Bandoalphaのらく書き帳

おっさんのブツブツですぅ。 思い付いた時に思いついた事などのテキト~なメモ書きです。 Toshi Hino/桧野俊弘 Bandoalpha@msn.com                                                    

北朝鮮/朝鮮半島

米朝首脳会談第2回・・・雑感

 先日11日には雪が降ったが、これがこの冬最後のなごり雪なのであろう。

 今年の冬は2月から始まったようで居座る冬に桜(はな)の蕾もいささか戸惑っていたようだが、ここ数日よい陽気になり、はち切れんばかりの桜の蕾に名も知らぬ野草の青芽に北国の遅い春もここに来れり。

 昨年6月の新嘉坡セントーサ島での初の米朝トップ会談に続き、去る2月末日には越南ハノイに於いて2回目のトランプvs金会談が行われたわけだが。

 初回は、敵対し軍事的緊張状態にあった米朝のトップ同士が直接会って「殺戮と破壊の戦争」でなく「平和と繁栄」という同じ方向を目指していることをお互いに確認する、いわば「会談すること自体に意義があった」わけだが、2回目ともなれば非核化手順の具体的な話となるわけだが、合意出来ずもの別れとなっている。

 北朝鮮は「経済制裁を全面解除すれば、寧辺の核処理施設の解体に着手する」との主張だったという。(President Trump Press Conference Hanoi Summit

 国連安保理決議による北朝鮮への制裁措置の対象というのは「北朝鮮が開発保有する核兵器をはじめWMD全て」であり、寧辺の核処理施設のみが対象と言うことではない。 旧式な寧辺の核施設解体に着手するのと引き換えに全面的に経済制裁を解除することは米国ならずとも合意出来るところではあるまい。

 トランプが首脳会談を切り上げて説明記者会見を開き、早々とAIR FORCE ONEで帰国の途に就いた後の深夜になって北朝鮮が異例の記者会見を行い(Youtube)、「我々が全ての経済制裁解除を要求したとのトランプの説明は事実でない、要求したのは2016、17年の民生用の経済制裁のみである云々」と釈明していたが、北朝鮮が制裁解除の要求を今回見送ったと言う2015年以前の国連制裁決議というのは核弾道ミサイル関連をはじめとする「軍需用品の取引禁止」を主とするものであり、北が解除を求めた2016年以降の制裁こそ経済制裁であるからして、「北は経済制裁全ての解除を求めてきた」との表現は間違いではない。(UNSC決議録)

 深夜の北朝鮮緊急記者会見に中身は無く、想定外の会談結果であり癪に障るので何か言わないわけにいかなかったというだけのもの。

 トランプがホテルに戻り帰国準備していたところに北朝鮮崔善姫外務次官が「経済制裁解除は一部のみでもいい」との譲歩案を持ち込んで来たともいうが、いかにも小出し姑息であり一蹴されている。(CNN 3/6)

 「朝鮮人民軍元帥で朝鮮労働党委員長で朝鮮国務委員会委員長であるわが共和国の最高尊厳、敬愛する最高指導者金正恩同志」は、昨年6月の米朝首脳会談(注)でも、南韓文大統領との昨年4月(注)と9月の会談(注)においても「朝鮮半島の完全非核化」を言明合意しているわけであるから、なにもトランプとの会談を待つまでも無く保有核兵器の廃棄を粛々と実行すればよさそうなものだが、そうゆうことではないようである。

 今回の第2回米朝首脳会談において北朝鮮は一発の核弾道ミサイルの処置にすら言及していない。

 今回の首脳会談から解ることは、北朝鮮には保有する核兵器を放棄するという意思はみられず、核関連施設の枝葉末節な部分との引き換えに国際経済制裁の解除を最大限勝ち取ろうという、これまでの北朝鮮の外交姿勢の延長線上でしかないことである。

 「朝鮮半島の完全非核化」というのもなにも最高尊厳君が嘘を吐(こ)いているわけではなく、「将来のあるべき理想の姿」としてのことであり「わが共和国を取り巻く環境が最高尊厳にとって納得出来る状況になったならば、最後にわが共和国の核兵器を廃棄してやってもよい」ということなのであろう。

 それにしても、核兵器製造のためのウラン濃縮が問題となっていた以前ならいざ知らず、既に核弾頭を保有し多数の地下施設を有する現在において寧辺の核処理施設廃棄と引き換えに経済制裁の全面解除、少なくとも大幅解除を勝ち取れると考えていたというのは北朝鮮も随分と強気なことであった。

