Bandoalphaのらく書き帳

故郷離れてはるばる千里、ひとつ山越しゃ他國の星がぁ・・・昭和の終末高齢者! 思い付いた時に思いついた事などのテキト~なメモ書きらく書き帳ですぅ。 桧野俊弘 ご意見メールは:Bandoalpha@msn.com

マレーシア航空機撃墜事件・ウクライナ

ウクライナ勇戦・善戦す

 ロシア皇帝プーチン閣下の命令一下ウクライナに全面侵攻したロシア軍だが、全線にわたりウクライナ軍の予想外に激しい抵抗、防御戦闘に遭遇しているという。

 今日現在ロシア軍はウクライナ上空のAir Superiority(制空)の確保にも未だ成功しておらず、ウクライナ空軍は残存しているSAMや戦闘機による防空戦闘、或いはUAVによる対地攻撃等を継続中という(DoD)。 

 戦争は2週間目に入っているわけだが、地上戦闘でも、首都Kyivは未だ陥落せず!

 プーチン言うところの「米欧の傀儡・極右・ナチ政権」の拠点であろうウクライナ首都Kyivの攻略は、今回の特別軍事作戦の「目玉」であろうし、現在戦力を追加投入して首都への圧力を強めていると言う。

 ウクライナにとっては自国防衛戦であり、家族を守る為、家を守る為、町を守る為、国を守る為、それこそ爺婆まで銃を取って抵抗戦を行っているようであり、国土防衛の士気が極めて高い。

 プーチンは今更撤退すれば、自身の地位が危うくなるだろうし退くに引けまい。 あらゆる手段を使って首都防衛のウクライナ軍民の士気を阻喪させ、首都陥落を図るであろう。

 よく攻者3倍の法則などと言って、攻撃を成功させるためには相手の3倍の戦力を必要とするなどと言われるが、Urban Warfare(都市部での市街戦闘)においては、1人の相手に対して5人の兵が必要とも言う。  建物の一つ一つ、家の一軒一軒を虱潰しに掃討してゆく必要があるし、戦車、APC等の火力・機動力が十分には発揮し難いところがある。 反面防御側にとっては、障害物、IED、奇襲、狙撃等多様な戦術選択の余地があり、比較的に貧弱な火器・装備であっても奏功が期待出来るのであろう。

 勢い、ロシア軍はウクライナ抵抗勢力のいる地域を丸ごと焼き払う、或いは化学兵器を投入するような戦術に出かねず、今後注視する必要があろう。

 ポーランドなど隣国に避難するウクライナ難民は毎日倍々に増え、現在150万程だろうか。今後も更に増えることだろうが、幼子を抱え、子の手を曳いて着の身着のままで郷を去らねばならぬ姿は、痛々しい。

 ウクライナは良く善戦し、ロシア軍に相当な損害を与えているが、戦争である以上ウクライナ側の損耗もかなりなものであろうか。

 NATO等の20か国+がウクライナへの軍事援助を表明しており、なかでもドイツは、これまでの「紛争当事国への武器輸出はしない」との国策を今回変更して、対戦車兵器1,000、MANPADを500、さらにMANPADの追加2,700を送ると言う。ドイツは防衛費もGDPの2%に引き上げると言う。

 強力な武装による中立で知られるスウェーデンも、対戦車兵器5,000(最新型のCarl Gustav AT4という)他を供与するといい、同じく中立政策を取るフィンランドも今回ウクライナへの武器供与を決断している。 プーチンはフィンランド等の北欧中立国に対して、「ウクライナに与するのは勿論、NATOに加盟など考えたら、タダで済まさんぞ」と脅しをかけていたが、これが回答であろう。

 強力な武装による永世中立国スイスは武器供与こそしないものの、EU・NATOが決定したロシア航空機のEU域内飛行禁止措置に同調し、自国空域のロシア航空機の飛行を禁じている。

