◆◆◆引用;朝日新聞ネット◆
田母神氏の関連3団体、使途不明金5500万円
2016年3月9日06時45分
元航空幕僚長・田母神俊雄氏(67)の資金管理団体をめぐる業務上横領事件で、同氏に関連する三つの政治団体で、計約5550万円が「使途不明金」になっていることが、政治資金収支報告書の記載で分かった。いずれも田母神氏が東京都知事選と衆院選に落選した2014年に計上されていた。東京地検特捜部は田母神氏や当時の会計責任者らから事情を聴くなどして、解明を進めている。
使途不明金が計上されているのは、資金管理団体「田母神としおの会」=約5050万円▽田母神氏が代表を務める「次世代の党衆議院東京都第十二支部」=約490万円▽田母神氏の選挙対策本部事務局長だった男性が代表の「太陽の党参議院全国比例第1支部」=約8万円。14年当時、同じ男性が会計責任者だった。田母神氏の代理人弁護士は「3団体の通帳は会計責任者が管理しており、会計責任者が現金を引き出して横領したとみている」と説明している。
一方、知事選の選挙対策本部長を務めた男性らは会計責任者のほか、田母神氏を含めて計3人に横領の疑いがあるとして東京地検に刑事告発した。告発者側の関係者によると、会計責任者は「田母神氏らから依頼され、政治団体の口座から毎週数十万円を引き出した。田母神氏らに渡し、一部は自分でも使った」「田母神氏のために高級スーツなどを買ったこともある」などと証言したといい、特捜部の調べにも同様の供述をしたとみられる。
田母神氏は8日の取材に対し、「私的に流用したことはありません。冤罪(えんざい)みたいなもの。戦わなきゃいけない」と容疑を否定。今夏の参院選に立候補する意向があったことを明かし、「いい国にしたいという思いはあるが、こうなってしまうと難しい。身の潔白がいつかわかる」と述べた。
http://www.asahi.com/articles/ASJ385J8PJ38UTIL03S.html
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◆◆◆引用;読売ネット◆
田母神氏、訴訟費用に流用か…任意で事情聴取2016年03月08日 07時25分
元航空幕僚長・田母神俊雄氏(67)の資金管理団体を巡る横領事件で、政治資金の一部が田母神氏の個人的な訴訟費用などに充てられていた疑いのあることが、関係者の話でわかった。
元会計責任者の男性は東京地検特捜部の事情聴取に対し、田母神氏らの私的流用を認める供述をしているという。
特捜部は7日、業務上横領容疑で東京都内の資金管理団体の事務所や田母神氏の自宅など関係先を一斉捜索し、田母神氏を任意で事情聴取した。今後、押収資料を分析し、資金の流れについて解明を進めるとみられる。
田母神氏は2014年1月、資金管理団体「東京を守り育てる都民の会(現・田母神としおの会)」を設立。翌月の都知事選に出馬したものの落選した。同会の資金に関し、田母神氏は15年2月、元会計責任者が少なくとも3000万円を着服し、生活費や遊興費に流用したなどと発表。14年分の政治資金収支報告書でも、元会計責任者の着服による「使途不明金」として約5054万円を計上した。
だが、関係者によると、資金の一部は、田母神氏の家族に絡む民事訴訟の弁護士費用や知人に贈った高級服の代金などに流用された疑いがあり、元会計責任者が都知事選で選対本部長を務めた番組制作会社の社長に対し、「田母神氏や選対事務局長の指示で、毎週のように資金管理団体の口座から現金を引き出して渡していた」と話していたことが判明。元会計責任者は、特捜部にも同様の供述をしているとみられる。
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160307-OYT1T50175.html
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田母神氏の政治団体「田母神としおの会」の収支報告書(平成26年分)は、総務省の政治資金収支報告書サイトで公開されている。
「田母神としおの会ー収支報告書ー平成26年分 pdf」
収支の数字が見れ、眺めてみるとなかなか興味深い。
同会の平成26年収入は、計132,657,960円とある。
同会の会員(59名)による党費又は会費収入は1,534,000円のみで、残りの1億3千112万円余は寄附金収入であり、寄附金が同会収入の99%を占めている。
