Bandoalphaのらく書き帳

故郷離れてはるばる千里、ひとつ山越しゃ他國の星がぁ・・・昭和の終末高齢者! 思い付いた時に思いついた事などのテキト~なメモ書きらく書き帳ですぅ。 桧野俊弘 ご意見メールは:Bandoalpha@msn.com

2016年02月

光明星4号衛星

YoutubeのKCTV(北朝鮮中央TV)に出ていた今回の「光明星4号地球観測衛星」だが、見た目は前回2012年4月/12月の「光明星3号1号機/2号機」とほぼ同じで、同じサイズのもののようである。
NKsate4
ソーラーパドルの展開の様子など興味深い。前回の光明星3号2号機はパドルは展開しなかったと聞くが、今回はどうだったのか?送信が全く無いところをみるとやはりソーラーパドルは展開しなかった可能性が高いだろうか。(Youtube-KCTV)

発射体も前回の「銀河ー3」と今回の「光明星」ロケットは同じものである。前回から3年以上も経過しているのでマイナーなところは種々改良はされているのだろうが、基本的には同一である。
同じシステム構成で同じことをやり、同じように失敗している。北朝鮮にとって衛星の制御技術というのはハードルが高いもののようである。

初歩的な衛星の制御も出来ないとなると、長射程弾道ミサイルの弾頭を大気圏に再突入させて相手の目標に正確に投射するという弾頭制御技術も難しいであろう。

飛ばすほうは各段の切り離しもほぼ順調で、ペイロードを地球周回軌道に打ち上げているので前回2012年12月に続いて成功であるから、「翔ばす技術は確立された」というところだろうか。

NKr01
韓国に回収された1段目と2段目の接合部と1段目エンジン?部品。
接合部に6基設置されているアクセレーション・ロケットモーターのうちの4基が見える。いずれも作動痕跡があるようで正常に作動したのであろう。1段目切り離し時に1段目中央部の4基の逆推力ブレーキ・モーターと併せ作動してスムースな切り離しシークェンスを可能としている。
Separation
2012年12月の「銀河3号」の韓国国防省解析レポートより。(

NADA
北朝鮮の「国家宇宙開発局」の英語名略号は「NADA」のようである。
米帝国主義者の敵性語は使わないのかと思ったがそうでもないようだ。
「NIDA」や「MIDA」ではなく、「NADA」。

それにしても、金正日時代には核兵器開発を取引材料として食糧やエネルギー支援をむしり取る「瀬戸際外交」の姿勢が見えていたものだが、3代目の若旦那は核実験や”宇宙開発”を取引材料に国連制裁解除や食料・エネルギー支援を勝ち取りたいのか?或いは核兵器装備そのものが目的にも見えて、意図がよく解らない。

北朝鮮のような小国が米本土を射程にするICBM戦略ロケット軍やSLBM潜水艦隊などの核戦力を開発、整備維持し、傍ら衛星打ち上げの宇宙開発も行っていくというのは、それが小規模のものであれ弱小な国家資源の大きな浪費であり、国力を超えていよう。
平壤を一歩出てしまえば道路は土であり橋も朽ちかけた木橋だったりのようで、社会インフラの整備は急務だろうし、人民軍の装備も半世紀前のものを使うのは限界だろうから、通常兵器の装備更新も急務であろう。
3代目若旦那の戦略方針はどうもバランスを欠いているような。

疑問を感じたりご注進に及んだりした人民軍高官もいたのだろうが、それらは処刑されたということか。
居並ぶ軍幹部の眼前での公開処刑で組織のタガを締める手腕だけは秀逸なようだ。それも高射機関砲を用いて粉砕するような冷酷残忍なやり方というのは血筋なのだろう。




光明星4号機能せず

いったん不安定な回転が止まり安定したとの報道があった「光明星4号」だが、国防省高官によれば再び不安定な回転状態に陥っているという。(

高度400~500㎞の低高度周回衛星であるから米軍や政府機関の観測が誤ることもないであろう。

勿論衛星からの送信といったものも傍受されていない。

打ち上げ後既に数日を経過しており、朝鮮半島域上空をもう何度も周回しているので交信可能状態であれば”共和国の国家宇宙開発局スペースセンター・コントロールルーム”との交信がされるだろうし、これほど何日も送信開始までの時間差バッファーを設ける意味も考えられまい。

”地球観測衛星”が不安定な回転状態では地球の観測は出来ないし、データなどを送信することも無理である。

光明星4号は地球周回軌道には乗ったものの、衛星として機能しておらず失敗だったということになろう。

2012年12月の「光明星3号2号機」の状況とほぼ同じ状態である。 「銀河3号/光明星ロケット」は100㎏+程度の衛星を地球周回軌道に投射するに十分な推力があることは確認されたので、北朝鮮はロケット推力系は良いとして、制御系はどうも弱いというところか。