 アドルフ・ヒットラー以来久し振りの化物悪魔の出現を前にして、欧州諸国の結束は見事である。

 ウクライナは国際義勇兵を募っているが、米国では3,000人ほどが応募中とか。 「義によって御助太刀をば致そうぞ!」ということであろうが、さっそく迷彩服姿も凛々しく、自分の銃を手にウクライナ大使館に駆けつけて、警備の警察官に逮捕された慌て者もいたようである。

 Zule2100Mar5

Stand with Ukraine

 2月も今週で終わり来週火曜からは彌生三月に入る。 今朝は雪景色が見られ、今週は今日まで夜半は氷点下になるというが、この週末には寒さも和らぐという。 未だ冷たくも、吹いてくる風に、なにやらもう春の息吹を感じる今日この頃である。

 遥か東欧ウクライナでは、遂にロシア軍が全面侵攻に入ったという。

 2日ほど前に、ロシアの支援を受けた親露派が支配する、ウクライナ東部の、Donetsk People's Republic(ドネツク人民共和国)と、Luhansk People's Republic(ルハンスク人民共和国)と称する2つの”独立国”をプーチンが正式に国家として承認し、ウクライナ政府軍による攻撃と住民虐殺から同友邦国を守る為、平和維持軍を派遣するとしていたが、木曜早朝のTV演説でプーチンはウクライナ全土への軍事作戦宣言をし、同時刻にウクライナ各地への攻撃が開始されている。

 隣国Belarus(ベラルーシ)にもロシア軍が進出しており、ウクライナは3面から攻撃を受ける形となっている。三面楚歌!

 ロシア軍の侵攻兵力は、169,000~190,000+といい、戦力主体は125個BTGとか。

 小金持ちと貧困者、大男と痩せた小男、クマとネコとの闘いであり、ウクライナという国家の命運はいまや風前の灯火である。

 プーチンはウクライナ政府を、米欧の作為による傀儡政権、極右・ナチ政権であると断じ、この極右ナチ政権を倒壊し、政府軍を武装解除して、これまでの弾圧と虐殺からウクライナ人民を解放するとしている。また、このような犯罪者達を裁くのだという。

 戦力差は如何ともしがたいので、首都Kyivの陥落も数日のことであろうが、占領後は反露思考を持つ極右・ナチ思想者は、捕縛・処刑処罰され、粛正されてゆくこととなろう。

 それにしても、世界の衆人が注視する中で、白昼堂々、強盗・強姦をはたらく行為であり、弱肉強食。

 お互いの平和と繁栄を希求する筈の、国際社会の秩序などというものは、絵空事(苦笑)。 国際連合UNというものがあるが、拒否権を持つロシアと、同じく拒否権を持つ中国がロシアに理解を示しており、UN安保理決議などというものは採択されようがあるまい。

 ウクライナは侵略者に対してはひとり死力を尽くして戦う他ないが、完全占領されるまでに、どれだけ多くロシア兵の死体の山を築けるか? そして被占領後にも、何時の日か祖国に再び花咲く春が来ることを只管信じて、レジスタンスを如何にしぶとく継続出来るか? これから長い血みどろの戦いが続くことになろうか。

 米欧は、武器・資材や資金の提供は勿論だが、ロシア軍の戦術情報を傍受しており、これまでの情報リーク戦からして、かなりなロシア軍戦術情報解読に成功している可能性があるので、偵察衛星情報など他の情報も含め、タイムリーな情報をウクライナ軍に提供することで、効率・効果的な戦闘をウクライナ軍は展開出来ようか。

 NATO諸国は、ウクライナ難民や、ウクライナ亡命政権を受け入れる必要があろう。 明日は我が身!