 朝日新聞ではないが、「追い詰められているトランプは今回譲歩するしかない」とばかりに情勢判断の大きな読み違えをしていたことになるが、交渉相手である米国・トランプ政権の情報収集には北朝鮮も精力を傾注してやっていることだろうが、如何せん経済破綻している小国でありその能力には限度があろう。 組織的に広範縦深に亘る資料を収集し分析理解し科学的に判断する能力には限界があり、どうしても過去の経験をベースとした「目の子と読みと勘」に頼る判断になり、更に「こうあらねばならぬ」という硬直した主観的思想がそれに加わる。 結果、相手の想定外の反応に直面し失敗することとなる。

 米側はトップ会談で金正恩がもう一歩踏み出すことを期待していたようだが、交渉条件には幅を持つ目標達成への柔軟な姿勢のリーダーシップというものも最高尊厳には覗えなかった。

 北朝鮮は昨年、「全人民が経済建設に総力を集中するという党の新たな戦略的路線の貫徹に立ち上がった」のだという。

 どん底状態にある経済の復興が共和国の焦眉の国家課題となっているのであろう。(DPR KOREA NEEDS AND PRIORITIES /UN Report 2019/3

 「朝鮮の最高指導者 金正恩元帥の革命活動」による工場、農場、漁港への現地指導により、元帥の行く先々では目標以上の驚くような経済成果が次々と達成されているわけであり共和国経済建設計画の大成功は勿論見えているわけであるが、それはそれとして、昨年は日本沿岸に漂着した北朝鮮遭難木造漁船が200隻を超えたという。 日本沿岸に漂着しない難破漁船も当然あるだろうし、1隻には10人前後が乗り込んでいるわけであるから、優に数千人の漁民が「漁労革命戦闘」に斃れたことであろうか。食糧増産のノルマの厳しさの程が思われようか。

 エネルギー源である石油製品が、東支那海辺りで国連軍の監視の目を盗んで瀬取りで細々入手しているようでは何ともならないので、国際経済制裁の解除を勝ち取ることが今回の米朝トップ会談の目的であったろう。 「勝算」があればこそ片道60時間以上をかけてベトナム・ハノイくんだりまで共和国最高尊厳がわざわざ出向いたわけであろう。

 朝鮮中央通信の発表では、2月23日午後わが共和国幹部の歓呼の声に送られて平壌駅から勇躍「長征」に発つ際には、「朝鮮労働党委員長で朝鮮国務委員会委員長であるわが党と国家、軍隊の最高指導者金正恩同志が、チュチェ108(2019)年2月27日から28日までベトナムのハノイ市で行われる第2回朝米首脳の対面と会談のために平壌を出発した。」(2月24日)としていたのだが、11日後の3月5日空しく平壌駅に帰朝した際には、「朝鮮労働党委員長で朝鮮国務委員会委員長である敬愛する最高指導者金正恩同志が、ベトナムに対する公式親善訪問を成功裏に終えて5日、祖国に到着した。」(3月5日)とのみで米朝首脳会談には一切触れておらず、今回の「長征」の目的が出発の前後ではすり替えられている。

 それにしても、平壌からハノイまでアジア大陸縦断往復8千キロの列車の旅というのも今どき珍しい。

 定年退職した公務員でもあるまいし、片道60時間以上も車窓の景色を眺めながら列車に揺られての11日間の暇は避けたかったろうが、共和国の自主性を維持して越南ハノイへ「長征」する手段はこれしかなかったろう。

 「今や堂々たる核保有国であり科学技術先進国であるわが共和国」であるから、飛行機が無いわけでなく金専用特別機としてはIl-62Mを2機保有している。

 Il-62は1967年に運航が開始されたソ連製の4発大型旅客機であり、Il-62が94機、改良型のIl-62Mが193機生産されたといい、1994か95年頃生産ラインが閉じらているという。(Wiki他i)

 北朝鮮のIl-62M金専用特別機は、1985年1月に受領したS/N2546624と1988年1月に受領したというS/N2850236の2機だという。

 これまで北朝鮮は5機のIl-62Mを導入しており、2機は現在高麗航空で運行されている。
 
 残る1機は1983年7月1日にアフリカ・ギニアで墜落事故を生じた高麗航空のIl-62M(1981年製造 登録記号P889)で、乗員6名乗客17名の全員が死亡している。 これはギニアから受注した外貨獲得の建設工事の関係者と資材を輸送する高麗航空のチャーター便であったという。 平壌発カブールとカイロに給油着陸の後目的地のギニアの山地にクラッシュしている。 事故原因は公表されていない。

