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刑事司法問題

我が代表堂々一喝す

国連の拷問禁止委員会(Committee Against Torture)という国際会議の場で、日本代表の大使が自分のスピーチ中に涌いた失笑に対し、「笑うな! 何が可笑しい!」「シャラップ! シャラップ!」と、蛮声一喝したというニュースが以前あった。

この時の模様は、Youtubeに数多く上がっているので見ることが出来るが、なにやら失笑が議場に漏れたと言う程度のもので、さほど大使のスピーチの妨害になっている様には見えないのだが、本人としては失笑が余程に癪に障ったものだろうか、日本国を代表する人権人道大使である上田秀明氏という、外務省生え抜きのベテラン外交官であって大学教授という、所謂”格の高いエライ”筈の人が、突如として切れている。
参考Youtube
上田人権人道担当大使:外務省HP)
京都産業大学法学部専任教員紹介

歳のいった”年配者”が些細なことで突然意味不明に切れるということはあるようで、時折日本のニュースなどでも目にすることはある。

かつてM社長が、夜のレイニア・クラブ(シアトルの由緒ある会員制の、所謂ジェントルメンズ・クラブ)で、吠え捲っていた”勇姿”など思い出してしまうが、自分も歳を取ってみると、なるほどフラストレーションが溜り易くなるのは解る。

靴下ひとつ履くのでも、昔は簡単に出来たものが、片足で立つとヨロケル。
物忘れも酷くなり、「あれ、オレは何をしにこの部屋へ??」。
「あッ、サングラスどこかに置き忘れてきた!高いヤツだったのにぃ~」と頭に手を当てるとそこに。

以前は簡単に出来たことが歳と共に出来難くなってくるわけだが、おのれの我が侭なところはその侭なので、所謂「短気」になり、他人のすること、自分のやること、猫のすること、全てに何かにつけては”腹が立つ”こととなる。

とくに生活習慣や文化が違い、自分の経験からでは何事も思い通りにはいかない外国に於いては、フラストレーションが溜り易く、短気には火がつき易くなるだろうか。

切れ易い性格を持つようになることと、公の場でホントに切れてしまうこととは、別のことである。

肉体も精神も、年齢と共に退歩したり進歩したりするのであるから、公の場に出ることの多い所謂”エライ人”というのは、自分の性格の弱点をコントロール出来るよう、人間修養ということが疎かには出来ないこととなるだろうか。

国連の拷問禁止委員会だが、「拷問禁止条約(拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は、刑罰に関する条約)」という国際条約があるそうで、その17条により設置されているもののようである。

上田大使の「シャラップ!」の一喝が出た2013年5月22日の同委員会では、日本の刑事司法制度の問題点が取り上げられていたのだという。

上田大使の演説の前には、アフリカのモーリシャスの委員などから日本の現行刑事司法制度への直裁な問題指摘がなされていたという。

弁護人に取調べの立会がない。そのような制度だと真実でないことを真実にして、公的記録に残るのではないか。弁護人の立会が(取調べに)干渉するというのは説得力がない…司法制度の透明性の問題。ここで誤った自白等が行われるのではないか。…有罪判決と無罪判決の比率が10対1(㊟100対1の間違い)になっている。自白に頼りすぎではないか。これは中世のものだ。中世の名残りだ。こういった制度から離れていくべきである。日本の刑事手続を国際水準に合わせる必要がある。
(引用元:小池振一郎の弁護士日誌

国連の拷問禁止委員会からは、日本に対して刑事司法制度や入国管理制度等についての人権上の問題点の指摘・改善勧告が嘗てなされていたところであり、日本政府は、答えるのに少々時間が要ったようであるが返答も出している。

