Halloweenが終わり早霜月に入り、季節はもう初冬である。
「あれをやらねば、これもやらなきゃ・・・まあその前にチョット一杯」などとやっていると月日の経つのが早い。
「光陰矢の如し」、「歳月人を待たず」とか。 この速さだと明日朝目が覚めたら俺は90歳!?
NATOは、冷戦終結後最大規模となる実動演習「Trident Juncture 2018」を10月25日より11月7日までノルウェーとその周辺空海域で行ったと言う。
NATO加盟の29か国と、中立政策をとるフィンランドとスウェーデンもNATO友好国として今回演習に参加しており、参加31か国による実動兵員5万、車両1万両、作戦航空機250機、艦艇65隻の大規模合同軍事演習となっている。
NATO加盟国や友好国に対する攻撃・侵略に対して、有効に機能する軍事防衛能力を持つことを実演してみせているわけだが、ヒマで他にすること無いからとか火星人の襲来を想定しているわけではないので、具体的な防衛対象というのはやはりロシアということになる。
軍事同盟を持たなかったウクライナのクリミア半島奪取や同国東部の”独立運動”で見せたロシアの軍事力行使は欧州諸国にとって決して「他人ごと」ではないのであろう。
ロシアは高高度迎撃能力を持つBuk地対空ミサイルをウクライナ東部に搬入し使用するにあたって該地域上空を横切る民間エアライナーの航空路への配慮を欠き、マレーシア航空機を誤射撃墜もしている。
極めて粗暴粗雑であり、かつての大韓航空機撃墜事件などを思い出すが、ソ連からロシアと国名は変わってもあの国の粗暴な体質というのはどうも変化ないような。
ソ連邦が崩壊後嘗てはワルシャワ条約機構国であったポーランドやチェコ、ルーマニアなどの東欧諸国が次々とNATOに加盟したが、ハンガリー動乱やプラハの春のチェコ動乱なども決して遠い昔話などでなく、ロシアと国名は変わってもあの国の体質は変わらないことをこれら東欧諸国は見抜いていたものだろうか。
非軍事同盟中立政策をとるスウェーデンとフィンランドが今回NATO軍事演習に参加しているのも興味深い。
中学の頃だったか、ポン友のG島がフィンランドの少女と文通をしていてその遠いスオミの国からの手紙を見せてもらったことがあったが、同封された金髪の不思議と文面の自国紹介でのあからさまな嫌ソ連感が印象に残っている。
スイスやスウェーデン、フィンランドなどの中立国は、いづれも国の規模に不釣り合いな強力な軍事力を保有しているわけだが、これら中立国は冷戦終結後かえってNATOへの接近傾向がみられようか。
自国のみで防衛対象の大国に対抗できる軍事力を整備維持すると言うのは、あまりに負担が大きく非効率であろうか。
今回演習のホスト国となったノルウェーはNATO発足時からのメンバーであるが、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークのスカンジナビア4国では他にデンマークがNATO加盟国である。
デンマークと聞くと「アンデルセンの童話の国」であり、お伽話の国として「非軍事同盟・非武装中立・戦争放棄・絶対平和主義」でやってもよさそうにも思えるが、現実には小国ながらも立派な陸海空軍を保有している。
自国が危急の時だけ「世界の皆さん助けてください!」というのはならぬ相談というのはよく認識しているのであろう、スカンジナビア4国は国連有志軍(ISAF)としてアフガニスタンでの対テロ戦争にも参加しており、いずれの国も少なからぬ戦死傷者を出しながらも任務を完遂している。
とくにデンマークは作戦中43名の戦死者を出したと言い、派遣規模/戦死比率は派遣各国軍中で最も高く、その勇猛奮戦ぶりは「さすがはバイキングの子孫!」とISAF内に知れ渡ったと言う。
☆
今回の演習参加のためノルウェーに展開した9機のスウェーデン空軍SAAB JAS39の1機。
Photo: Swedish Armed Forces
演習視察のノルウェー首相。ノルウェーはもうすっかり冬である。
洋上補給中のNATO艦艇。 補給艦はスペイン海軍のA15 Cantabriaであるが、日没後暗くなっての洋上補給というのは珍しいが、この季節日照時間が極めて短い海域であり「明るいうち」などという贅沢は言ってられないのであろう。
☆☆☆☆
アフガニスタンで作戦行動するノルウェー、フィンランド、デンマーク、スウェーデンの北欧各国軍。
国の規模に比べISAFへの派遣兵力は大きく(注1、注2)、国連による安全保障策への積極的参加ぶりが見て取れる。
日本は、国連での国際貢献活動でも「戦闘地域には派遣しない。」のだとか聞くが、「国連中心主義」ではあると言い、国連決議には手を上げて賛同し拠出金だけは人一倍出しているというから、「オレの命は地球より重い、危ないことはやらん。千円やるからオマイラ行って死んで来い。」ということになるか(苦笑)。
現実の世界はきれいごとでは済まないし、金銭だけでも解決はしない。
もし日本のような国が増えたなら、国連による安全保障措置というものは成り立たなくなってしまう。
「あれをやらねば、これもやらなきゃ・・・まあその前にチョット一杯」などとやっていると月日の経つのが早い。
「光陰矢の如し」、「歳月人を待たず」とか。 この速さだと明日朝目が覚めたら俺は90歳!?