 専制強権国家ロシアの狼藉のまえには、弱小国家の独立や主権などは塵芥の如く吹き飛ばされるわけだが、米国などNATOの大国は機甲師団や空挺師団など、機動展開力に富む強力な部隊を暫く東欧メンバー国に展開し、NATO集団安全保障体制の実効性を示す必要もあろう。

 ウクライナは侵攻して来るロシア軍に、自国内で一方的にボコボコにされて終ってしまいそうであるが、明治三十七、八年の戦役での、わが日本陸軍の永沼挺身隊の活躍ではないが、特殊部隊コマンド―を何組かロシア領内に決死挺進させ、ロジの拠点等を攻撃破壊出来れば、少しは愉快であろうか。 作戦後は帰る祖国は無くなっているであろうから、撤収先は東欧の諸国。ーまあ、捕捉殲滅されずに生きていればの話だが。


土曜日にシアトルセンターで行われていたという、ウクライナ系米人等による「Stand with Ukraine」の集会。 おれも、ウクライナに地理的に近い東北系日本人として、集会に参加するようだろうか。
SeattleFeb1922Support
KIRO7 News

木曜早朝のプーチン閣下のTV演説
PutinDecided
The New York Times

# The leading NATO countries are supporting the far-right nationalists and neo-Nazis in Ukraine, those who will never forgive the people of Crimea and Sevastopol for freely making a choice to reunite with Russia.

# The purpose of this operation is to protect people who, for eight years now, have been facing humiliation and genocide perpetrated by the Kyiv regime.

# To this end, we will seek to demilitarize and denazify Ukraine, as well as bring to trial those who perpetrated numerous bloody crimes against civilians, including against citizens of the Russian Federation.

# I would now like to say something very important for those who may be tempted to interfere in these developments from the outside. No matter who tries to stand in our way or all the more so create threats for our country and our people, they must know that Russia will respond immediately, and the consequences will be such as you have never seen in your entire history.

by Russian President Vladimir Putin.


ロシア軍、ウクライナ国境に集結中

 今年も早や師走となり、なにかしら忙しないような気がしてくる季節である。

 COVID-19疫病騒ぎは未だ収まりを見せず、インドで変異したという感染力の強いDELTA株に続いて、南アフリカで変異したと言う、更に感染力が強いらしいOMICRON株が入ってきていると言う。 幸いワクチン接種が進んでいるので、感染しても入院、そして重篤化してICU入りしたり、遂にはお迎えが来たりというのは減っている。
 亡くなる人というのは、ワクチンを打とうがどんな投薬治療をしようが、黄泉の国に招待されてしまうわけだが、普通にソコソコの健康な体で、ワクチン接種済であれば、感染はしても軽い症状で大概済み、重篤化や死に至ることは無さそうである。

 今年の年の瀬は(今年も?!)、不要不急の外出やパーティーは避け、朝はラヂオ体操か自衛隊体操、または海軍体操を欠かさず、夕べにはホット・ウヰスキーでも呑みながら、Youtubeで昭和の紅白でも聞きながら過ごすのが良さそうである。

 相変わらずの疫病騒ぎで世界は慌ただしく、俺はホット・ウヰスキーのお替りに忙しいのだが、ロシアはウクライナ国境周辺に兵力を集中しているのだという。

 ウクライナのOleksii Reznikov国防相によれば、ウクライナ東部のロシア国境周辺に集中した露軍兵力は、現在94,300、と先日報道されていたが、いまは120,000程になっているという。 アメリカ情報筋は年明けの1月には175,000の兵力が集結するであろうとしている。

 機械化歩兵大隊や機甲大隊に、MBT、BMPやBTR、対戦車火力、ロケット&砲兵、戦闘工兵、偵察隊、兵站支援等を増強した、火力・突破衝力に優れた露軍BTG(Battalion Tactical Groupー大隊戦闘団)100個程を主力とする戦力が正月にはウクライナ国境周辺に揃うのだという。
露軍BTGというのは、火力・機動力等戦力において、ど~も、陸自普通科連隊RCTを上回っているような気もしたりして(苦笑)。

 ロシア軍は”関東軍特別大演習”を行うと言うのでもなく、この寒い冬場に原野に蝟集し、待機している。
「良いウオッカがあるから、ウクライナ軍もNATO軍も皆んなおいでよ、共にКатюша(カチューシャ)を歌い踊って、盛り上がろうではないか!」 
♬ロシアの黄色いパンツ、洗えばまだはける、ロシアぁの黄色いパンツ~、穴あいてもまだはけるぅ~ウ!♬ 
Хорошо(ハラショー)赤軍! Ура(ウラ~ッ)!!
ということでもなさそうな。