(参考)ー外務省HP人権・人道
条約第19条1に基づく第1回政府報告その他。

日本国としては、人権擁護の法制度は整っているので、人権の擁護は現行法で十分になされている。
刑事司法での取り調べの可視化や弁護士の立会いの導入などは、寧ろ捜査の妨害となってしまう惧れがある。
日本の刑事司法制度において、人権・人道を蔑ろにしているところがあるとの同委員会の指摘は全く当たらないものとしている。

上田大使の同委員会での発言も、当然のことだが国の姿勢と立場は同じであり、それを代弁・強調したものであろう。
"We are one of the most advanced country(正しくはcountries) in this field. That is our proud(正しくは名詞pride。proudは形容詞), of course...."「日本はこの分野では世界でもっとも進んだ1つの国のなかの1つだ。それはもちろん私たちの"誇る"だ」と述べた。」 
Wikipedia日本より)

上田大使の単数形vs複数形の英語の言い間違いに起因して失笑が起きたのでは?との説もあるようだが、この程度の言い間違いで失笑が起きることは考え難く、やはり、「日本はこの分野(刑事司法での人権の扱い)では最先進国のひとつであり、我々の誇りとするところである。」との発言に、議場は耐え難かったものであろう。

障碍者郵便制度悪用事件での村木厚子局長への冤罪求刑は懲役1年6ヶ月。
東電OL殺人事件での被告人への冤罪求刑は無期懲役であった。
一般にはより身近?であろう痴漢犯罪に至っては、客観的かつ科学的な証拠など皆無でも、「被害者の供述は信用できる」との裁判官の主観により有罪と判決されてしまう例が多いようであり、”疑わしきは、どんどん罰してかまわない”という司法になっているようである。(痴漢冤罪Wiki

たとえ手指に持病が有っても、「被告人が本件犯行(電車内で被害女性のパンツに手を入れたという)を行うことは不可能ではない」として強制猥褻犯とされ、懲役刑に服せられ、仮釈放後もまだ闘っている元小学校教諭などもいるようである(痴漢冤罪疑惑Youtube この再審請求を東京地裁は棄却したという()。
いったん裁決確定したものの再審開始には、新たな証拠の提示が必要であるという。
やっていない事の証明、”無いことの証拠を示せ”というのは普通には難しい。
普通の人は勿論、弁護士にとっても”無いものを出す”のは難しいであろう。 これが出来るのは引田天功くらいか。

40年近い教職で、教育者としての誇りも、人間としての矜持もあったろうが、電車が混んでいるのを幸い女性に猥褻行為を働いた破廉恥なバカ漢(おとこ)と公に裁定を受け、更には飽く迄自らの犯行を否定する、真の破廉恥漢、人間の屑、との烙印を正式に国家から押されて、この人は人生を終えるのだろうか。

人の証言というものは、置かれた環境により変わり得るものである。

凡そ近代社会の刑事司法にあっては、客観性のある科学的証拠に基づく事実認定ということが欠かせない筈であるが、日本の裁判官や検察官というのは一体どうしたというのであろうか。

密室の取調べでの供述の誘導、証拠の不開示や改竄、長期に亘る勾留等々、日本の刑事司法制度が抱える問題は昨今多くニュースで目にするところであるが、情報網が発達している今日、外国においても当該分野に関心を持つ関係者などは、日本のかかる実情はよく承知しているところなのであろう。

こうゆう話題には疎い私であっても日本のニュースの見出しくらいは見ているので、若し同委員会のその場に居合わせていたら、「(刑事司法での人権の扱いにおいて日本は)most advanced country」と言われたのでは、「オイオイ」、「それはないダロウ」と上田大使の顔を眺めるだろうし、コーヒーでも飲んでいたなら思わず噴きかねまい。

「刑事司法運営の中核的機能を担っている(検察庁HP)」という検察の事件捜査の不祥事については、度々報道を目にするところであり、新聞各社の社説などでも幾度も改革の必要性が叫ばれている。

検事総長自身も、日本記者クラブでの定例会見に於いて、前任者の笠間検事総長の時代から、”供述調書至上主義”と称されるのに代表されるような、検察捜査の問題点は認識しており、国民の検察への信頼を回復すべく、その組織を挙げて改革に取り組んでいるとの姿勢が強調されている。

YouTubeー小津検事総長日本記者クラブ会見

日本は国としては、「現行刑事司法制度に、人権・人道的な問題は存在していない」ものと国連の拷問禁止委員会の国際会議の場で世界に表明している。

どうゆうことであろうか?