NATOは、冷戦終結後最大規模となる実動演習「Trident Juncture 2018」を10月25日より11月7日までノルウェーとその周辺空海域で行ったと言う。
NATO加盟の29か国と、中立政策をとるフィンランドとスウェーデンもNATO友好国として今回演習に参加しており、参加31か国による実動兵員5万、車両1万両、作戦航空機250機、艦艇65隻の大規模合同軍事演習となっている。
NATO加盟国や友好国に対する攻撃・侵略に対して、有効に機能する軍事防衛能力を持つことを実演してみせているわけだが、ヒマで他にすること無いからとか火星人の襲来を想定しているわけではないので、具体的な防衛対象というのはやはりロシアということになる。
軍事同盟を持たなかったウクライナのクリミア半島奪取や同国東部の”独立運動”で見せたロシアの軍事力行使は欧州諸国にとって決して「他人ごと」ではないのであろう。
ロシアは高高度迎撃能力を持つBuk地対空ミサイルをウクライナ東部に搬入し使用するにあたって該地域上空を横切る民間エアライナーの航空路への配慮を欠き、マレーシア航空機を誤射撃墜もしている。
極めて粗暴粗雑であり、かつての大韓航空機撃墜事件などを思い出すが、ソ連からロシアと国名は変わってもあの国の粗暴な体質というのはどうも変化ないような。
ソ連邦が崩壊後嘗てはワルシャワ条約機構国であったポーランドやチェコ、ルーマニアなどの東欧諸国が次々とNATOに加盟したが、ハンガリー動乱やプラハの春のチェコ動乱なども決して遠い昔話などでなく、ロシアと国名は変わってもあの国の体質は変わらないことをこれら東欧諸国は見抜いていたものだろうか。
非軍事同盟中立政策をとるスウェーデンとフィンランドが今回NATO軍事演習に参加しているのも興味深い。
中学の頃だったか、ポン友のG島がフィンランドの少女と文通をしていてその遠いスオミの国からの手紙を見せてもらったことがあったが、同封された金髪の不思議と文面の自国紹介でのあからさまな嫌ソ連感が印象に残っている。
スイスやスウェーデン、フィンランドなどの中立国は、いづれも国の規模に不釣り合いな強力な軍事力を保有しているわけだが、これら中立国は冷戦終結後かえってNATOへの接近傾向がみられようか。
自国のみで防衛対象の大国に対抗できる軍事力を整備維持すると言うのは、あまりに負担が大きく非効率であろうか。
今回演習のホスト国となったノルウェーはNATO発足時からのメンバーであるが、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークのスカンジナビア4国では他にデンマークがNATO加盟国である。
デンマークと聞くと「アンデルセンの童話の国」であり、お伽話の国として「非軍事同盟・非武装中立・戦争放棄・絶対平和主義」でやってもよさそうにも思えるが、現実には小国ながらも立派な陸海空軍を保有している。
自国が危急の時だけ「世界の皆さん助けてください!」というのはならぬ相談というのはよく認識しているのであろう、スカンジナビア4国は国連有志軍(ISAF)としてアフガニスタンでの対テロ戦争にも参加しており、いずれの国も少なからぬ戦死傷者を出しながらも任務を完遂している。
とくにデンマークは作戦中43名の戦死者を出したと言い、派遣規模/戦死比率は派遣各国軍中で最も高く、その勇猛奮戦ぶりは「さすがはバイキングの子孫!」とISAF内に知れ渡ったと言う。
☆
今回の演習参加のためノルウェーに展開した9機のスウェーデン空軍SAAB JAS39の1機。
Photo: Swedish Armed Forces
演習視察のノルウェー首相。ノルウェーはもうすっかり冬である。
洋上補給中のNATO艦艇。 補給艦はスペイン海軍のA15 Cantabriaであるが、日没後暗くなっての洋上補給というのは珍しいが、この季節日照時間が極めて短い海域であり「明るいうち」などという贅沢は言ってられないのであろう。
☆☆☆☆
アフガニスタンで作戦行動するノルウェー、フィンランド、デンマーク、スウェーデンの北欧各国軍。
国の規模に比べISAFへの派遣兵力は大きく(注1、注2)、国連による安全保障策への積極的参加ぶりが見て取れる。
日本は、国連での国際貢献活動でも「戦闘地域には派遣しない。」のだとか聞くが、「国連中心主義」ではあると言い、国連決議には手を上げて賛同し拠出金だけは人一倍出しているというから、「オレの命は地球より重い、危ないことはやらん。千円やるからオマイラ行って死んで来い。」ということになるか(苦笑)。
現実の世界はきれいごとでは済まないし、金銭だけでも解決はしない。
もし日本のような国が増えたなら、国連による安全保障措置というものは成り立たなくなってしまう。