 ウクライナという国は、面積こそ日本の1.6倍程で、Texas州より若干小さい位だが、人口は4,100万程であり、経済的には豊かでなく、欧州では最貧国ランクになるのだと言う。

 軍事力も、主力である陸軍は現役兵力15万程というから、陸自とほぼ同程度である。
「information varies; approximately 200,000 active troops (150,000 Army, including Airborne/Air Assault Forces; 12,000 Navy; 40,000 Air Force); approximately 50,000 National Guard (2021)」 - CIA Factbook

 2014年のロシアによるクリミア侵攻を受けて以来、徴兵制・国民皆兵制を敷いており、90万とか言う予備役を総動員すれば、陸上兵力の数だけは相当なものになるだろうが、装備・練度において近代戦闘を行い得るのは、やはり現役部隊の15万のみであろう。

 クリミア半島は既にロシアの支配するところとなって久しく、東部の国境地域はロシアの支援を受けた親露派勢力が分離を宣言して、ウクライナ政府の管轄の及ばぬところとなっており、ロシア軍の自由な出入りを許している。

 オランダ発クアラルンプール行きのマレイシア航空の777が、この東部地域上空でロシア軍の地対空ミサイルにより撃墜された事件も記憶に未だ新しいところである。 尤も、ロシアは関与を否定しているので、補償などはビタ一文払ってはいないであろう。

 ウクライナ軍の兵器体系はロシア製主体であるが、近年になって欧米の兵器導入や訓練支援を受けていると言い、現在、米軍の軍事顧問が150人程駐在しているという。

 ウクライナは、どの国とも安全保障上の軍事同盟は現在結んでおらず、勿論NATOにも未だ加盟していない。 非同盟・自主防衛の国である。

 ロシア軍の本格的侵攻をもし受ければ、空海戦力の消滅は時間単位の問題であり、陸上戦闘でも勝敗は明らかであろう。 欧米は武器弾薬等の多少の援助くらいはすることはあっても、現在は同盟・条約上の義務も無いことであり、援軍を送ってロシアとの戦闘に参加することはあり得まい。

 援軍は期待出来ないので、ウクライナは独力で国土を死守せねばならないが、陣地構築を巧みにして徒に戦力が損耗するのを防ぎ、侵攻して来る露軍に対して最大限の出血を強いる、被占領地に於いても抵抗活動を展開継続し、相手の侵攻意志を挫く、・・・。
 ロシアはロシアで、強大な圧倒的火力を縦深に渡り投射し、御自慢の機甲戦力で一気に蹂躙してウクライナ軍を壊滅しようと図ることだろうし、・・・。
どうも、ウクライナの原野に死屍累々と数多の屍を晒す、凄惨な戦争になりそうである。

 ロシアの大軍が国境に続々集結しつつある状況であり、ウクライナ国内は、極度な緊張にあることは想像に難くないが、元々国内には親露派がおり、また、この機会に我欲の算盤を弾いて「抵抗は無駄死によ、もうロシアに付くほかないお」と、ロシアに媚びを売る者も出ることであろう。 先日、ウクライナ国内勢力と結びついて政権顛覆を計ったロシアの工作が露見したとの報道があったが、ロシアによる地下・心理戦工作も日々激しさを増していることであろう。
 突如として親露派政権がウクライナに誕生し、熱烈歓迎のКатюшаの大合唱の下、ロシア軍がKyivに無血入城することもあながち夢想とも言えまいか。
 まあ、そこまで歓迎はされずとも、ウクライナが早々に戦意を喪失して白旗を掲げ、ロシアの田中理事長であるプーチン大統領に、「NATOに加盟しようなどという誤った考えは、金輪際持ちませぬ。もう2度と手向かいは致しません。これからはロシアの為に一生懸命働きますので、何なりとお申し付けくださいませ、ご主人様。」と、膝下に屈すれば、プーチンは大成功と床を踏み鳴らして喜ぶところであろう。