国連の拷問禁止委員会への日本代表団というのは外務省ばかりでなく法務省よりも官僚が参加しているので、単に外務省の認識がどうのということでなく、国として現行刑事司法制度では人道上の問題は存在しないとの立場であろう。(

刑事司法の要である検事総長の記者会見での発言とは相当に異なる印象であるが、”検察改革”というのも、刑事司法制度そのものには基本的に問題はないのであるから、一部取調べの可視化の導入等”末梢の部分の微修正を行うもの”というのが本音と言うところになるだろうか。

問題を抱えた組織である検察自身により、”改革”の名に値するようなことが出来ると期待するのは、やはり無理があるのであろう。

考えてみると、日本の裁判官というのもだらしなく、検察官というのは随分とヤクザなものであるが、運悪く刑事司法の不条理に絡まれた弱い者は泣くだけ泣いて、法権力を貪る者は肥えるだけたらふく肥えて、行き着く果てまで行き、解体的出直しをする以外には、日本の刑事司法制度の改革というのは難しいことだろうか。

「シャラップ!」と一喝の上田大使であるが、先日自己都合で辞任したとのニュース。

使った言葉には問題はあっても、大使の姿勢としては本国の立場に完全に沿っている事なので、外務省としてもこの件は口頭注意しかなかったであろうから、本人辞任で一件落着。

大分騒がれてしまったので、外務省もやっと一安心というところだろうか。

拷問禁止委員会では、日本に対し”従軍慰安婦”などと言う事まで取り沙汰されてしまっていたようであるが、”Pattern of Denial”なだけの頑な姿勢で聞く耳をもたず、明確な説明もせずに、遂には「シャラップ!」と蛮声一喝というのでは、擁護の仕様もなく、日本に味方する国は誰もいなかったろうか。

会議場に味方がいないから一喝するのか?一喝するから味方がいないのか?

嘗て、1933年(昭和8年)に、満州国問題での国際連盟採択では、42:1票(1票は勿論日本である。今に例えれば北朝鮮みたいなものか)の賛否となり、日本は国際連盟を脱退、その後は”亡国の坂道”を転がり落ちていったのは歴史の示すところである。

当時は先進国による植民地支配が当たり前の時代であったから、リットン報告書というのも必ずしも満州における日本の行為を全面的に否定するものではなかったのだが、満州は日本にとって、国防上の問題と経済問題の両方を解決する方途であり、当時の日本は譲る事を知らず、新聞は「連盟よさらば!遂に協力の方途尽く」、「わが代表堂々退場す」と書いた。

例え日本が100%正しく日本に正義があるとしても、各々の国には夫々の正義があり、10カ国集まれば10の正義があるであろう。

敵ばかりを作ってしまう外交というのでは、それだけで既に敗北していよう。



学問の府にある自由の立場で、福島原発事故での放射能の問題では、歯に衣着せぬ”武田節”で、毅然として正論を吐いておられた中部大学の武田邦彦教授が、刑事司法について面白いことを述べておられる。

”強い相手には尾を垂れて媚び、相手が弱いと見れば徹底的に叩いてこれを喰い物にする”と言うのは、動物的本能に根ざすものとも言え、”賢い動物たち”のごく自然な振る舞いともいえるか。
「公益」ということだが、検察官や裁判官が公益に働いても、現行制度下では、本人たちには何の利得にもならないばかりか、寧ろ軋轢を生じて自分に不利益を被る可能性が高くなるのであろう。
「お前だけ、特攻隊やれ」というのは無理と言うもの。末端の現場の裁判官や検察官にしてみれば、「こうしか出来ませんよ。」というところだろうか。