 金専用特別機は「AIR FORCE UN」や「KIM FORCE ONE」などとネット上で揶揄されているが、昨年6月の新嘉坡サミット時にも北朝鮮のIl-62Mは金正恩を乗せてチャンギ国際空港に降りることが出来るや否や?と航空マニア達の話題となっていた。

 大分古い機体であるから直接飛行に関係しない部位の不具合は頻発していてもおかしくないし、重大故障の発生もあり得ようし、それに加えて北朝鮮の運行する国際線は北京、上海、瀋陽、ウラジオといった近距離であり洋上飛行を伴う長距離海外運航へのパイロットの経験が極端に少ない。

 結局新嘉坡サミットには中国が提供してくれたAIR CHINAの747-400(中国国際航空公司VIP仕様の登録記号B-2447)で往復している。

 Il-62M特別機とIl-76輸送機も新嘉坡チャンギ空港に降りていたので飛べないことはないわけだが、洋上飛行を伴う長距離運航では替りがいる随員たちは良いとしてかけがえのない共和国最高尊厳を乗せるほどの安全性は確保出来ないというところなのであろう。

 新嘉坡サミットに先立ち習近平と会うため5月に大連を訪れた際にはIl-62Mに搭乗しており、妹(金輿正)がオリンピック外交時ソウルを訪問した際にもIl-62M特別機が使われているので、共和国内や隣国の近辺であればIl-62M特別機でのVIP飛行も大丈夫なのであろう。

AirForceUn
大連を訪れたさいのIl-62M金専用特別機。コールサインは「Chammae-1」(大鷹1号)だったという。

kimforceone20182
金色塗装かと思いきや白を基調としたオシャレな塗装。
先代金正日は絶対飛行機には乗らなかったといい、金正恩時代の近年になって専用特別機に改装されたという。

KimIl62B

KimIl62C
内装には木材を多用しているようだが耐火性処理などキチンとされているのか?他人事ながら気になるところ。

 今回のハノイ・サミットではIl-76が最高尊厳の装甲リムジンと先遣親衛隊等を運んでいたが随員は列車で同行したのであろうIl-62M特別機は飛んでいない。



☆ここまで書いて夜も更けたので一旦休憩。 一杯やるに如かず。

瀬取り・・・何を受け取ったか

 「北朝鮮遭難船舶の人道主義的な救助作戦を行っていた。」ものと韓国政府はしているのだが、北朝鮮遭難船員の救助を行っていたと言うことが客観的に確認が出来ない。

 遭難した北朝鮮漁民3人と1人の遺体を、22日午前11時頃に板門店で北朝鮮側に引き渡した(中央日報12月22日)との一片の報道があるだけで、遭難漁船員やその後の遭難漁船はニュース写真一枚すら見当たらない。

 漁船の大きさに比し乗組み員が4人だったというのは少なすぎようし、衰弱した遭難漁民にしては20日午後3時過ぎの洋上救出で北朝鮮への帰還が22日午前というのも早過ぎよう。

 遭難した北朝鮮漁船というものも映像で見る限り長期間冬の日本海を漂流していた痕跡は覗えず、損傷のみられない健全な船体である。

 当該遭難漁船救助のため海軍の駆逐艦(DD971 広開土大王)を現場に派遣したとの韓国報道(朝鮮日報2018/12/22)なのだが、救助作業を実際に行っていたのは韓国コーストガード(韓国海洋警察庁)の巡視船(5001 参峰)であった。

 DD971は周辺を微速航行して警戒や護衛に当たっていたものと考えられるが、遭難北朝鮮漁船の単なる救助活動にしては不自然である。 巡視船(5001 参峰)には無い優れた対空対潜警戒能力を備えた駆逐艦(DD971 広開土大王)を派遣する理由があったのであろう。