 NATOは、「緊張を高めるな!、ウクライナ国境に集結した部隊を直ちに撤収させろ!」と注告していたが、ロシアは、「緊張を高めているのはウクライナである(キリッ)。 NATOもこれ以上欧州東部に浸透して、緊張を高めるな!」と、逆にNATOを叱りつけている。 プーチン恐いw。

 ウクライナは現在、NATOのMember Action Planにあり、NATOへの加盟は秒読み段階であるが、ロシアはウクライナのNATO加盟は断じて許さない、としている。
NATOに加盟するもしないも、独立国であるウクライナの自主的判断の問題であり、ロシアが決めることでな無いわけだが、プーチンによれば、ウクライナというのはロシアと一体のものだと言う(One people/a single hole)(integral part of Russian history and culture)。 独立した国家としてのウクライナの自主権などは認めず、ロシアの一部・ロシアに従属した地域ということのようである。

 ロシアは、「NATOが東欧に浸透して来て、ロシアの安全を脅かし、緊張を高めている!」と言うのだが、たしかに、ポーランドやチェコ、ハンガリー、ルーマニア等といった嘗てのWARSAW Pact国家が、今やNATOの加盟国であり、東ドイツなどという国は消滅してからもう久しい。 91年のソ連邦崩壊後に、これらの東欧諸国は独自の判断で集団安全保障体制のNATOに加盟したのであり、NATOが東欧諸国の国境周辺に軍隊を集結させ、脅かしてNATOに加盟させたわけではあるまい。 NATOがロシアに攻め入る必要も無ければ、その能力も、その意思も無いことである。

 冷戦時代のWARSAW Pact(ワルシャワ条約機構)では、加盟国に生じた自由・民主化の動きには、盟主ソ連はこれを戦車で鎮圧し、「鉄と血の団結」を維持していた。 1956年Hungary動乱、そして1968年の Czechoslovakiaでの出来事であるが、幕末の京を震え上がらせた新選組の局中法度ではないが、「局ヲ脱スルヲ不許」w。

 そんなソ連邦が崩壊して、既に30年が経つ。 嘗て「東側」と言われた東欧諸国も、主権を持つ独立国として其々歩んでいる。 プーチンは軍事力の力で周辺国を衛星国、取り巻き国として保持しようとしているが、ソ連時代、いや、まるで中世か戦国時代の国盗りの思考である。

 今どき時代錯誤w、世界観・価値観の相違、ロシア流の正義(苦笑)と、笑ってばかりはいられない危険なところがある。

 欧米は、ロシアがウクライナに武力侵攻した場合には、「強力な経済制裁等を発動させる」と警告しているのだが、日本のような島国で経済活動を輸出入に頼り切っているような国の場合には、輸出入を止められれば、即座に干上がってしまうのだが、ロシアは大陸国であり、資源輸出国である。 全世界の国々が全て欧米の制裁に歩調を合わせるものでもない。
 ウクライナがNATOに加盟するのを阻止するには、今回が最後のチャンスであろうし、経済制裁くらいはプーチンとても織り込み済であろう。 ロシアの意図を断念させるのに、どれくらいの効果があることだろうか。

 ロシアのウクライナ武力侵攻を放棄させるには、アメリカはじめNATO諸国が、「ウクライナを今後永久にNATOには加盟させない」、との決議証文をロシアに差し出すことも考えられようが、これではウクライナの主権を否定し、米欧もロシアと同じ穴の熊になってしまい、自由と民主主義という価値観を自ら否定することであるから、出来る譲歩ではあるまい。

 ウクライナの独立国家としての主権を、同じ価値観の下に欧米もウクライナと共にロシアの侵攻から守る、ロシアの侵攻意図を断念させる、というのであれば、ウクライナが必要とする武器弾薬類の提供は勿論であるが、NATOとウクライナが協定を結んで、「ウクライナ上空の制空権確保に、NATO軍も協力参加する」のが良いかも知れぬ。