裁判は死んでいる・・・JR西日本の無罪判決」・・・武田邦彦教授サイト



◇◇◇引用:東京新聞

上田人権大使が退任 5月、国連委で「黙れ」発言

2013年9月21日 朝刊

 国連の人権条約に基づく拷問禁止委員会で「シャラップ(黙れ)」と発言し、外務省幹部から注意を受けた上田秀明・人権人道担当大使(68)が二十日付で退任し、外務省参与も辞職した。人権人道担当大使の後任は佐藤地(くに)外務報道官が兼務する。外務省が二十日、発表した。大使就任から五年以上が経過したことなどを理由に上田氏が辞職を願い出たという。

 関係者によると、今年五月二十二日に拷問禁止委員会の対日審査が行われ、委員から「日本の刑事司法制度は自白に頼りすぎており、中世のようだ」と指摘を受けた。上田氏が「日本の人権状況は先進的だ。中世のようではない」と反論したところ場内から笑いが起き、上田氏は「何がおかしい。黙れ」と大声を張り上げた。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013092102000139.html
◇◇◇

”平成の岩窟王”か

盗んだ給油カードで、ガソリン24.8リットル販売価格3,479円也を給油した窃盗事件の容疑者として、逮捕され、無実を主張して、85日間身柄を勾留され、検察に起訴されて刑事法廷待ちだった誤認逮捕の被害者が、依頼した若い弁護士の活躍によりアリバイが立証され、公判直前になって無事解放されたとのはなし。

見事な活躍をしたのは、赤堀順一郎という弁護士の方だが()、依頼人の誤認逮捕被害者が当日高速道を使っていたことを知り、ETCの履歴を取り寄せて時間を確認するとともに、自身でもガソリンスタンドから高速道出入り口まで走行してみて、依頼人のアリバイを立証したという。

2012年に大阪弁護士会に登録している新人弁護士のようだが、若いだけにさすがフットワークがいい。

誤認逮捕された被害者本人は身柄を拘束されているわけで、アリバイの証拠収集・立証は依頼した弁護士頼りになるわけだが、若しもあまり能動的には動かない、”フツーの弁護士先生”だったならば、依頼人は”悲惨は結果”となっていた可能性もあったろうか。

一次捜査機関である警察も、事件送致を受け、「検察官は、的確な証拠によって有罪判決が得られる高度の見込みのある場合に限って起訴する」(検察庁HP)と言う、日本の刑事司法の特徴であると言う「精密司法」の名の下に、窃盗罪での刑事訴訟に踏み切った検察も、ガソリンスタンドの防犯カメラや販売記録などの記録時間に誤差があったことを、誰も気付かなかったのだという。

事件の「時間整合」と言うのは、少年探偵団のレベルのはなしである。

3,479円窃盗の「ホシ」(容疑者は警察でこう呼ばれるそうである)が、長期間の身柄拘束にも拘らず、飽く迄無罪潔白を主張し、当日高速道を使用したとのアリバイに繋がる供述があり、ETC記録の存在は知りながらも、警察や検察官は、そんな事は気にもしなかったようである。

警察官や検察官も忙しいのであろう。
そんなことを一々気に止めて精かく捜査していたのでは、週末にゴルフや買い物に行けなくなるだろうし、だいいち毎日暑いし。

容疑者の身柄を拘束するのは、逃亡や証拠隠滅の惧れがあるからであるが、犯行を否認しているような場合には身柄拘束となることが多いようである。
拘束の期間は、警察から検察に事件送致(この間3日)されてから10日で、必要であれば更に10日間の延長が可能という。