5万円以上の寄附および金額に関わらず所得控除を受けようとする者の寄附については氏名などの一覧表が付いているが、これらは193名で計39,618,111円であり、残りの91,505,849円の寄附は5万円未満のいわゆる”その他大勢の小口の寄附”である。数千人に及ぶ寄附者があったものであろう。
所謂”ネトウヨ”などと呼ばれる自虐的な日本観の蔓延に辟易していた若い人等が都知事選などでは田母神氏を応援したといわれるが、相当な人数の一般の方々の小口の寄附金が主体であったことが数字からも見られよう。
支出であるが、人件費は1,340,000円と極めて少ない。事務所には数名いるようだが、パートやボランティア主体なのだろうか?同会の幹部も無給であろうか。
「政治活動費ー組織活動費 18,430,774円」の中身には「接待交際費」が見られるのだが、「接待交際費」の数字を拾ってみると計2,764,989円となる。
件数は105件であるから、平均すると一件あたり2万6千円程度の接待交際をしていたとなろうか。
接待交際の多い月は平成26年11月が21件、12月が14件、4月が13件、6月と7月が11件づつといったところか。
”必要不可欠”であるからこそ忙しい時間を割いて接待しているのであろうし、例えば石原慎太郎のような大物先生が来訪し懇談の時に、ココイチのカツカレーで夕食し自動販売機の缶ビールで”今日は有難うございました!”と乾杯して帰すとゆうわけにはいかないだろうし、時にそれなりの料亭などでの接待は必要としても、105件276万円というのは些か多すぎよう。
場所も銀座8丁目の「CELEBRATE」などと言うところも見え、上海出身とかゆうママの奏でるピアノを肴に美女と語らう紳士の社交場でとろけるのは結構なのだが、政治団体が一体何のために誰を接待していたものだろうか?
接待交際費の原資は、けっしてリッチではない若い人や女性などが数千円あるいは数万円と苦労して捻出した政治刷新への思いを託した寄附金であることを考えれば、受け容れられるものではあるまい。
「政治活動費」の内訳には「雑費」として処理計上しているものが目立つが、「雑費」の合計額は3,454,057円になる。
政治団体の収入や支出等を開示しその活動状況を明らかにするという政治団体収支報告書の趣旨からしても”雑費”処理が多すぎよう。
雑費支払先のなかには「支出を受けた者の住所」が「不明」とされる個人や法人が散見され、それらへの支払金額も決して小さいものではない。何なのだろうか?
「選挙関係費 42,156,203円」のうち、35,973,338円は「都内新聞折込料」として「合同会社 Jサポーターズ」と言う法人に支払われている。
新聞社なり折込チラシを作る印刷会社なりに直接支払うのでなく、「Jサポーターズ社」という中間者に取り纏め?を委託したようだが、この「合同会社Jサポーターズ」という法人は、「犬伏秀一」、「犬伏知子」が業務執行社員となって平成25年1月22日に資本金20万円で設立した法人だという。この「犬伏秀一」氏は「田母神としおの会」の「犬伏秀一」氏と同一人であるようだ。
街頭配布等だろうか他のチラシ製作費はデザイン会社や印刷会社に直接支払われているようであり、「都内新聞折込料」のみが「Jサポーターズ社」扱いとなっている。
選挙関係経費の主体である3千6百万円はいわば”仲間内で回した金の流れ”であり、実際に新聞社や印刷会社に支払われたのは幾らだったのか?Jサポーターズ社の取り分は?必要で正当な純粋の商取引であったのだろうか?
犬伏秀一氏というのは東京都大田区の区議会議員をされているようである。犬伏氏のブログに田母神氏の件についての若干の記述がみえる。
「さあ、これで地元に戻って政治活動だ、と年末の地元をまわっていると、自衛隊OBから電話があった。「田母神俊雄元航空幕僚長が都知事選に出るから手伝え」と。
え、え、え~???田母神元幕僚長とは、空自府中基地での行事で総隊司令官時代に名刺交換をしたことがあり、部下思いのお人柄には惹かれていた。お断りする理由もない。平成26年1月から、都知事選挙本部に詰めることになったが、この事が実は、私の選挙の足を引っ張ることになるとは思いもよらなかった。
選挙は60万票以上を得たが、落選。多くの良い知己を得た戦いだったが、なかには田母神氏に敵対する勢力も現れたのだ。そして、田母神氏を養護する私にも刃を向けてきたのだ。いまさら反論する気にもならない、事実無根の内容をネット上に拡散された。」
この方も憂国の国士のやうであるが、田母神氏の都知事選出馬に関わったおかげで、気の毒にも足を引っ張られてしまう被害を被ったと言う。
ネット上でも何か事実無根の誹謗中傷攻撃でもされたのだろうか?
