今年はなにか良いことありそうな。
なにやら恋の予感!
正月ということで飲んでいた日本酒「八重垣」というのは、兵庫は姫路の造り酒屋なのだという。(八重垣酒造)
創業は寛文六年とあるから、なんと寛文七年の前年であり、午(うま)年である。
あの年の冬も寒かった!
”赤穂浪士の陣太鼓”で知られる山鹿流軍学の山鹿素行が赤穂藩に下り藩士に兵法伝授を始めた年であり、大石らが吉良邸に討ち入るのは三十六年ほど先のことであるから、随分と古い酒蔵である。
「八重垣」という酒の名の由来は古歌にちなむと言うから、古事記にある日本最古の和歌とか謂うスナノーノミコト(速須佐之男命)の、
「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」
という歌からとったものなのだろう。
ちなみに古事記の原文というのは万葉仮名で、
「夜久毛多都 伊豆毛夜幣賀岐 都麻碁微爾 夜幣賀岐都久流 曾能夜幣賀岐袁」
というから、もう何が何やら。(参考:古事記を学ぶ・・・三日やったらやめられません)
「須佐之男命」という神様は、「身一有八頭八尾」の巨大な蛇の化け物「ヤマタノオロチ(八俣の大蛇)」を見事退治して、オロチに危うく従軍慰安婦にされるところだった娘を助け、これを妻とするわけだが、オロチ退治に当たってはなんせ相手は巨大でヘビー級であるから正面から当たったのでは「池乃めだか命」になってしまう。 そこで一計を案じ、八重垣大吟醸を宅急便で取り寄せ、これをなみなみと注いだ樽を八個用意し「本日三千円で飲み放題」の幟を立てた。
相手は所詮は酒にだらしのない蟒蛇であるから、しこたま飲んで飲み潰れたところを退治した。
と、古事記の原文からは読めるだろうか。
八重垣酒造のサイトに何故か軽量飛行機の写真が出ているのが目についたが、過去に飛行機を試作しているという。
Photo:八重垣酒造サイトより
地上滑走試験中に浮揚して事故を生じたりもしていたようだが、飛行には成功した?とか。
それも3機ほど其々型式の異なるものを試作しているようで、コンポジット材の機体?もあるような?
姫路科学館にこの1機は展示されているようだ。
ホンダが飛行機を作ったわけだが、自動車屋であれば「乗り降りがし易く居住性も良く故障もしない」とかクルマ屋らしいセールス・ポイントもあるだろうが、酒造屋なら「飲んでも操縦がし易い飛行機」だろうか?
今は飛行機開発は中断したようだが、そのうち再興して「ヤエガキ・ジェット」でも作ったらよいだろうか。
なかなかユニークな酒蔵のようであるから、八重垣酒を愛でて俺も歌を献上
「八重垣の 八重垣つくる 八重垣に 美酒もて待ちぬ 君ぞ住まわん」
しかし俺が詠むと、な~んだか不倫っぽいイメージになるのは考え過ぎだろうか。
ついでに初雪も一句、
「初雪や 湯気も立つなり 犬うんこ」
厳しい冬の寒さのさ中でも、そこまで来ている春がもう匂うようである。