 最近の軍用航空機には、敵の射撃用レーダー波や発射ミサイルを感知し警報を発するRWRやMWSとともに集積されたデータベースと照合して脅威が何であるかを具体的に判別し、チャフやフレアーを最適のタイミングで放出し、最適の回避動作をパイロットに知らせるシステム化された自動・半自動の自己防御装置が装備されている。 機密度が高い装備品であり米国も売却してくれないので、日本も国産開発を進めて来ている。 P-1哨戒機には三菱電機製のHLQ-4と称するものが搭載されているようである。 詳細情報は開示されるものでは無いが、「HLQ-4はレーダードームの左右横と機体後部左右に装備されたミサイル警報装置(MWS)やレーダー警報受信機(RWR)のセンサー情報を総合して脅威判定を行い防御手段および回避手段の提示等を自動的に行うものである。」(日本語Wiki)と説明されている。

 HLQ-4が、火星からの電波をひろって誤作動した可能性も理論的には有り得ようが、電波の受信解析でありあまり誤作動を生じるようなものでもない。

 韓国政府の、その場しのぎの脈絡のな無い釈明や問題そらしに躍起な姿勢というのも自ら傷を広げ信用を損なうだけだろうに、不可解である、

 今回の韓国海軍駆逐艦によるP-1へのFCレーダー照射の件は不自然な事ばかりであり、あってはならない見られてはいけない韓国政府による洋上での北朝鮮船への物品受け渡しのいわゆる「瀬取り」行為を隠蔽糊塗する目的であったことがどうしても疑われる。 
 
 北朝鮮船舶の「瀬取り」については先日も事案が現認(1月18日上海沖での北朝鮮タンカーの瀬取り:外務省ー事案の概要)されていたが、上海沖の東支那海のいわゆる「瀬取り銀座」などと呼ばれる海域での事例では支那大陸より出航してきたと思われる船籍不明船が北朝鮮タンカーへ石油製品を荷渡しする事例が殆どのようである。

 今回の北朝鮮船は小型木造イカ釣り漁船であるから、瀬取りするとしても石油製品というわけにはいかない。 小型木造漁船でも運べるモノということになる。

 人目につかない洋上で、北朝鮮漁船から韓国艦船へと秘密裏の人物往来ということも考えられようが、金英哲朝鮮労働党副委員長がホワイトハウスを訪問している時世であり、文韓国大統領の南北融和も同胞として前のめりで進んでいるのであるからそんな必要も無いことであろう。 あり得るのはやはりモノの受け渡しであろうか。

 元々貧弱なわが共和国経済であり国際経済制裁下にある北朝鮮であれば何でも欲しいだろうが、「われわれと心を一つにした南の同胞」(金正恩元帥の革命活動・金正恩委員長の新年の辞)から受け取れる最も欲しいモノとは、俺的貧乏人の発想ではやはり「もらってうれしい現金(ゲンナマ)」ということになる。

 鴨緑江を挟んだ中朝国境はオープンであるから、北朝鮮は少々工夫をすれば欧米からでも何処からでも大概のモノは輸入できるわけだが、経済制裁下で銀行等金融機関決済がほぼ不可能であるのでそれには米ドルや中国元などの外貨の正貨が必要となる。 元々が輸入超過の経済構造であるし外貨獲得のためには国家ぐるみの非合法手段まで行って来ているのであり、経済制裁が継続している今外貨には喉から手が出ていよう。

 近々2度目の米朝首脳会談が行われるといい、そのあと今年中には金委員長の訪韓での4度目?の南北首脳会談を文大統領は予期しているであろう。

 2000年だったか、「太陽政策」を掲げた金大中韓国大統領が平壌を訪問し金正日委員長と会見・握手していたことがあったが、この会見実現のために少なくとも4億5千万ドル以上が韓国より北朝鮮へ送金されていたと言われる。(Wiki他)

 南北融和にひどく前のめりな文大統領であり、金正恩の求めに応じて或いは自主的に外貨を北朝鮮へ供与することは有得よう。 今は送金は無理だろうからUS$や中国元などの外貨現金(ゲンナマ)での受け渡しとなる。

 昭和最大の未解決事件という「3億円事件」では現金入りの手持ちアルミケース3個だったというが、1億円というのは万札一万枚になるか。$100札で1万枚であれば百万ドル。米$100札というのは万札より一回り小さいし、アルミ現金ケースも3憶円入るのもあると言うしアルミケース以外でも容器は色々あるだろうし、木造小型漁船でも現金外貨であれば軽いし相当な量も積めることであろう。 数億ドル程度は楽に運べよう。