飽く迄事件の容疑者であり、人権に関わることなので、身柄拘束の延長にあたっては、検察よりの延長申請を受けた裁判官が慎重に検討して、逃走や証拠隠滅の惧れがある等、止むを得ざる場合に限って延長が許可されることとなっている。
延長許可の実績は99%以上という。(参考:法務省検察統計統計表

拘束は最長で23日間となるが、これは一件の容疑についてであり、他にも犯罪容疑があれば倍数になってゆく。
検察が起訴すれば更に拘束が続くので、事実上有罪判決が下るまで身柄拘束となるようである。(参考;「勾留とはなんですか」裁判所HP

ちなみに日本の刑事裁判での有罪判決率は99%以上という。

日本の刑事司法というのは、実態としては、検察官が罪科の有無を決め、裁判官は刑量のみを判断している、ということになろうか。

身柄拘束中に容疑を認めれば、軽い犯罪の場合は略式の罰金などで済み解放されるようだが、警察や検察官の見立てに逆らって、あくまで自分の無罪潔白を主張するような場合は、軽い犯罪であっても、「被疑者には反省が見られず、再犯の惧れがきわめて高い」とされて、実刑判決に持っていかれるようである。

「真実は何か?」ということには、検察官は全く関心が無いようである。

今回の誤認逮捕被害者は80日間以上の身柄拘束にもめげず、自身の潔白を貫き通したその精神の強さには驚嘆する。

勤め先の会社も休職扱いにしてくれていたようだが、被害者への理解があったのだろう。
どこの会社も楽な経営はしていないので、会社の規則上では休職制度があっても、長期欠勤となれば”辞めていただく”ところも多いのではあるまいか。

普通の人なら、2~3日ならば兎も角、一週間も身柄拘束されて、家にも帰れず、職場にも出れなくなれば、家庭も仕事もメチャクチャになってしまうだろうか。

檻の中に起居し、毎日取調べを受けるのであるから、自分自身のプライドも人権も剥奪されて、突然動物園の裸のサルみたいな生活に入れられては、とても普通の精神では耐えられるものであるまい。

社会から遮断され、番号を付けられて、檻から出される時は手錠をかけられ、縄で繋がれたりして、扱いはもう立派な罪人であるが、法律上は未だ容疑者・被疑者、被告人の段階であり犯罪人と判決されたわけではない。
勾留施設というのは、刑務所のように社会更生の機能を持つ事も無く、作業や職業教育といった生産的なことに携われることもない。
何もしないことを強要されるというのは、人間辛いものであろう。
食事も賄いの無い所が普通のようであり、いわば”仮置き場”であるから、刑務所よりも却って人道的処遇が劣る面もあるだろうか。(参考:留置所生活ブログ

なかには、三度の食事も出るし規則正しい生活で、却って元気が出る人も居るかも知れないが、こ~ゆ~ところに収容されたのでは、俺なら3日ともたないな。
耐え切れずに、聞かれなくても、も~進んで自分から手を挙げて供述するだろか、「女子高生のパンツに手を入れたのは、ハイ、私です!」。

数十万円ほどのお金で済むのなら、運が悪かったものと諦めて、もう早く檻から出られるよう、全て警察官や検察官さまのおっしゃる通りに署名でも何でもすることに、普通の人はなるだろうか。

先日パソコンの遠隔操作による脅迫メールの送信等の事件で、IPアドレスのみを根拠として警察が4人を誤認逮捕してしまった事件があったが、4人のうち2人が取調べで、”犯行を自供”している。
”もう少々時間をかけて取調べをしていれば、ホシ全員に自供させることが出来たのに”と言うところだろうか。

昔は、警察や検察官のご厄介になり、刑事法廷に立つ、と言うのは、その手の特別な世界の人間であるという事だったのかもしれないが、現代はパソコンやネット、さらには満員電車内で、「キャー!このオッサン痴漢です!」等、突然”ホシ”にされ、冤罪を被る機会が、誰にでも起こり得る時代である。