 空軍力であるから、陸上兵力のように時間をかけてウクライナ領内に前進する必要が無く、明日からでも任務に就くことが可能である。

 アメリカはじめNATO空軍機が、ウクライナ領空で、ロシア軍機と交戦に至る可能性が生じるわけだが、ウクライナ領空の防空に成功する可能性が大きいであろう。

 戦火があらぬ拡大をして、全人類に災禍を齎す大戦争に発展してしまう可能性があることも全く否定は出来まいが、「今どき軍事力を以って国盗り」することは許さない、との姿勢を米欧の有志国は毅然として示す必要があることであろう。

 侵攻して来るロシア地上軍への対地攻撃任務はウクライナ空軍のSu-25に任せるとしても、制空権の帰趨で地上戦の様相はかなり異なるものとなろうし、ロシアもそれはORで知れるから、ウクライナ侵攻を断念する可能性が大きいのではなかろうか。

 尤も、バイデンは内政の大統領でおじいちゃんであるから、これはすまいが。(苦笑)

 ウクライナは美人の産地とも聞くから、秋田みたいなものか。 女性兵士(志願)も戦闘部隊に配属されていると言うが、兵士である以上、祖国防衛に奮戦し戦死するのは仕方ないとしても、大事な顔には傷を付けないようせねばならぬだろうか。


UkraineRussiaanTroopsDec21


攻撃準備地点に集結中のロシア軍部隊の衛星写真。商業衛星写真で、こうゆうものが誰でも見れる時代である。
UkraineRussianBTG
Image:Digital Globe
Novo-Ozernoye, Crimea on Oct. 18, 2021
Image:MAXAR Technologies
Maxar005
Image: MAXAR Technologies
Yelnya, Russia on Nov. 9, 2021
Image: MAXAR Technologies

年明けには175,000程の兵力とのことであるが、正月に攻撃するとして、ウクライナ全土の占領維持には、若干兵力過少な気もするのだが? 機甲等ウクライナの主戦力はウクライナ全土に作戦して殲滅するとして、占領維持はDnieper river以東の地域ということもあるだろうか?
UkraineRussiaMap

前線で警戒に当たるウクライナ軍兵士。今年はクリスマスも正月も、塹壕の中かな。
Frontline



事故調中間報告書

一昨日だったか、もう今年の夏も終わりだなと思い、冷蔵庫の奥に見つけた缶ビールを「さらば今年の夏よ!」と飲んでいたのだが、今宵はなにやらもう肌寒さを感じるようだ。
北緯47°、さすが此処は北国である。

マレーシア航空のMH17便だが、オランダの事故調査委員会が9日に「Preliminary Report (中間報告)」を公表している。

Preliminary report - Crash involving Malaysia Airlines Boeing 777-200 flight MH17」 - Dutch Safety Board

MH17便の墜落したウクライナ東部は武装勢力の支配地域であり、墜落現場に入ること自体なかなか難しく、未だに遺体の収容すら完全には終っていないといわれる。

本来であれば当件の事故調査はウクライナが主管するところであるが、今回はMH17便の出発地であり且犠牲者を最も多く出しているオランダの運輸安全委員会(DSB)に事故調査が委託されている。

オランダDSB主導の下、マレーシア、ウクライナ、ロシア、英国、米国、豪州などが調査に協力する形となっている。
墜落現場の事情からして、客観性などからも、妥当な調査態勢であろう。

出発地スキポール空港での当該機の整備記録ではNo1エンジン(L/H)のオイルを追加したのみで、機体や機体各システムに異常は認められていない。エンジン・オイルの消費も規定値内のものであった。
給油もされて同機は7月17日10:31(UTC時間)完璧な状態でクアラルンプールへ向け出発している。