反論する気も起きないとのことだが、饒舌なだけの反論などする必要はないが、向けられた疑問には公職に関わる者として社会に明確な説明をする責任はあるであろう。
比較すれば少額ではあるが、「ネット選挙対策費」、「政治活動協力費」としてそれぞれ50万と100万円の計150万円が「アルカディアジャパン(株)」という会社に支払われているが、金額のキリがよく何を依頼し何をした会社なのだろうか?
「政治活動費」のなかに「寄付金」9,151,289円の支出があり、うち「次世代の党衆議院東京都第十二支部」への76万円の”上納金”を除く8,391,289円は、「田母神俊雄」への「寄付」となっている。
寄附金収入を原資として他者へ寄附をするというのも面白いが、「田母神俊雄」氏へのいわば本人への8百万以上の「寄付」というのは一体なんなのだろうか?
備考に「東京都知事選挙運動費用」としているので、これは都知事選の収支報告書を見る必要がある。
同報告書は田母神氏本人の都知事選収支であるが、収入・支出共に8,391,289円の同額として報告している。
田母神氏の都知事選での総経費であるが、「田母神としおの会」としての選挙関係費が42,156,203円とあり、その内訳をみると、「その他の支出661,809円」というのは時期不明なのだが他はいずれも平成26年1月と2月の支出であるので、「田母神としおの会」の「選挙関係費」というのは、同会が確認団体として都知事選に支出した費用と考えられよう。
結局都知事選費用は計50,547,492円ということになるだろうか。
原資は全て寄附金であり、田母神氏本人の負担というのは無いようであるから、田母神氏の都知事選収支報告書は「収入・支出共にゼロ」か、或いは「収入:寄附金1憶3千万、支出:5千万」というところだろうか。
ちなみに時系列としては、「田母神としおの会」というのは都知事選当時には存在せず、当時在ったのは「東京を守り育てる都民の会」である。
少なくとも平成26年3月頃までは「東京を守り育てる都民の会」として募金活動などを行っていたようである。
「田母神としおの会」の発足はその後であろうが、両会のゆうちょ銀行の口座番号などは見ると両会共に同じなので、会の「名称変更」ということなのであろう。
田母神俊雄公式HPでは、「田母神としおの会」への寄附のゆうちょ銀行振込先口座が、「日本の心を大切にする党」の同行口座と同じ口座番号であるが、まさか振込先の小細工でもあるまいから、たんなる表示間違いと思われるので、通知申し上げておいた。-親切なぼく。
政治団体「田母神としおの会」収支報告書(平成26年)も、その期間が1月7日から12月31日となっているので、「東京を守り育てる都民の会」としての活動収支をも含めて報告したものと思われる。
「東京を守り育てる都民の会」の収支があり同会が終了しその残額を引き継いで「田母神としおの会」の収支が始まるのでなく、たんなる会の名称変更であり、収支の管理・記録は継続しているものということなのであろう。
ただ、寄附金収入の、「5万円以上および金額に関わらず所得控除を受けようとする寄附者」のリストを眺めると、寄附日時は平成26年1月2月ばかりで最近の寄附者は同2月8日である。その後「田母神としおの会」になってからは、「5万円以上および金額に関わらず寄附金の所得控除を受けようとする寄附者」は皆無だったことになってしまうのだが?
どうも収支報告をそのまま鵜呑みには出来ないところがあるようである。
3千万とか4千万とか説明されていた元会計責任者の鈴木某により使い込まれたとされる金額だが、「使途不明金」は結局50,542,268円と報告されている。
新しい政治への思いを託したであろう多数の人々の寄附金のうち、38.5%強の5千万円を超える金額が消えている。
多くの一般の方々からの浄財である寄附金によって成り立っていた「田母神としおの会」であるが、その資金の使途についてはやはり疑問が多い。
1億3千万を超える寄附金の”自由に使えるカネ”が集まったのであり、美味しく戴こうとばかりに”砂糖の塊に群がるアリ”もいたであろうが、つまるところは田母神氏本人の資質の問題になる。
空自のトップである元「航空幕僚長」ともあろう者がなさけない話である。
「こう食う幕僚長」であったか!