 目立ち易い大型艦船でなく小型船舶を使い北朝鮮小型漁船へとの考えもあるだろうが、途中で横に流れたり、渡したvs受け取っていない?!等の事故が生じた場合、公に捜査や訴追が出来ない性格の現金である。 海上の警察機関である韓国海洋警察庁の巡視船を使用するのは機密保持上も理に適っていようか。

 東支那海方面は日米はじめ最近は英豪加仏ニュージーランドまで加わって瀬取りの監視体制が厳しいだろうが、日本海方面であれば哨戒は基本的に日本のみであり比較的に対処がし易い。 北朝鮮のイカ釣り漁船が多数出漁しているから欺瞞隠密行動が容易である。 警戒のために対水上対空対潜能力の高い駆逐艦を派遣し万一日本自衛隊機や日本公船の接触を受けた場合には火器以外のあらゆる手段でこれを追い払う。 アメリカの諜報機関などが嗅ぎつけたとしても米朝首脳会談を控えているのでそう大きな問題にしないであろう。・・・やるなら今。

 そんなところだったろうか。

ROKDD971
ROKS DDH971 Gwanggaeto the Great(広開土大王)  -Wiki Photo-
 



 

協議を韓国側と続けていくことはもはや困難である

 昨年末に日本海で起きた韓国艦によるP-1へのFCレーダー照射の件は、防衛省として最終見解をまとめ本日公開している。 同見解は発生事実を良く開示して解り易く纏めてあり、好感がもてる。

 韓国との真相究明・再発防止の実務者協議については、事実とは全く異なる主張を繰り返す韓国側のこれまで姿勢や、当該FCレーダー波データ等を相互に開示して事実検証しようとの提案に対して「無礼だ」との韓国防部報道官発言まで発出されたことからして、「もはやこれ以上協議を継続しても真実の究明に資するとは考えられない」として、打ち切りを宣言している。

 これまでの韓国側の発表には整合性・合理性が覗えず’、「プロパガンダ」で押し切ろうというその姿勢には信頼はおけまい。 真面目に真実をお互い検証しようとの意思を持たない相手とこれ以上協議を続けても時間の無駄であり、税金の浪費なだけであるから、協議打ち切りは妥当な判断であろう。

 「友好国なのであり、まさかそんな事はすまい」という常識が通じないことが今回解ったのであり、何をやっても一方的な自己主張でドローに押し切れると韓国側が理解すれば、この先行動をエスカレートさせ、究極には日本の哨戒機などに対して危害攻撃を加えてくる事態を全く否定することは出来まい。

 日本の安全保障に直結する北東アジア地域の安定に寄与している海上哨戒活動を委縮させるようなことがあってはなるまいし、日々哨戒の任に就いている隊員の身命に関わることである。 外交上の取引材料にしたり、表面上の「韓日友好が第一」とばかりに態度を曖昧にして終わらせてはなるまい。

 日本は、FCレーダー照射に関して韓国に抗議をし、今後必要とあらば制裁措置を粛々と実行するというところだろうか。

 ところで、韓国艦船が「人道的救助」をしていたのだという「北朝鮮の遭難船」であるが、韓国の港に曳航したのであれば韓国内で何らかの報道もあるだろうが、その後何の報道も見られない。

 韓国防部が制作したビデオからは、木造漁船と思われる該北朝鮮「遭難船」に損傷は何ら覗えない。

 同部ビデオに映っていたシーンがどのような状況の場面だったのか不明だが、該北朝鮮船上に人影が全く見えないのも些か不可解である。

 映像が遭難船員の救助直前で、船員に死者も出て皆立てないほどに衰弱していたのであれば、20日夕に救助して病院搬入は同日深夜だろうし、「韓国政府は遭難北朝鮮船舶に関連し、20日に救助した北朝鮮船舶の3人の乗組員と1人の遺体を22日に板門店(パンムンジョム)を通じて北朝鮮に送還した。」(中央日報 2018年12月24日08時24分)というのはいかにも回復や事情聴取が早すぎよう。

 映像が遭難船員を全員救助収容後なのであれば、遭難船確保のために韓国コーストガードの保安官が乗船しているであろうが、そのような様子も覗えない。

 北朝鮮の遭難船上に人影が見えないというのは不可解であり、あるいは画像に映ってはならないような「船員」たちだったのであろうか?