運航乗務員は長距離路線ゆえ交替要員を含め2組(2名+2名)乗務していた。いずれの乗務員の運航資格、健康記録ともに問題は認められない。

CVR(コックピット音声記録)、FDR(飛行データ記録)も解析の結果、コックピットでの異常を知らせる警報音や乗務員の異常な会話などは無く、FDRもエンジンはじめ機体システムに異常は認められていない。
CVR、FDRともに事故日(7月17日)の13:20:03(UTC時間)に記録停止している。

機体は順調に飛行中に、突如として破壊が生じていたことになる。

機体の破壊は、機体外部よりの、高い衝撃力を持った多数の物体の貫通により、機体構造が破壊され空中で分解しながら落下したものと推定している。

機体の墜落域は、約10kmX5kmの広い地域に散らばっている。

中間報告書は、MH17便が地対空ミサイルなどの大型弾頭により破壊されたことを強く示唆しており、これまで言われてきたことと一貫性がみられよう。

ロシアだけは別の見方をしており、ウクライナ軍のSu-25攻撃機がMH17便と同じ高度におり当該機を追尾(攻撃)していたとしているわけだが、中間報告書はMH17便の周囲に飛行中であった他の民間航空定期便機については記述があるが、「Su-25」機については一切記述は見られない。
Su-25機がエアライナー機と同高度域をもし飛行していたのであれば、衝突の危険があり、航空管制から周辺エアライナー機に注意警報が出されて良さそうだが、ATC記録にもそのようなことは見当たらない。

当日の気象は曇りで、所々雷雲の発生がみられる気象であった。

MH17便は13:00時航路上の雷雲を避けるためダイバートをATCリクエストし、航空路L980より20NM(37km程か)左にダイバートしている。
13:19:53時のレーダー情報ではL980センターラインより3.6NM(7km弱)北にあった。
このような当該機の運動を眺めていた地上の地対空ミサイル射撃員が、”こいつは軍用機”と誤判断し、高度の判定なども誤って、「誤射」に至った可能性は考えられるところだろうか。

事故調査委員会の調査目的は、事故原因を究明して事故再発防止策を考え、航空の安全運航の向上に資する事にあるわけで、原因の究明はするわけだが、「誰が殺ったのか?」の犯人の究明というのは、国際司法機関によることになる。

今後は墜落現場に入れるだろうし、冬が来て一面の銀世界になってしまう前に、草の根を掻き分けて丹念に探せばミサイル関連の部品などが発見出来る可能性があるし、そうなればミサイルの種別を判定することも可能であろう。

ジャーナリストのBukミサイル目撃談や、地域住民のBukミサイル・ランチャーとロシア訛りの乗員の目撃談というのもあるし、丹念にひとつひとつ検証してゆけば、何処で何が行われていたかを明らかにすることも不可能ではあるまい。

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MH17便墜落地帯。DSBレポートより。 コックピットなど機首部分がかなり離れて落下しているので、機首部位が最初に分解分離していたものと思われる。

Ceasefire

「停戦」協定が成立したという。

先週始めからのウクライナとロシア両大統領の電話会談による合意に基づき、金曜(9月5日)には隣国ベラルーシのMinskで、ウクライナ、ロシア、”ドネツク人民共和国”、”ルハンスク人民共和国”それにOSCEの代表も交えて、停戦協定が締結されている。(OSCE

実質はウクライナとロシア間での停戦協定であるが、ロシアはウクライナに対する軍事的干渉は一切行ってはいない(ロシアの声)、という公式姿勢であるから、この地域の平和の実現を誠実に希求する我がロシアの積極的仲裁活動により、紛争発生の責任者であるキエフ政権と、地域人民の唯一の正当な代表である、ドネツク人民共和国およびルハンスク人民共和国の間において、停戦が成立する運びとなった、と言うところだろうか。

ドネツクやルハンスクの親露派武装勢力というのは、各種傭兵の寄せ集めを主体とするもののようで、その資質はあまり優秀とは言えず、ロシア製最新兵器・重火器の供与や、浸透したロシアの軍事顧問の作戦指導下でもウクライナ軍に対して劣勢であり、8月下旬にはかなり圧迫されて、そのまま鎮圧されてしまう気配さえ窺えたが、戦車・装甲車・自走砲それにSA-22自走地対空ミサイルなどを装備する火力・機甲・防空力の充実した、すくなくとも機械化旅団規模以上と思われる有力なロシア軍部隊が、東部および南部国境地帯より侵攻し、形勢は逆転している。