犯罪を犯しているにも拘らず、潔白と主張し無罪を押し通そうとする、ホンモノの悪党もいるだろうが、刑事法廷において、飽く迄身の無罪潔白を主張する被告人というのが、少くはない数が存在するという。
日本の刑事司法制度においては、相当数の冤罪被害者が発生している可能性があるだろうか。(参考:高野弁護士ブログ

勾留され、異常な環境のもと、心ならずも、無実の人が犯行を認めてしまっているケースが数多なのは、想像に難くあるまい。

日本の刑事司法制度では、捕まって有罪に一度されてしまうと、それを覆すことは殆ど不可能である。
検察官も裁判官も権威であるから、権威は権威であることが下手な真実より重要なことであり、余程な幸運でもない限り、個人が人生の全てを賭けて戦ったところで、冤罪を晴らす判決を得ることは難しいのであろう。

それでも中にはガッツのある者もいるようで、かけがえのない自分自身の名誉ということだろうか、大正から昭和にかけての時代に、自分の一生を賭けて終に冤罪を晴らして倒れた、「吉田岩窟王、昭和の岩窟王」と呼ばれた男がいたそうである。(

ガソリン代3,479円窃盗の、杜撰な捜査の”濡れ衣”を着せられて逮捕され、長期に亘り身体を勾留され、刑事事件の被告人とされた、この誤認逮捕事件の被害者もよく頑張ったものである。
取調べ中に被害者は「あなたは普通じゃないんですよ」と言われたそうであるが、日本の刑事司法の法曹である検察官や裁判官の思考こそ、普通ではなかろう。


◇◇◇以下引用;「読売新聞社説」ーこんな事は日常茶飯であるのだから、ご存知である筈の新聞記者が一々驚いてちゃいかんだろがー

大阪誤認逮捕 ずさんな捜査に驚かされる(8月2日付・読売社説)

 ずさん極まりない捜査と言うほかない。警察と検察には、猛省と徹底検証を求めたい。

 堺市のガソリンスタンド(GS)で1月に起きた窃盗事件で、大阪地検堺支部は男性会社員の起訴を取り消し、男性に謝罪した。大阪府警も誤認逮捕だったことを認めた。

 男性は、事件と無関係だったのに、85日間も勾留され、休職を余儀なくされた。取り調べの際には、捜査員から何度も呼び捨てにされ、「あなたは普通じゃないんですよ」などと侮辱もされた。重大な人権侵害である。

 誤認逮捕の最大の原因は、男性を犯人と決めつけた見込み捜査に尽きると言っていい。

 駐車中の車から盗まれたカードが、GSで使われていた。府警が防犯カメラを調べたところ、ガソリンが販売された時刻に男性の姿が映っていた。府警はこの画像を逮捕の決め手とした。

 ところが、弁護人の調査で、防犯カメラの時刻がずれていたことが判明した。犯行があった時刻の1分後、男性は約6キロ離れた高速道路の入り口を乗用車で通過していたことも明らかになった。

 男性が犯行に及ぶのは事実上、不可能なことになる。無実を証明するアリバイだ。府警は基本である裏付け捜査を怠った。弁護人が調査するまで誤りに気づかなかったという。あきれるばかりだ。

 一つの証拠を過大評価して、誤認逮捕する。府警は昨年のパソコンの遠隔操作事件と全く同じ過ちを犯した。IPアドレスを重視し過ぎて、パソコン所有者のアニメ演出家を誤って逮捕した。苦い教訓がまるで生かされていない。