 遭難した北朝鮮船舶乗員の人道的救助作戦との韓国側説明であるが、公表された映像やこれまでの韓国報道からわかることは、「北朝鮮木造漁船とみられる船舶と韓国コーストガード巡視船5001がなんらかの接触をし、その周囲を韓国海軍の駆逐艦DD971が警戒配備についていた」ということだけである。

 4空群のP-1は韓国DD971よりのFCレーダー照射を受けたのちは、現場から離隔し距離を取っているが、その後其の儘厚木へ帰投してしまうことはなかろうし、不審な韓国艦船の行動でもあり距離を保ちながらレーダー観測等を続行していたことであろう。

 目標は集魚灯などの上構を持つ北朝鮮漁船であり、木造平底であるからよく日本海のうねりに翻弄され、当日は冬の日本海には珍しいことだろうか海は穏やかであるから、P-1の最新型レーダーにとってはさながらレーダーリフレクターを追うようなものであろうし、これをマークしトラッキングすることに問題は無かったことであろう。

 北朝鮮のイカ漁船群に混じっても、これを識別トラッキングしてゆくことは可能であろう。 この辺は北朝鮮不審船での苦労がP-1のシステム開発に活かされていることだろうか。 情報衛星も運用しているので情報を引き継いで北朝鮮港湾も偵察可能であろう。 かなり多くの情報を日本政府は把握している事だろうか。
 
 「遭難北朝鮮漁船」というのは、その後北朝鮮に自力で戻っていた可能性が高かろうか。


参照☆防衛省「韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について」
「韓国レーダー照射事案に関する最終見解について」


 

「妨害行為を謝罪し、事実の歪曲を直ちに中断せよ!」

 大韓民国国防部作成のFCレーダー照射事件の「真相」のビデオであるが、人道主義的な救助作戦を遂行していた我がクァンゲト・デワン艦に対して日本の哨戒機が低空威嚇飛行を行っていた。 我が軍が日本の哨戒機に対して火器管制レーダーを運用しなかったと言う事実は変わらない、ものとしている。

 「日本は人道主義的な救助作戦の妨害行為を謝罪し、事実の歪曲を直ちに中断せよ!」となかなか勇ましい。

 遭難した北朝鮮船員の救助作戦中に、「艦艇の乗組員たちが騒音と振動を強く感じるくらい威嚇的」な低空威嚇飛行をP-1が行い救助作業が妨害されたのであれば、遭難した同胞朝鮮人の地球よりも重い命に係わることであり、これだけ自己主張の強い国であるのだから、P-1に対して「危険飛行を止めよ!」「威嚇するな!」とワンワンと警告を発するであろうが、DD971広開土大王も5001参峰も何らの警告も発していないというのは奇妙である。

 自国近海で何かの事象が起こっているのを見つけた場合、パトロール中の哨戒機が接近して何が行われているのかを確認・記録することは当たり前で、どこの国でもやっていることである。 おそらく韓国海軍機も同じことをやっているであろう。

 韓国艦船が何らの警告も発していなかったのは、P-1は十分安全な距離・高度を保っており「威嚇」など感じなかったことの証左であろう。

 肝心のFCレーダーを照射されたP-1からの通信に対しては、「明確に聞こえませんでした」としている。 聞き直すこともせず終始交信拒絶の態度でいたのは不可解である。


UnableCMM

 この韓国国防部作成ビデオの3:35辺りに韓国側が受信したと言うP-1の通信が出てくる。

「(前の部分がカットされている)~nAVY, THIS IS JAPAN NAVY,
KOREAN SOUTH NAVAL SHIP,
HULL NUMBER 971,
THIS IS JAPAN NAVY,
KOREAN SOUTH NAVAL SHIP HULL NUMBER 9~(以下カット)」

 なぜか雑音が入っているが、二日酔いの俺の耳でも聞き取れる。

 今回の4空群P-1のビデオを見ると、3つの国際周波数及び緊急周波数帯を用い其々2回ずつ計6回の送信を行っていることが解る。

 聞くと6回とも微妙に言い回しを変えていることが解る。

 機長やTACOがイイカゲンで毎回間違ってる!
のではなくて、必要が生じた場合にどの送信であったかの判別を容易にするためのテクニックであろう。
JAPAN NAVYの芸の細かいところである。



9:00辺りから送信開始でビデオにスクリプトが出ているが以下書き出しておく。

@1回目送信(VHF121.5MHz)
KOREAN NAVAL SHIP, KOREAN NAVAL SHIP. HULL NUMBER 971, HULL NUMBER 971,
THIS IS JAPAN NAVY, THIS IS JAPAN NAVY,
We observed that your FC antenna is directed to us.
What is the purpose of your act ? over.