国境南方海岸地域に新たな戦線が形成されれば、東部で戦闘中のウクライナ部隊は側面を脅かされ、下手をすれんば包囲されるから攻勢どころでなくなる。
それまでの攻勢から守勢防御配置に態勢を転換するわけだが、ロシア軍火力はその余裕を与えず、精密な集中火力発揮で随所にウクライナ軍を破砕していたようだ。
備蓄弾薬類はおろか、戦死者の収容も出来ずにこれを遺棄したまま後退した様子などがYoutube等に映されている。
捕虜も数百人規模で出したようであり、ウクライナ軍前線部隊は”潰走”したといってよいのだろう。

さすがはロシア陸軍、”格の違い”を見せたというべきか。

元々が常備軍57,000という(Wiki)小規模なウクライナ陸軍であり、戦力の回復には時間が要るであろうし、今後は、東部の親露派武装勢力にたとえ攻勢を掛けたところで、ロシア軍が何時でも参戦して来ると言うのでは作戦の勝算など到底成り立たないことになる。

ロシアにとっても、戦闘参加する以上損害が皆無とはいかないので、戦傷者が増えてくれば、国内報道規制には成功していても、人の口伝で戦争の実態が広まり、折角これまで高めてきたプーチン政権支持への不信拡大にも繋がりかねない。

停戦発効ともなれば、高まっていたロシアへの経済制裁発動も、経済制裁はお互いに痛みを伴うことであるから、制裁発動は”もういんでね”という国や意見も出てこようか。

今回の停戦協定締結への環境条件は整ってきていたというところだろうか。

停戦の発効に伴い、ロシアは人道支援のトラック隊を再度ウクライナ東部に送るというが、前回も人道支援活動であるからキエフ政権の承認や国際赤十字の同道なども不要としていたが、今回ドネツク人民共和国やルハンスク人民共和国もそのウクライナでの特別な地位が承認されたことであるし、今後は両国からの要請で人道支援は行えるのだろうから、ロシアのウクライナ東部への影響力は格段に強まるのであろう。

ウクライナとロシアとの国境は陸路2,000kmほどのようだが、東部南部地域の紛争地帯の国境は1,000km弱であろうか。
停戦の監視や紛争地国境の監視はOSCEが担うことになるといい、現在20名に満たない監視要員を60名に増員しその後も要員を確保して増員するのだとはいうが、非武装(軽武装?)のOSCE監視要員を排除するのは容易なことであろうし、国境地帯で兵器や戦闘員の流入をOSCEが確実に監視出来ると期待するのは難しいであろう。

プーチンのロシアにとってみれば、かつての東欧同盟諸国を欧米は次々と侵蝕して来ており、軍事同盟に他ならないNATOは今やポーランドや、エストニア、ラトビア、リトアニアのバルト海三国までもその手中にしている。
東欧諸国での経過をみれば、放って置けば何故か欧米”西側”に傾倒してゆくのは明らかなこと。
ウクライナが現在「非同盟中立」とするのも、欧米に傾倒し、NATO加盟に至るためのステップに他ならない。
”ロシアの柔らかい下腹部”であるウクライナに、欧米NATO軍が進駐し、黒海にNATO海軍の基地が出来てしまうような事態は、プーチンにとってロシアの安全保障上決して容認出来ないという事なのであろう。

ウクライナは、クリミア半島の奪還はもちろん、東部国境地域も施政権を放棄してロシアに委ね、”新たな国境の新生ウクライナ”として早々にNATOに加盟して、集団安全保障の中で国の安全を保持して欧州の一員として歩むか、或いは、終生NATO非加盟をプーチン様に誓い、ロシアの”同盟国”としてその隷属の下に生きるか?、の現実的な選択を今後迫られることになるだろうか。

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