 関与を否認する供述に耳を貸さなかった点も共通する。

 検察の責任も重い。警察の証拠をよく吟味せず、男性を起訴した。警察の捜査に対するチェックが機能していない。

 保釈請求にも反対し、家族との接見も一時、禁じた。弁護人がアリバイを証明しなければ、不当勾留はさらに長引いただろう。

 今回、男性は一貫して犯行を否認した。だが、無実の人が長期の身柄拘束により、罪を認める供述をしたケースは少なくない。

 否認した被告を釈放しない「人質司法」は、冤罪(えんざい)を招く大きな要因である。

 身柄拘束の在り方については、刑事司法制度の見直しを進める法制審議会の部会でも議論されている。ルールがあいまいとの指摘があるからだ。今回の事件を、人質司法を見直す契機とすべきだ。

(2013年8月2日01時36分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130801-OYT1T01518.htm
◇◇◇

◇◇◇引用:

デタラメ捜査…冤罪暴いた新人弁護士、推理小説さながらの「独自調査」
産経新聞8月3日(土)12時11分

アリバイとは現場不存在の証明だ、と辞書にある。犯行のあったその時その場所に、私は存在していませんでした。言うまでもないが、アリバイ証明には「その時」の正確さが欠かせない。逆に時間に誤りがあれば、だれでも犯人になってしまう。事件とは無関係の男性を大阪府警北堺署が誤認逮捕した問題は、防犯カメラの「狂った時計」を妄信し、アリバイ確認を怠った結果だ。白昼夢を覚ましたのは、昨年12月に弁護士登録したばかりの新人弁護士。推理小説さながらの独自調査で捜査の矛盾点を浮かび上がらせ、「真実」に行き着いた。「彼は絶対やっていない」。

 ■午前5時39分

 1月13日、日曜日の早朝のことだ。堺市西区のセルフ式ガソリンスタンド(GS)で、24・8リットル(販売価格3479円)のガソリンの支払いに盗難カードが使われる窃盗事件が起きた。

 店側の販売記録には、ノズルを給油機に置いた(給油を終えた)時間が印字される仕組みだった。そこには「午前5時39分」と記載されていた。

 防犯カメラには車に給油する男性会社員(42)の姿が写っていた。表示時間は「午前5時42分」。次に車が来たのは、その数分後だ。

 事件は北堺署の直轄警察隊が担当した。街頭犯罪の警戒が主な任務で、捜査経験の少ない若手が中心だ。販売記録の「5時39分」を犯行時刻とすると、一番近い給油者は男性ということになる。同隊は早々と男性犯人説に傾き、記録とカメラの時間のずれをこう結論づけた。

 「(カメラは)3分進んでいる」(同署作成の捜査報告書)

 男性は4月24日、窃盗容疑で逮捕される。85日間に及ぶ勾留生活の始まりだった。

 ■ETCのアリバイ

 最初の逮捕容疑は1月12日夜〜翌13日朝の時間帯に、堺市北区のコインパーキングで駐車中のレンタカー内から給油カードを盗んだ、というもの。さらに、このカードを使ってGSで給油したとして5月15日に再逮捕される。

 「身に覚えがない」「私はやっていません」。男性は一貫して犯行を否認。大阪地検堺支部は最初の容疑については不起訴としたものの、6月4日に再逮捕分の窃盗罪で男性を起訴した。

 男性の周囲に着々と築かれていく冤罪(えんざい)の壁。弁護人となった赤堀順一郎弁護士は6月下旬、男性の妻と弁護方針について協議しながら、どうすれば無実を証明できるか、考えあぐねていた。

 福音は妻の一言とともに訪れる。「事件のあった日の朝、高速道路を使っています」。赤堀弁護士は阪神高速堺出入口の自動料金収受システム(ETC)の履歴を取り寄せた。通過時間は「午前5時40分」となっている。起訴状記載の犯行時刻から、わずか1分後だ。現場のGSから堺出入口までの距離は約6・4キロ。仮に起訴状通りであれば、男性は時速360キロで移動したことになる。

 あり得ない−。赤堀弁護士はすぐさま検証作業に入った。同じ日曜日の朝、同じ車でGS−堺出入口間を2度走行。道路や信号の状況から、1分で行き着くのは不可能であることがはっきりした。ETC履歴は男性のアリバイ証拠ともいえるものだった。