Kwangmyongsong31
これは2012年4月の「光明星3号(1号機)」衛星の記者団への説明会のもの。4月の打ち上げは発射直後に爆発、失敗し、同年12月に2号機を発射し、衛星として機能はしないものの地球周回軌道投入には成功している。
今回の「光明星4号」については写真なども公表されていない?ような。韓国情報では光明星4号は3号の倍の200㎏ほどの重量とかいうが?
それにしても、これから国会にデモにでも行くわけでないのだから、肩掛けの「拡声器」というのは何とかならんのかな。



KCTV放送の、今回の「光明星ロケット」による「光明星4号地球観測衛星」打ち上げの映像。
昨年大型化されたという発射台タワーの様子や、1段目と接続カウリング切り離しの様子など興味深い映像。衛星本体の映像は出ていない。そのうち写真でも出すのだろうか?
スペースコントロールセンターの職員達も科学者白衣ではなく青い制服が出来たようだ。軍服みたいであり朝鮮人民軍宇宙軍?なのか国家宇宙開発局?なのか?

これからもロケット打ち上げはドンドンやるというから朝鮮人民の宇宙開発への猛烈驀進はもう誰も止めることはできない。
火星に立つ初めての人類は、朝鮮人!!

光明星4号安定す

地球周回軌道に入った直後には2012年12月打ち上げの「光明星3号2号機」と同様、「光明星4号」もクルクルと不安定な回転をしながら地球を周回していたものが、現在は安定したのだという。(

衛星の姿勢制御機能が働いたわけだろうから前回より進歩したことになるが、ただ交信は未だ無いという。 もう3日目であるから光明星4号が計画どおり太陽電池パネル等を展開出来、機器が正常であれば送受信は既にあって然るべきだろうが? 米軍は特殊情報収集機等を展開し24時間監視しているのでどんな電波でも見逃すことはあるまいし。

北朝鮮の報道も前例のように「金将軍の歌を送信してきたニダ」等というのは今回未だ聞かないようだが?

長距離弾道ミサイルの技術開発が目的なので衛星の機能には関心は無いとゆうことも考えられようが、”我が共和国の衛星が宇宙から送信した金将軍の歌”とかを巷に流せば人民同志の士気は大いに挙がるだろうし、”不当な制裁の陰謀を逞しくする米帝国主義者や日帝”など共和国に違反する国連の国々にも技術的勝利を宣伝出来るだろうから、一定の衛星の機能は考えているであろう。

”地球観測衛星”と称する「光明星4号」の成否はあと暫らくの様子見。

ロケット本体である「光明星」は、外見は前回使用の「銀河3号」と同じロケットである。
今回1段目ロケットは270あまりに分裂して黄海に落下したというから、切り離し後に爆破処分したものであろう。
前回2012年12月発射の銀河3号の1段目は酸化剤タンク部位が海上に浮いているところを韓国に回収され、海底にあったエンジン部なども韓国が引揚げ回収し解析している。 
タンクは意外にも近代的なアルミ合金(AlMg6)製で薄板軽量構造、但し工作は粗末。腐食性や毒性が強いので現在では使用されない赤煙硝酸等燃料/酸化剤の組成。エンジンはスカッドのエンジンの拡大型であるノドンのエンジンを4基束ねたクラスターエンジン。飛翔制御はノドンやスカッドのように単純なジェットベーンと考えられていたものが、+/-36度のジンバルの小型ロケット4基によるもの。電気部品やセンサー類など中国はじめ数か国の商用部品が使用されていた等興味深い事実が明らかになっている。(
 今度もまた韓国に回収されて、笑われたり感心されたりするのを嫌って今回は爆破処分したものなのだろう。 ただ黄海は平均水深44mと浅いので四散した部位を引揚げ回収し一定の解析をすることは可能だろう。

今回フェアリング部は既に回収されたようだが、フェアリングや1段目はもういいとして2段目ロケットの回収・解析が出来ないものかと思うが、フィリッピン沖ではちと無理だろうか。

光明星4号

大気圏外に投射され地球周回軌道に入った物体は2個で、「NORAD ID 41332」と同じく「41333」で「41332」が「光明星4号」と称する衛星で、ID「41333」は3段目ロケットだという。

現時点では「光明星4号」はこんな感じで地球を周回している。(N2YO.com
NORAD ID: 41332
Int'l Code: 2016-009A
Perigee: 472.6 km
Apogee: 508.7 km
Inclination: 97.5 °
Period: 94.3 minutes
Semi major axis: 6861 km
RCS: Unknown
Launch date: February 7, 2016
Source: North Korea (NKOR)
Launch site: Yunsong, DPRK (YUN)

北朝鮮の国家宇宙開発局の発表文では以下のように光明星4号の軌道や機能が示されているので、これが計画値なのであろう。

「The satellite is going round the polar orbit at 494.6 km perigee altitude and 500 km apogee altitude at the angle of inclination of 97.4 degrees. Its cycle is 94 minutes and 24 seconds.

