようである。
空自のほうは、宮古島、久米島、沖永良部島そして沖縄の与座岳にレーダー・サイトがあるようだが、どこの国のも見た目は似たようなもののようだ。
大陸のレーダーサイトの捜索範囲を描いてみると赤円程度であるが、ガス田プラットフォーム数箇所に警戒レーダーを設置すれば(緑円)、沖縄を含め東支那海全域に極めて有効な警戒監視態勢を敷く事が出来よう。
プラットフォームからの、ヘリやRPV無人機の運用も十分可能であろう。
中国は「遼寧」に続く、国産空母1号艦を大連で建造中であるが、空母を複数保有するようになれば、その母港も大連、青島地区の北海艦隊区ばかりでなく、南海艦隊区の海南島辺りにも開設するであろうが、空母のような大型艦の造修施設というのは、大連や精々上海辺りに限られており、これら造修施設は移設や新設ということは容易には出来ない。
これから先、中国が空母勢力を増強・維持してゆくには、大連や上海正面の東支那海の安全保障を確保することが欠かせない重要な要素となってこよう。
現代の軍用機の速力や航続力よりすれば中国大陸とは指呼の距離の沖縄に、強力な航空打撃力を持つ米空軍や、機動展開能力が高く比類ない突破衝力を有する米海兵隊が展開しているのは、中国にとって悪夢でしかあるまい。
沖縄が日本から独立して、米軍を排除し、新生琉球国が日米軍への警戒心を中国と共有して、琉球列島に警戒レーダー等の警戒監視機能を設置し、日米艦艇や航空機の東支那海への侵入を平時から管理し、有事にはこれを阻止できる体制が望ましいだろうが、沖縄独立工作が奏功するには今しばらく時間が要るとなれば、東支那海中央部の洋上プラットフォームの軍事転用には、必然性が生じることとなるだろうか。