 ■3つの時計

 赤堀弁護士は捜査側の「ストーリー」を突き崩しにかかる。調査の焦点としたのが犯行時刻だ。

 現場GSには「3つの時計」が存在していた。(1)店の販売記録(犯人が給油機にノズルを置いた時間)(2)防犯カメラ−に加え、(3)給油する車のナンバーを読み取る別のカメラがあった。

 盗難カードが使われた時刻は(1)=5時39分。一方、男性が給油する映像の表示時間は(2)=5時42分(3)=5時41分。時計はばらばらだった。

 カメラの表示時間がずれるのは、珍しいことではない。通常の捜査は、まずカメラの誤差を標準時に補正し、正確な時系列に置き換えるところから始まる。

 ところが北堺署の捜査では、こうした修正が行われた形跡はまったくなかった。すべて(1)(5時39分)を前提に(2)(5時42分)=3分進んでいる(3)(5時41分)=2分進んでいる−と判断していた。

 赤堀弁護士はGS店長の立ち会いのもと(2)の表示時間とNTTの時報を照合。実際は3分ではなく、8分程度ずれていることが判明する。つまり、(2)(5時42分)を標準時に補正するとマイナス8分の5時34分となる。

 さらに赤堀弁護士はGSの販売記録を独自入手して分析。盗難カードが使われた直前の5時34分に、現金給油している車があることが明らかになった。

 男性の妻は言った。「このGSを利用するときは、いつも現金払いです」。赤堀弁護士は男性の給油時間が5時34分だったと確信する。無実が決定づけられた瞬間だった。

 赤堀弁護士はこうした調査結果を初公判が迫った7月10日に検察側に提示。あわてた検察は証拠を改めて精査し、同17日に男性を釈放した。その際、検察幹部は赤堀弁護士にこう語ったという。「こちらの間違いだった。そのような方を被告人席に座らせるわけにはいかない」。検察は29日、男性の起訴を取り消した。

 ■ずさん捜査

 赤堀弁護士の独自調査を待たずとも、男性の犯人性に疑問を生じさせる状況はいくつもあった。

 事件当日、男性は家族を乗せてスキー旅行に出発。出がけに給油に立ち寄った。家族とこれからスキーを楽しもうという人が、なじみのGSで、ナンバーも顔も隠さずに、盗難カードを使うだろうか。しかも、数時間前に車上荒らしで盗まれたばかりのカードを。男性に定収があったことも犯人とするには不自然さを感じさせる要素のはず。

 否認事件であれば、捜査には慎重に慎重を期すのが普通だ。容疑者の供述がなくとも犯行を裏付けるだけの客観証拠をそろえなければならない。

 にもかかわらず、北堺署は現場周辺のNシステム(自動車ナンバー自動読み取り装置)すら確認していなかった。また、男性の直後に訪れた給油者の人物特定も十分に行っていない。男性が犯人と思い込んでいたとしても、直後の給油者の犯人性を消しておく「つぶしの捜査」は当然必要だったはずだ。直轄警察隊の経験不足は置くとして、幹部らの捜査指揮はなぜ機能しなかったのか。

 男性の誤認逮捕が明らかになった今、真犯人の可能性がもっとも高いのは直後の給油者だ。府警は現在、再捜査中だが、この人物にたどり着くことはできるのか。初動捜査のずさんさは、今度は真相解明を阻む障壁として立ちはだかっている。

 赤堀弁護士は「ETC履歴や販売記録の収集は本来、警察や検察がやるべきことだが、その職責すら果たしていなかった。司法修習生でも考えられないようなミスだ」と話す。

 赤堀弁護士は昨年12月に弁護士登録したばかりの新人だ。「司法修習生でも」の批判は決して大げさではない。


http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0803/san_130803_7606063329.html
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