@2回目(同上)
KOREAN NAVAL SHIP, KOREAN NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971, 971,
THIS IS JAPAN NAVY.
We observed that your FC antenna is directed to us.
What is the purpose of your act ?

@3回目(VHF156.8MHz)
KOREAN SOUTH NAVAL SHIP, KOREAN SOUTH NAVAL SHIP,
THIS IS JAPAN NAVY, THIS IS JAPAN NAVY,
KOREAN SOUTH NAVAL SHIP,
HULL NUMBER 971,
THIS IS JAPAN NAVY,
We observed that your FC antenna is directed to us.
What is the purpose of your act ? over.

@4回目(同上)
KOREAN SOUTH NAVAL SHIP, KOREAN SOUTH NAVAL SHIP,
HULL NUMBER 971, 971,
THIS IS JAPAN NAVY,
We observed that your FC antenna is directed to us.
What is the purpose of your act ? over.

@5回目(UHF243.0MHz)
KOREAN SOUTH NAVAL SHIP. KOREAN SOUTH NAVAL SHIP,
THIS IS JAPAN NAVY,
KOREAN SOUTH NAVAL SHIP,
HULL NUMBER 971,
THIS IS JAPAN NAVY,
We observed that your FC antenna is directed to us.
What is the purpose of your act ?

@6回目(同上)
KOREAN SOUTH NAVAL SHIP,
HULL NUMBER 971, 971,
THIS IS JAPAN NAVY,
We observed that your FC antenna is directed to us.
What is the purpose of your act ? over.

 韓国側が公開した「受信」を上記送信と比べてみると、どうしたことだろうか?同じものが見当たらない?!

 謎の韓国側受信であるが、比べて文言が最も近いものは3回目送信のものである。
頭の部分をカットし最後の「We observed that your FC antenna is directed to us. What is the purpose of your act ? over.」の部分を「KOREAN SOUTH NAVAL SHIP HULL NUMBER 9~(以下カット)」とすれば韓国側受信記録となろう。

 韓国艦への送信は多いほど有利なわけであろうし日本側が送信記録の一部を隠したり送信の肝心の部分である、「 We observed that your FC antenna is directed to us. What is the purpose of your act ? over.」を欠いたまま送信する理由というのは考え難い


 韓国は受信記録の一部をカットしたのみでなく、あってはならない聞こえてはいけない不都合な部分である「We observed that your FC antenna is directed to us. What is the purpose of your act ? over.」を削除し、「KOREAN SOUTH NAVAL SHIP HULL NUMBER 9~(以下カット)」に差し替え改竄し公表したものと言わざるを得まい。

 「日本の哨戒機の通信内容は明確に聞こえませんでした。」どころか、言っていないものまで聞こえているでわないか!

 韓国政府部門の、最も重要な国家の安全保障を担う韓国国防部が、問題の証拠資料を改竄して公開するなどと言うのは一体どうゆう国なのか?


 公開された韓国国防部作成の反論ビデオはかえって、「P-1に対する意図的なFCレーダー照射が行われていた」ことを強く示唆していようか。


 

救助されたという北朝鮮漁船

 昨年末のFCレーダー照射事件(発生12月20日)の時に、韓国艦が救助したという北の遭難漁船だが、大和堆辺りでイカ密漁や、時おり北海道や日本海沿岸に漂着する木造漁船のタイプのようである。

NKFboatSKCGJapanSeaMt
4空群P-1撮影のビデオより。

NKBoatSKresc
韓国国防部が反論として最近公開したビデオより。

 集魚灯やイカ干し棚?の上構と簡素なブリッジを有する日本海でよくみられる粗末な北の木造漁船だが、この遭難漁船は外見からは損傷などは見られず浸水の様子も覗えない。 「遭難漂流」していたとすれば、機関の故障や燃料切れといったところだろうか。

 DD971広開土太王は該漁船よりかなり距離を置いた位置(1000yard程度)にあり、該漁船の周りに見える2艇のボートは巡視船5001参峰の搭載艇であり、実際に「救助作業」を行っていたのは韓国コーストガード(CG)の大型巡視船5001参峰であることが解る。