Installed in Kwangmyongsong-4 are measuring apparatuses and telecommunications apparatuses needed for observing the earth.」

あとは衛星との交信が確認されれば打ち上げ成功となるわけだが、どうだろうか。
前回の「光明星3号2号機」は音信無しであったが。

前例だと「金将軍の歌」を衛星から送信してきたという報道がされるが、今回はそのような報道は未だ聞かないようであるが。




ロケット本体には「光明星」とペイントされており、「銀河3号」などと言う呼称は今回使わないようである。
ロケットの全長や構成などは前回の銀河3号と同じであるようで、燃料やエンジン、制御系など艤装面での改良がされているのであろう。
スペースセンターのコントロールルームも何とかしたようで近代化されているようである。

今度は衛星発射ニダ

日本時間2016年2月7日09時31分ころ、北朝鮮が”地球観測衛星の打ち上げ”と称する飛翔体の発射を強行したという。

北朝鮮は当初IMOへ発射予定は2月8日から25日の間の午前中として落下物危険水域を通知していたものを、2月6日付通知で発射予定を7日から14日に変更(危険水域は同一)、早速7日の日曜に発射している。(国土交通省資料

これまでも北朝鮮は「光明星○号」と称する人工衛星の発射実験を行っており、最新は2012年12月12日の「光明星3号の2号機」発射であるが、衛星軌道投入には成功したものの、衛星との交信は不能で姿勢制御も出来ぬ儘くるくるとtumblingして周回するだけの宇宙のゴミとなっている。

ちなみに「光明星3号の1号機」は報道陣などに公開していたものの、2012年4月13日の発射直後に爆発している。

光明星1号、2号も失敗しているが、北朝鮮では光明星3号1号機を除き他は全て完璧に成功したものとしており衛星は「金将軍の歌」などを地球に送信したというが、受信に成功したものは北朝鮮以外に存在しない。

NKsatellitesWSJ
北朝鮮によるこれまでの衛星発射。WSJ紙より。

今回の「光明星4号」の発射について、北朝鮮宇宙開発局の発表では、
2月7日午前9時(日本時間同9時半)、平安北道鉄山郡の西海衛星発射場から発射され、9時9分46秒に光明星4号を自らの軌道に正確に進入させた。

 4号は、97・4度の軌道傾斜角、近地点で高度494・6キロ、遠地点で500キロの極軌道を回っており、周期は94分24秒である。

 4号には、地球観測に必要な測定機材と通信機材が設置されている。
ものとしている。(朝日新聞ネット

衛星打ち上げに使用するロケットについては「銀河○号」と呼ばれていたので、通例通りであれば「銀河4号」となる理屈であるが、今のところロケットに関する映像や名称などは公表が無い。

今回通知された落下危険区域をみると、前回2012年12月の時とほぼ同じではあるが()、若干北よりになっている。飛翔パターンが若干異なるわけでロケットなども前回より改良されているものなのだろう。
NKFeb2016satArea
今回の北朝鮮による落下物危険通知海域。原資料は国土交通省情報。

今回の発射について日本政府の公表情報では、
「発射された飛翔体は、5つに分離し、1つは9時37分頃、朝鮮半島の西約150キロメートルの黄海上に落下したものと推定をされます。もう2つは、9時39分頃、朝鮮半島の南西約250キロメートルの東シナ海上に落下したものと推定されます。もう1つは、9時41分頃、沖縄県上空を通過し、9時45分頃、本邦の南約2,000キロメートルの太平洋上に落下したものと推定をされます。もう1つは、9時39分頃、沖縄県上空を通過し、南方向へ飛翔を継続をしました。」
としており、第1段ロケットと分離した2個のフェアリングは通知海域内に落下したものの、第2段ロケットはフィリッピン沖の300㎞X100㎞という北朝鮮の通知危険海域を外れてさらに南方に落下したという。(防衛相

何らかのトラブルが生じていたことになり、「光明星4号」と3段目ロケットの衛星部位は宇宙空間には達したようだが、予定軌道に投入出来たのか?衛星が機能するのか?は難しいところで、確認はNORADなどの今後の情報待ちになる。

北朝鮮のロケット技術は数十年前のソ連のロケットやロケット・エンジン技術の延長のものであり、信頼性などはそれほど高くない。

核兵器の開発は運搬手段である弾道ミサイルの開発とセットのものであるから、今回のような”地球観測衛星”発射実験などを通してロケットのエンジンや制御技術の向上を図っているものであろう。

NKspacectr
わが共和国の宇宙開発局スペースセンター、コントロールルーム。
LCDやマウスはどうも市販のもののようであり、コンソール・デスクやキャビネットはよく見ると「木」である。も少し何とかならんかな。

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