 DD971広開土太王は搭載艇すら下ろしていないことから、直接の救助作業は行っていなかったことが解る。

 該北朝鮮漁船が武装している等の情報があり(現在そのような報道は見られないが)重武装の軍艦であるDD971に出動が令せられた可能性も考えられるが、漁船のサイズからして可能な武装は携行小火器程度であろうから、制圧にはCG巡視船の機関砲等で十分であろうし、とくに5001参峰は韓国CGのなかでも最大の5000t級巡視船の一隻であり、武装北朝鮮漁船程度への対応に問題は無い。

 DD971は「全般作戦支援で警戒配備」に就いていたものと考えられようが、1000yardも離れていては機関銃などでの制圧射撃は奏功が期待できないし、5”砲では木造漁船などコッパミジンになってしまい威力過大であろう。 だいいち近傍の巡視船に危害が及びそうである。

 DD971広開土大王は該北漁船の不測の行動への警戒というより、外周からの妨害脅威に対する警戒配備だった可能性が高いことになろう。

 該遭難北漁船発見の経緯だが、「漂流中だった北の漁船が近くの船舶に救助信号を送り、わが軍が海軍駆逐艦(広開土大王・3200トン)を派遣し、救助作業を行った」(韓国軍消息筋・ソウル聯合ニュース2018/12/22)としている。

 北の木造漁船は無線機を積んでいないものも多いのだろうから、該遭難北漁船は何らかの方法で航行する船舶に救助要請を行い、航行中の船舶が韓国当局に通報したものと考えられようか。

 シーマンの常識として遭難した船舶に遭遇すれば、国籍の如何に拘わらず’直ちに救助するだろうし、何らかの理由で自船では救助不能であれば当局に救助を要請し、水・食料・医薬品等出来るだけの援助は行って当局救助船の到着を待ち、救助開始を見届けてから現場を去るであろう。

 P-1や韓国の撮影映像からは、該北遭難漁船から救助信号を受けた船舶というものが全く見当たらない。

 該北遭難漁船の位置であるが、「出動した駆逐艦は遭難した北の船舶を迅速に見つけるため火器管制レーダーを含むすべてのレーダーを稼働し、この際、近くの上空を飛行していた日本の海上哨戒機に照射された」(韓国軍消息筋・ソウル聯合ニュース2018/12/22)と説明していたが、P-1の撮影映像でそのような状況では無かったことが解っている。 捜索ということをあまりせずに該北漁船を発見しているようであるから、かなり正確な位置情報があったものであろう。

 救助されたと言う遭難北漁船乗組員であるが、「20日に救助した北朝鮮船舶の3人の乗組員と1人の遺体を22日に板門店(パンムンジョム)を通じて北朝鮮に送還した。」(韓国政府・中央日報2018/12/24)とあるので4人乗り組みだったことになる。

 「救助された北朝鮮の漁船は1トン未満の木船で、4~5人が乗っていたようだ。」(ソウル聯合ニュース2018/12/22)との報道もあり、確かに小型木船であれば4人乗り組みでよいのだが、今回の映像に見える北遭難漁船はより大型の木造漁船であり、通常8人から10人程度が乗組んでいるものである。

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3人が保護され1人の遺体があった漂着小型木船

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先日の乗員4人の漂着小型木船

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5人の姿が見える小型木船。

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漁師の番小屋から盗みも働いた北木造漁船。10人乗り組み。
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日本海の北木造漁船。
NKFishboat
同上。

 全て人力頼みの北朝鮮漁船で今回程度の大きさの船で4人乗組みでは録に漁労が出来まい。 乗組員が4人であったというのは少なすぎ違和感がある。

 遭難北漁船の船体であるが、損傷も無く沈むようでも無く乗員救助後に船を其の儘漂流させることは無いから、船体は港に曳航して検分なりするであろう。 北朝鮮は船体の返還も求めて来るであろうし、船体も返還すれば救助乗員・遺体の返還とともに南北融和のまた一つの象徴となるニュースであるから時節柄大いに報道されて然るべきだろうが、乗員や船体関連報道が全く見られないのも些か奇妙である。

 当該遭難北朝鮮漁船は一体どこに消えたのか?

 韓国報道では「人道的な救助作戦」という言葉を使っているのだが、「人道的救助」とした場合には単なる「人命救助」よりもも少し広い範囲の行為が含まれるのであろうか。




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